鉱石倶楽部 (文春文庫 な 44-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167679309

感想・レビュー・書評

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  • 写真も物語も美しくて、鉱石をスイーツに例えているのも好み。

  • 鉱石を題材に、1つ1つ綴られたストーリー。
    写真も掲載されていて、美しい美術カタログのよう。

    ビジュアルも含め、長野まゆみの世界観たるや脱帽。
    ほんの数行で、宇宙空間に放り出されたような美しさの渦に自分の思考が浸っていることに驚く。

    宮沢賢治をこよなく愛す長野まゆみ。
    まるで「銀河鉄道の夜」のような、不思議な世界観を繊細でガラス細工のような言葉で紡ぐ。

    ストーリーの他、鉱石を薬草か何かのように食べられるものとしてレシピや効用なんかが書かれている所なんか、想像力の豊かさが幼い子供時代を思い出させてくれる。
    暗に猫さん目線で語られている感じも宮沢賢治の影響力を感じさせてくれて楽しい。

  • 綺麗。鉱石の写真もお話も。
    鉱石を食べ物や他のものに例えてお話作られてるのも素敵。砂糖菓子屋のところもいい。

    「きょうこれからの、まだ誰も知らない一日のほうがきっと価値がある」

  • 長野さんの「今」の小説も好きだけど、私が初めて触れて好きになったこの時代の小説にもすごく惹かれます。

    鉱石に長野さん独自の名前がつけてあり、それについての散文詩のような文章(見開きに収まるボリューム)、想像上の鉱石の説明のところが気に入りました。

    むかし、長野さんの小説を初めて読んで「ほわ~」となったときの気持ちを思い出しました。
    特に散文詩のような文章がすごく気に入りました。

    想像上の鉱石の説明では、鉱石を「食べる」種族が解説を書いているので、何オンスの水分を含む(ジュースにするらしい)とか、砂糖漬けにすると保存がきく、とか書かれています。
    …猫かな?

    以前は興味がなくて手にとらなかったのですが、いま読んでみたら手元に置いておきたいと思いました。

  • 鉱石好きにはたまらない、浪漫たっぷりの一冊です。
    写真が多く掲載されているので、図鑑のような気分で読んでもいいかもしれません。
    現実と夢の境目のような世界観で、どこかリアルなファンタジーといった雰囲気です。
    どうぞ、おめしあがりください。

  • 友達にもらって、初めての長野さんの作品。
    文章が素敵なのはもちろん、写真も綺麗で素敵でした。

    個人的にお気に入りの鉱石は雪綿(オーケン石)。
    レビューで書いていらした方もいたのですが、私もこの雪綿の説明を本当だと信じてしまった一人です。食べられるんだ、へぇーとかなんとか思ってました。
    はじめ読み始める前にぱらぱらっと見たのですが、その時にこの雪綿のページを見つけたんです。プロローグを読んでいなかったからますます勘違いしやすくて^^;
    ある意味、楽しい勘違いでしたが…。

    ともかく、ほんとに素敵な作品です。
    ネットで調べたら、ミネラル展という石が購入できる催しがあるようなので、行ってみたいなぁ~(*^_^*)

  • 長野まゆみ先生の鉱物コレクションを元に描かれた物語群を収録した短編集。鉱物を菓子・果実に見立てた作品と架空の鉱物レシピが多く甘みが強め。なので紅茶やブラックコーヒーをお供に読むのがオススメかと。
    宮沢賢治作品を思わせる世界観が多めだが、今作の文章は更に透明度が高く光を反射している。ある意味、鉱物による「水石」鑑賞案内小説とも言えるか

  • 砂糖菓子を摘まむようにちょこっとずつ読んでいった。

  • 長野まゆみさんによる鉱石の解説が本当に素晴らしい。鉱石を食べ物にみたてて紹介しているので、視覚だけでなく味覚も刺激される気がする。一つ一つの物語もきらきらして美しい。いいなぁ、こんな世界に行きたいなぁと思う。

  • まさに、THE・長野まゆみ…って感じの掌編?集
    鉱物たちをお菓子って設定で書き下ろした偽鉱物図鑑…めちゃめちゃ長野まゆみしてるな……
    でもこういうのが一番好きだ…

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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