- 文藝春秋 (2005年10月7日発売)
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感想 : 100件
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784167679590
感想・レビュー・書評
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Macomi55さん、コメント連投でごめんなさいね。
この作品、大好きなのです。湯本さんは全部好み。
アカガイを食べるところが良かったで...Macomi55さん、コメント連投でごめんなさいね。
この作品、大好きなのです。湯本さんは全部好み。
アカガイを食べるところが良かったですね。
てこじいの思わぬ良さにふれることが出来て、生涯の宝物になっただろうと思います。
子どもの頃のそういう体験って、その子をずっと支えるものなんですよね。
「ポプラの秋」や「岸辺の旅」もおすすめです。
どれもみな、喪失と再生の物語です。興味がありましたらどうぞ♪
この話を思い出して、それだけでジーンとしているワタクシです。2021/01/15 -
nejidonさん、いつもコメントや「いいね」を有難うございます。
「西日を追いかけるように西へ西へと転々と」して辿り付いた所が斜陽の町で、...nejidonさん、いつもコメントや「いいね」を有難うございます。
「西日を追いかけるように西へ西へと転々と」して辿り付いた所が斜陽の町で、しかも西日の当たる部屋。沈んでゆくばかりの親子の生活でしたが、突如現れた「てこじい」が沈みゆく太陽の最後のパワーを二人に存分に与え、生まれ変わらせることが出来たのですね。芸術的で美しく、元気を貰える作品でした。
てこじいの皺の描き方や体の折り曲げ方の表現など、年老いた親族を見るときの痛々しさと愛情を同時に感じる視線も上手く表現されていたとおもいます。
湯本さんの小説をまた読みたいと思いました。「ポプラの秋」や「岸辺の旅」も読んでみようと思います。ご紹介有難うございました。2021/01/15
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無頼という言葉を聞かなくなって久しい。
この作品には、その無頼の限りを尽くした「てこじい」なる人物が現れる。
十歳の主人公「僕」が語る、母とその父「てこじい」の物語。
あとは、母の七つ下の弟にあたる叔父の、四人の登場人物だ。
西日を追うようにしてたどり着いた北九州のとある町。
若い母親と僕は、身を寄せ合うようにして生きている。
「いつか南の島でのんびり暮らそう」・・いつも親子でそんな頼りない夢を語っていたのだが、「てこじい」なる祖父が、ある日ふらりと現れてから変化が訪れる。
いつも壁にもたれたまま眠る祖父。どっさりと秘密を抱えた祖父。そして母もまた。
祖父の生涯と死。憎み、抗いながらも必死で「てこじい」と生きる母。
ふたりを見守る僕。それらの心模様が重なるとき・・
ひたひたとさざ波のような感動が押し寄せる。
読後思わず、初めからもう一度読み返してしまった。
連休で暇だから「小説でも読むか」と気まぐれで借りた本が、私の心を深く揺さぶる。
「夏の庭」以来の、実に二十年ぶりの湯本さんの作品だ。
しかもラストでは思いがけず涙ぐんでしまった。
いやまさか、こんなことになるとは予想だにしなかった。
抑制のきいた淡々とした文章ながら、無駄は何ひとつない。
人生への深い洞察力に溢れた心理描写が本当に巧みで、芥川賞の候補作だったというのも頷ける。
冒頭の爪を切る場面、母が好物の「アカガイ」を貪るように食べるところ。その前後。
特に「てこじい」の今わの際の表現がずば抜けて巧く、身内を何人も見送った私も「ああ、そう!この通りだ!」と胸を射抜かれるような描写だった。
やや頑なな娘の、親との因縁と不器用なまでの受容。僕が繋ぐかに見えた絆。そして喪失。
度し難い親を持ったが故の切なさ。それとどう対峙したか。
どなたか同じ悩みを持ついらしたら、たぶん答えをくれることだろう。読後は爽やかなので、どうかご安心を。 -
2015.4/24 『夏の庭』と同様、老人と少年が織りなす物語。でもそれが突然転がり込んできた今はやつれた放蕩者の祖父っていうのが...言葉は多くないのにリアルで読み進めてまう。祖父の関係にハラハラする少年や、恨みつらみを抱えながら放り出せない母親の気持ちが手に取るように分かる。静かに涙した。
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僕と母の暮らすアパートに、ある日、転がり込んできた祖父の「てこじい」。それ以来、部屋のすみでじっとうずくまったままのてこじいは、夜になっても決して横になることもない。てこじいを邪険に扱う一方で、食卓に好物を並べたりと、戸惑いを見せる母。かつて、北海道で馬喰(ばくろう)として働き、朝鮮戦争時は米兵の遺体を繕う仕事をしていたなどと語るてこじいに、10歳の僕は次第にひかれていく…。
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ゼミの先生の研究室の本棚を見ていたら、場違いののようにポツンとあったので、先生に借りて読んでみた。
たんたんと読んでいたのだけど、最後ちょっと泣きそうになった。
で、久しぶりにお父さんに電話してみた。
家族って、いいなって、改めて思わしてくれた本。 -
個人的には小倉競馬場の楽しい思い出しかないのだけれども、北九州にはかつて栄えた町というイメージがつきまとう。1970年代の小倉を舞台にした僕と母とてこじいの物語。
狭い家で夜更けに爪をぱちんぱちんと切る母の姿。たくさんの感情がつまった映像が浮かぶ。
みんなで貝を食べるシーンがとてもよかった。 -
私は湯本香樹実さんの文章が好きだ。
すっきりと簡潔でいて抒情的。
「西日の町」は三世代の親子の物語で、家族との別れの物語。
親子、姉弟、死生観…
西日のあたる部屋の空気間、オレンジ色の日差しや影を感じた。 -
自主練用。
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穏やかなようでいて、父娘あるいは母子の複雑な葛藤というか単純ならざる心情が結構リアル。
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親子の関係もいろいろだよな。
てこじいの不器用で、分かりにくい優しさが愛おしく感じた。 -
思い掛けず良かった。
この著者について何も知らずに古本屋でなんとなく手に取ったのだけど。
簡潔で無駄が無いのにやわらかい、頭だか心だかにすっと入ってくる文章で、いつまでも読んでいたいと思えた。
情報ではなく空気そのものを読ませるような。
難しい言葉や表現を使っているわけでもなく淡々としているのにかっこいい。よごれた老人の話なのに。
こういうのを文体というのかな。
こんな文章を書けたらいいのに。
話し手の僕、僕の母、てこじい。
ほとんどこの三人だけのお話。
母とてこじいとの間の屈折した感情と、それを観察しながらゆっくりと何かを受け入れていく僕。
家族の間にある複雑な感情とかって、むりやり名前をつけて分析して定義してしまったらその瞬間につまらなく思えてしまうものだから、省略された言葉で行間に漂わせるくらいが一番心地良いのかもしれない。
最近、人生とか生き方とか、そういった事を考える出来事がおおかったから、余計におもしろかったのかな。
他の作品も読んでみたい。 -
他人には言えない事柄を人は抱えて生きているということが実感される作品。それは決して家族であっても、友人で会っても打ち明けられないものがある。
しかし、家族の場合はいざという時にはそうした微妙な関係性が瓦解して寄り添うことができるようになることもある。本作はそうした家族の心の揺れを捉えている。 -
母子家庭に唐突に割り込んできた祖父。母にとってどうしようもなく迷惑な父親である祖父との、短くも濃厚な3人暮らしの中で、それぞれの足りないものを、そうとは気付かないまま与え合っていたのだろう。
選りすぐりの言葉たちと音楽のような文体に、肉親を思いやる心情を織り込んだ、優しさに満ちた物語だった。 -
時間軸が回想をゆらゆらしているかのようなのに自然に入ってくるし文章も心地よい。てこじいになんで?と思いつつ僕の穏やかな心を読んでいる気持ちになる
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突然ふらりと現れた母方の祖父「てこじい」と孫の少年との交流を描いた小説。主人公である少年の過去と未来、てこじいや母親など大人たちの過去と未来が入り組み、ノスタルジックな雰囲気を醸し出している。てこじいを毛嫌いすることでしか示せなかった母の、父親(てこじい)に対する少し歪んだ感情、そんな愛情表現があってもいいかなと思った。
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母と二人、西日の当たるアパートに現れた『てこじい』。もどかしいぐらいの親子の愛をかんじました。夏の庭同様、老人と子供の話を書くのが上手です。てこじいがベッドの上で看病疲れで眠ってる娘の頭に、手を添えている場面に、てこじいの娘に対する思いが全て込められていると思いました。静かな『生』と『死』みたいな作品でした。
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西日を追うようにしてたどり着いた町。母と僕が暮らす古い団地に「てこじい」が現れた。
家族を捨てるようにして出ていったという祖父は、そのまま我が家に居つき、日がな一日すみっこにうずくまっている。
母は冷たくあたるが、僕は祖父の謎めいた過去に魅せられて…
不器用に生きる老人と、その家族の姿を描いた作品。
ずいぶん前に「ポプラの秋」「夏の庭」と読みましたが、それらと同じように
老人と子供という構図。組み合わせの相性は抜群ですが、本作は母の苦悩が描かれている分、胸にずっしりと重苦しいような感覚がありました。
著者プロフィール
湯本香樹実の作品

不可解な「てこじい」が理解できていくにつれ、別れが近くなっていくんですよね。
私は「アカ...
不可解な「てこじい」が理解できていくにつれ、別れが近くなっていくんですよね。
私は「アカガイ」を食べる場面がとても好きです。
そして最後はやっぱり泣けてしまって。
湯本さん、いいですよね。心に沁みてきます。
実は他のレビュアーさんにもお勧めしているところなんですよ・(笑)
初めは てこじい の行動が不可解だったんですけど、そこに至るまでには、 てこじい なりの人生があって、徐...
初めは てこじい の行動が不可解だったんですけど、そこに至るまでには、 てこじい なりの人生があって、徐々に打ち解けていく様子が良かったですね。
そして てこじい との別れ…(ToT)
私も3人がアカガイを食べる場面好きです。
てこじい の不器用さがよく表れていましたね。
湯本さんの描く 死 はほんと切ない。。
他の方にオススメされる気持ち、分かります(*^^*)
コメントをありがとうございました!