犬吉 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2006年3月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784167677039

みんなの感想まとめ

主人公の犬吉は、亡き愛犬の面影を頼りに生きる女性で、彼女の心の葛藤や成長を描いた物語です。犬吉のモノローグを通じて、彼女は自身の過去や苦しみを振り返りながら、出会った侍の言葉によって再生の道を見出そう...

感想・レビュー・書評

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  • 主人公、犬吉のモノローグのような話の進行。
    自分の生きている今を儚み、今は亡き愛犬の面影だけを頼みに生きる犬吉。
    しかしある事で知り合い心を惹かれた侍の言葉で自分を取り戻そうとする。
    四十七士討ち入りと、中野にあった御囲いを舞台に一人の女性の人生が語られる。

    犬吉の言葉に
    「あんなに禍々しい夜のあとに、
    こんなにあっけらかんとした昼が来るなんて、なんだか騙されてみたいだ」
    というのがある。
    そうだなあ、どんな酷い経験も過ぎてしまえばなんともない過去になるのかもしれない。
    できるならばどんなにつらい今でも、そのあとに続く何でもない人生を頼みの綱としてムキにならずやり過ごして淡々としていたい。

    それにしても著者の諸田玲子さん、忠臣蔵絡みの作品が多いのは何故だろう?

  • L
    綱吉時代の犬収容所で犬のために尽くす犬吉とあだ名された女の話。
    …うわっ という感じ。終始、吉目線で語られる。諸田作品の女だけにすごい人。依田さまが出てこなかったら途中で読むのやめたかも。

  • 江戸時代の野犬収容施設「御囲」で犬の世話をし、また売春もする犬吉のお話です。

    江戸時代の風俗がよくわかりますし、人にとっても、犬にとっても大変だったんだなぁと、改めて感じます。

  • 時代背景がしっかりしているので読みやすい。ただ、もう少し分厚いものの方が読み応えはあったかと。御囲い場を小説の舞台にする発想が面白い。

  • 生類哀れみの令のもと、人よりもお犬様の命の方が大切にされた時代の話。
    自分の気持ちではどうにもならない事にどんどん押し流されていく主人公が、少しずつなんとか、自力で立ち上がろうと頑張る。
    でも彼女がこれから幸せになるには、相当な力が必要だろうという

  • 五代将軍綱吉の生類憐みの令によって起こった悲喜こもごも。
    主人公「お吉」の境遇は現代人の我々には理解しがたいが、ラストはハッピーになれそうな予感。
    純な心を持った犬吉が、本当の愛に目覚めてゆく。
    しかし、彼女は御囲を離れて生きていけるのだろうか?過去は犬埋場に捨てて前向きに生きようと決心した。

  • 元禄十五年十二月十五日。言わずと知れた赤穂浪士吉良邸討入りの日。その一報を聞いて江戸の武士、町人は興奮の極みに達したが、江戸から離れた武蔵野の地「御囲」の人足達も同様の興奮をきたした。「御囲」とは何か。「生類憐れみの令」により集められた十万匹とも言われる野良犬を収容した総面積二十七万坪と言われる「お犬様」の収容施設だ。その地で世話をしながらも「お犬様」に対して「恨み」を持つ人足達は「恨み晴らさ」の思いから敵討ちに浮かれて「祭り」を実行する。登場人物の運命が変るたった一晩を描いた物語。

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著者プロフィール

諸田玲子
静岡県生まれ。上智大学文学部英文科卒。一九九六年『眩惑』でデビュー。二〇〇三年『其の一日』で吉川英治文学新人賞、〇七年『奸婦にあらず』で新田次郎文学賞、一八年『今ひとたびの、和泉式部』で親鸞賞を受賞。著書に『お鳥見女房』『あくじゃれ瓢六』『きりきり舞い』シリーズのほか、『四十八人目の忠臣』『波止場浪漫』『帰蝶』『女だてら』『尼子姫十勇士』『しのぶ恋』など多数。

「2023年 『其の一日 増補新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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