モノレールねこ (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 1877
レビュー : 271
  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167673031

感想・レビュー・書評

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  • H30.9.30 読了。

    ・「本書に収められた8編には、ある共通点がある。それは、物語に登場する人物たちが、誰かを、もしくは、何かを失くした人たちである、ということだ。彼らが、失くした誰かや何かを再び取り戻すまでのドラマを描いたのが、本書なのだ。ちょっとかげっていた空に、柔らかな光が一筋差し込むまでの、ささやかだけれど心の奥がほんのりと温まるような、そんなドラマを描いたのが本書なのだ(解説より。)」・・・この解説が本編の内容をぎゅっと集約している8つの短編物語。
     読んでいてちょっぴりくすりとしたり、ちょっぴりうるっとしたり(最後の作品のバルタンは、泣かされてしまいましたけど・・。)して、気づけば一気読みでした。読後感も良いものが多かった。

    ・「つくづく、恐れとは信用しないことだと気づく。自分の周りの人たちを。そして誰よりも自分を。」
    ・「つまるところ幽霊とは、人の心が創り上げた存在なのかもしれない。死んでしまった人がいて、残された者がいる限り、それは現れ出、生まれ出てくるのだろう。」
    ・「俺たちザリガニは、たとえ命よりも大切なこの両のハサミを失ったとしても、見事再生させることができる…脱皮することによって。人間もそうだといいのに、と思う。傷ついた心とか、失くしかけた自信とか。そういうものが、魔法みたいに、簡単に癒えてしまえばいいのに。」

  • やられたぁ。いやぁ笑った。そしてじわーっと感動したし、キューっと切なかったり悲しかったり。ものの見事に加納劇場を満喫してしまいました。八編からなる短編集ですが、どの作品もいい!短い一編の中でよくこんなにうまく読者の心を捉え揺さぶりフィニッシュも巧くまとめあげるなと。私は加納さん二作目にしてもう完全に虜です。特に最後の二編「ポトスの樹」「バルタン最期の日」は実に見事に感情を揺さぶられました。短編集でここまで読書の醍醐味を味わえたのは久しぶりかもしれない。こういう鬱々とした時期に是非ともお勧めしたい一作です!

  • 『いつかの岸辺に跳ねていく』がすごく良かったので、加納朋子さんの作品にもう少し触れてみようと思い読んでみました。
    中学生くらいから読めるような内容で、この作家さんは家族の絆を語るのがうまいようですね。
    悲しかったり苦しかったり納得しがたいことがあっても、その現実と前向きに折り合いをつけていこうとする姿がいいです。
    どの物語も話の終わり方が穏やかで、未来への希望や幸福感を感じることができます。
    8つの短編の中では、本のタイトルにもなっている「モノレールねこ」が好みかな。

  • このネーミングは・・・ よく考えると、とーっても失礼な名前だったりする(かわいいけど)。

    強い女性と、すこーし弱い男性の組み合わせって、もしかすると結構うまくいくパターンなのかもしれないな、このあときっとうまくいくだろうな、とにんまりするような空気感がいいですね。

    そのほか、情けないけど、それにはしっかり理由がある、そんな読後感のよい短編集です。

  • 家族や友情をテーマにした短編集。

    思っていたのとは、ちょっと違ったけれど、自分にも似たようなことがったな…と思い出させてくれる懐かしさが漂う物語たちだった。

    モノレールねこってどういう意味なのかな…と思っていたのだが、なるほど。
    うちの子(ねこ)もまさにそんな体型ww

  • デブで不細工な野良ねこが運ぶ
    文通の行方を描いた
    「モノレールねこ」


    フリーマーケットで買った真っ白なパズルの中から
    犬が現れて…
    「パズルの中の犬」


    事故により一人ぼっちになってしまった
    中学生の少女と
    何をやってもダメダメな叔父さんの
    凸凹な二人暮らしを描いた
    「マイ・フーリッシュ・アンクル」


    ぶきっちょな家族と
    ザリガニとの
    愛しくも可笑しな日々を描いた
    『バルタン最期の日』



    など家族をテーマにした
    8編が収められた短編集。



    いやぁ〜
    上手いなぁ〜♪

    加納朋子さんの作品は初めてだったけど、

    登場するちょっと変わった幽霊や動物なども
    そこに息づく意志をちゃんと描いているから
    読めばありありと
    映像が浮かんでくるし、

    例え現実離れした
    ストーリーであっても
    意外なリアリティーを感じさせてくれるんですよね。


    特に白地に黒の
    デブで不細工な野良にゃんこの話と

    最後のザリガニの話は
    本当に生き生きとした動く映像が
    思い出されて
    今でもグッときます(>_<)


    普段はツンデレな二匹が
    知らないところで
    大切な人たち(家族)のために
    身体を張って頑張ってたという事実は
    動物好きならずとも
    誰もが胸を打たれるハズ。



    自分は施設で育ったので
    この短編集のテーマである「家族」には
    常に憧れがあります。


    うっとおしいと思って、
    適当に聞きのがしてた言葉でも
    一生懸命かけてくれた家族の言葉は、
    今でもちゃんと
    身体の
    どこかに入ってる。



    デブで不細工な猫だって、
    頼りない叔父さんだって、
    お人好しなザリガニだって、
    家族でいようって信じた瞬間から
    それは家族という絆の始まり。



    風や空や月みたいに

    どこにいても、
    いつになっても、
    なにが起こっても、
    変わらずにそこにあるもの。


    そんな家族が憧れです。



    懐かしくて、
    切なくて、
    少し涙して、
    最後には
    暖かい気持ちをくれる良作です(^_^)v

    • 円軌道の外さん

      まろんさん、
      コメントありがとうございます!

      昨日の深夜
      屋台で一杯やりながら
      おでん食べてたら、
      タイミング良く
      ふ...

      まろんさん、
      コメントありがとうございます!

      昨日の深夜
      屋台で一杯やりながら
      おでん食べてたら、
      タイミング良く
      ふたご座流星群を見てしまって
      ちょっと感動してしまいました(笑)(ToT)

      そちらでも見れたかな?



      バルタンはマジで泣けましたよね〜(≧∇≦)

      小学生の時に
      ザリガニをよく捕まえては
      死なせてたので
      その頃の思い出が
      リアルに蘇ってきて
      ホンマヤバかったっス(T_T)


      そうなんです♪
      加納朋子さんは今回初めてやったんで
      一番メジャーそうなんから読んでみよって思って(笑)
      知ってるタイトルやったんで
      コレにしました(笑)

      次はまろんさんおすすめの
      『ななつのこ』いってみます!


      紹介感謝感激です(*^o^*)


      2012/12/14
    • nobo0803さん
      円軌道の外さん、お久しぶりです。
      体調を崩されていたとかで・・もう大丈夫なのでしょうか?
      円軌道の外さんがブクログに復活されたのと入れ替えに...
      円軌道の外さん、お久しぶりです。
      体調を崩されていたとかで・・もう大丈夫なのでしょうか?
      円軌道の外さんがブクログに復活されたのと入れ替えに私がちょっと、忙しくて、なかなか本も、パソコンも開けずの生活でした・・
      ようやく復活!!
      これからまた沢山読みますよ!(^^)!

      バルタン、最高ですね。
      まさかザリガニに泣かされるとは・・・

      私も加納さんの本は、この1冊しか読んでいなくて・・
      私もまろんさんのお勧めに便乗します!!
      2013/01/24
    • 円軌道の外さん

      nobo0803さん、
      コメントありがとうございます!

      あっ、体調はもう復活したんですが、
      年明け早々に仕事中階段から落っこ...

      nobo0803さん、
      コメントありがとうございます!

      あっ、体調はもう復活したんですが、
      年明け早々に仕事中階段から落っこちちゃいまして(笑)
      今包帯ぐーるぐるのミイラ男になってます(^_^;)


      nobo0803さんも多忙なのですね。

      かなりの読書家さんがいるブクログなので、
      読まなきゃって焦っちゃうけど、
      読書は人と競うのではなく
      マイペースが一番です(笑)

      無理なくまた更新できるよう
      お互い頑張りましょうね(^_^)v


      加納さんも今
      病気療養中ということだし、
      じっくり焦らず病気を治して、
      また心に染みる作品期待したいです。


      今後ともよろしくお願いします(*^o^*)


      2013/01/28
  • 何かをなくした人たちが、それを取り戻したり受け入れたりして前向きに生きていく話の短編集。
    なんとなくで読み始めたが、最初の表題作を読んだ時から「これは当たりだ!」と思った。その予感通り、どの話もじんわり泣けて、温かい気持ちになり、自然と笑みがこぼれる内容。読むことができて良かった。
    特に最初と最後の話がいい。バルタンはなんとザリガニ!から見た人間の物語。ザリガニに泣かされる日が来ようとは…(笑)

  • 猫の日に因んで選んだ作品。
    なのに表題作の猫よりも、一匹のザリガニの話にやられてしまった。
    様々なものを失くした主人公達が再び本来の自分を取り戻す、心温まる8本の短編集。
    文通相手や幼い頃の記憶、家族…人は大切なものを失くしては途方にくれる。
    そんな主人公達を、愛嬌たっぷりのデブ猫やつぶらな瞳でじっと見つめる犬、毎年同じ日に宿泊する黄昏ホテルのスタッフ等、みんなが温かく見守っていてくれる。

    特にザリガニの「バルタン」の、のんびりしたお人好しのフータ一家を見守る眼差しには参った。
    体が小さいからと見くびってはだめ。
    体がどんなに小さくても家族に向ける愛情は、「バルタン」が生まれ育った公園の池よりも大きくて深い。

  • まず猫の描写で笑ってしまいました。どうして不細工な猫に愛らしさを感じてしまうのか^^; あの飄々としてふてぶてしい感じが猫好きにはたまらないですね♪
    モノレールねこの最期には涙がでてしまいましたが、その他の短編もどれも心に沁みる話ばかりでした。特に『ポトスの樹』『バルタン最期の日』が良かったです。家族愛を感じました。
    心の奥底で思っていることは人に伝わらないことも多いですが、それが深い愛情だった時は、やっぱり悪い人はいないととても幸福な気持ちになります。

  • タイトルの《モノレールねこ》につられて短編集だとは思わず衝動買いしてしまったが、成功だった。
    (どうもねこに弱いもんで)

    その中で良かった物語を三選。

    ○マイフーリッシュアンクル
    なかなかよかった。
    家族が亡くなり、弱気でダメダメな叔父と強くしっかりしている夏澄が2人で暮らすことになる。
    叔父と子の関係から、段々と家族になっていく過程が違和感なしに読めた。やり取りも微笑ましい。

    ○ポトスの樹
    この作品集の中では最も好きな物語です。作中で語られるには『ロクデナシのオヤジ』。これまた豪快で、ガキ大将のまま育ってしまったんでないか。息子から語られるエピソードも、大人にとってささいな事も、子供にとっては物凄く大切なことなんですよね。
    ただのオモチャでも宝物、たった100円でも子供にとっては大金。
    それでも最後には最高に男らしく父親らしい『オヤジ』を見せてくれます。
    とても良かった。

    ○バルタンの最後
    ザリガニ目線のお話。
    本当にそういうこと思っていたら面白いなと思った。生き物目線のお話は実に感心深い。


    この作者さんの本は初めてですが、面白さが安定している印象。個人的には後半からが本番かな。
    ただ、多少急展開な部分が目立つかも。突然の事故でキャラが死んだり、予兆も前触れがなかった為「いやいやいやちょっと待ってそれは…」なんてことも。少し腑に落ちなかった。
    ねこの物語は『モノレールねこ』のみなので、念のため注意。

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著者プロフィール

加納朋子(かのう ともこ)
推理作家。福岡県北九州市出身。夫は、同じく推理作家の貫井徳郎。1992年『ななつのこ』で、第3回鮎川哲也賞を受賞し、作家デビュー。1995年には『ガラスの麒麟』で、第48回日本推理作家協会賞受賞。2008年、『レインレイン・ボウ』で第1回京都水無月大賞を受賞。自身の急性白血病闘病記録『無菌病棟より愛をこめて』も話題に。2019年6月26日、『いつかの岸辺に跳ねていく』を刊行。

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