悪いうさぎ (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 694
レビュー : 111
  • Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167679163

作品紹介・あらすじ

女探偵・葉村晶(あきら)は、家出中の女子高校生ミチルを連れ戻す仕事で怪我を負う。一ヶ月後、行方不明のミチルの友人・美和探しを依頼される。調査を進めると、他にも姿を消した少女がいた。彼女たちはどこに消えたのか? 真相を追う晶は、何者かに監禁される。飢餓と暗闇が晶を追いつめる……好評の葉村晶シリーズ、待望の長篇!

感想・レビュー・書評

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  • 体を張る葉村。

    表紙のかわいさにつられてついつい読んでしまうこのシリーズですが、シリーズ中一番読みやすく 内容が頭に入ってきました。事件の展開がドンドン進むというよりは、地道に探偵葉村が関係者に聞き込み調査するという感じなので、事の顛末は最後の数ページであっさり判明という形式です。ここで好みが別れるかな?

    とにかく葉村が体張りすぎ。痛々しくて見ていられないよ!でもこの人のキャラはほんとに魅力的。だからこそ幸せになってほしいけど、そんな日はたぶんこない笑
    やっぱり本屋の店員してるより、ちゃんと探偵してる葉村さんが好きです生き生きしてるから。(愚痴も少なめ)

    みのりや光浦のサブストーリーも面白く、読後は一本のゲームを終えた感じでした。

  • 頭から主人公「葉村晶」が刺される展開。
    この事件をきっかけに葉村晶は女子高生の失踪調査の依頼を受ける。幾つかの断片は判明するも、行方はわからない。挙句に自身が事件に巻き込まれてしまう。
    毎度のことながら、主人公は望まないながらも、結構なハードボイルド。事件は後味の悪いものだが、不運にめげずに首を突っ込んでいく葉村晶の行動を追いかけるのは心地よく、少し休ませてあげたいと思いながら、一気に読んだ。

  • この次から次へと起こるトラブルと不幸。これに皮肉と意地で対抗する探偵。
    かの名探偵フィリップ・マーロウを思い出す。
    楽しかった。

  • 相変わらずの葉村の不運!わざとらしくないところがすごい。
    しかし今回は本当に肉体的にも精神的にも大変そうでしたが、乗り越えて向かって行くところがかっこいい。でも暑苦しくない。

    登場人物の男性の大半がゲスの中、光浦さんは素敵でした。これからも登場してほしい。

  • 女探偵・葉村晶をじっくり味わえる長編。
    台風19号が迫る豪雨の朝の読了後、改めて気付くのは”やっぱり葉村晶が好き”。

    葉村晶目線で語られる本作は、彼女が見て・聞いて・話して・考えるもので成り立っています。
    その一つひとつに彼女のカッコよさとカッコ悪さがにじみ出ている。

    特に好きなのは、些細な言葉・出来事から、凡人では気付かない様々な意味や展開を読み取っていく姿。
    そして、表に出る会話と裏にある心理の対比に表れる、彼女の鋭い思考とシニカルさ。

    葉村晶の一挙一動の多彩な魅力が次のページへと駆り立てる本作です。

  • 若竹七海はデビュー作の印象が強すぎて、葉村晶シリーズの重たい内容が耐えられん… 本作も前作同様のハードボイルドな女探偵が不撓不屈の大活躍、だが読後感は爽快感は全くなし。しかし悔しいが面白い。ただ肝心のオチは…あまりに突飛すぎないか?

  • 自分で店頭買いした本。
    運の悪い女探偵、葉村晶シリーズの長編もの。
    今回はこれでもかというくらい晶が痛め付けられるので、読んでいてハラハラすることが多かった。
    冒頭いきなりのとんでもない世良松夫にその祖母。気持ち悪すぎる牛島潤太に、二八会の面々など、登場人物が濃すぎる。
    やってることもとんでもなかった。
    まさかの悪いうさぎってそういうこと?という驚愕。
    しかし、短編ではなく文庫一冊しっかり読みごたえのある感じがした。
    ぜひまた葉村晶シリーズを読んでみたい。

  •  タイトルが格好いい……。
     行方不明になった少女を探しに、不運な探偵の葉村晶が奔走するミステリ。
     序盤で明かされる「悪いうさぎ」の意味から悪い予感はしつつも、これでもかという悪意のある人たちの間で、人間が普通の善意を保つのは難しいなと思う。それゆえに、ほんのささやかな気遣いがとても暖かく見える。
     実はこの本を以前に読んだことがあり、後半に行くにつれ結末を思い出したのだが、それでも面白い。
     主人公にのせてくる負荷のかけ方が見事だ。(だから主人公は不運なのだが)

  • 第一作、二作目に続けて三作目の本書も読了。シリーズとしては初の長編となり、女子高生連続失踪事件を追う葉村晶に黒い影が忍び寄る。葉村の不運ぶりも一気に加速し、男性顔負けにタフでハードボイルドな彼女の活躍が存分に楽しめるのだが、後作品の「さよならの手口」を先に読んでしまった為、そちらと比較するとまだ展開に奥行きが足りない印象。二八会はあまり活かし切れなかった設定で消化不良感が残り、監禁及び山中の遭難シーンも冗長さの割に葉村の内面を掘り下げ切れていない。常時漂う緊張感は好ましいが、中盤〜終盤の強引さが少々残念。

  • ネタバレになるので詳しくは書かないが、この人の小説には毎度肝を冷やされる。好青年の皮を被ったサイコパスの描かれ方が画一的で気に入らなかったのだけれど、後の展開を考えるとあれで良かったのかもとも思える。まともな考えを持ったまともな大人の真っ当な行為だって場合によっては弱者に対する一方的な暴力になり得るのだから。

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著者プロフィール

東京都生まれ。立教大学文学部史学科卒。1991年、『ぼくのミステリな日常』でデビュー。2013年、「暗い越流」で第66回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。その他の著書に『心のなかの冷たい何か』『ヴィラ・マグノリアの殺人』『みんなのふこう 葉崎は今夜も眠れない』などがある。コージーミステリーの第一人者として、その作品は高く評価されている。上質な作品を創出する作家だけに、いままで作品は少ないが、受賞以降、もっと執筆を増やすと宣言。若竹作品の魅力にはまった読者の期待に応えられる実力派作家。今後ブレイクを期待出来るミステリ作家のひとり。

「2014年 『製造迷夢 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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