空白の叫び 中 (文春文庫 ぬ 1-5)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (471ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167682057

感想・レビュー・書評

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  • 物語が転がった。刑務者の日常は、我々の非日常。分類すれば、それは大きな物語。大きな物語は、行き着く先を間違えると、とたんに陳腐になる。小さな物語ですら、読むものを惹きつけてやまない小説が、大きな物語へと転がれば、それは俄然興味深さを増す。このあと、どこへ着地するのか。大きな物語のまま終焉すれば、それは祭りの後のような虚しさだけが残る。せめて、花火の後の余韻を。来場者によって残されたゴミに、興醒めしたくはない。最終巻、楽しみだ。

  • 感想は下巻に。

  • 3.0

  • 罪を犯してしまった少年達の少年院での過酷な毎日とその後の始まり。

    少年院とはこんな酷い世界なのか。

    これ読んだら怖くて絶対に少年院に入るような罪は犯せないな。

  • 昔読んだ本

  • 2014/1/21長くても一気に読める。★4

  • それぞれの理由で、殺人を犯した三人は少年院で邂逅を果たす。しかし、人殺しのレッテルを貼られた彼らにとって、そこは想像を絶する地獄であった…。苛烈ないじめを受ける久藤は、混乱の中で自らを律し続ける葛城の精神性に強い興味を持つ。やがて、少年院を出て社会復帰を遂げた三人には、さらなる地獄が待ち受けていた。

  • 三人の少年院における生活。想像以上に陰湿だ。殺人はある程度の尊敬される罪で、強姦は最下層とされる。そんな風に犯罪を見なす時点で狂ってる価値観。いじめは教官まで巻き込み、見て見ぬ振りされている。理不尽な暴力はあまりに時代錯誤で戸惑った。フィクションであってほしいが、ある程度は真実なのだろうと暗澹たる気持ちになる。気が狂う奴が普通に出てくるほど、というのが特に。
    少年院を卒業しても付いてくる社会の悪の目から、最も逃れられないのが、中学生も卒業できなかった彼らなのだろう。弱さの自覚がないまま、少年院である程度強くなったと錯覚した彼らの顛末について、痛々しくも、目が離せない。

  • 罪を犯し、少年院に入った3人。
    そこで、3人が出会う。
    ただ、同じような境遇に立っても互いにわかり合えるわけではなかった。
    卒院後も3人は更正の機会を奪われ続ける。
    互いに交流も出来たが、それは破滅への道だったかもしれない。

    2017.8.24

  • とにかく、次へ。

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著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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