空白の叫び〈下〉 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 788
レビュー : 83
  • Amazon.co.jp ・本 (455ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167682064

作品紹介・あらすじ

社会復帰後も失意の中にいた久藤は、友人水嶋の提案で、銀行強盗を計画し、神原と葛城にも協力を依頼する。三人は、神原の提案で少年院時代の知り合いである米山と黒沢にも協力を依頼する。三人の迷える魂の彷徨の果てにあるものとは?ミステリーで社会に一石を投じる著者の真骨頂と言える金字塔的傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 社会復帰後も失意の中にいた久藤は、友人水嶋の提案で、銀行強盗を計画し、神原と葛城にも協力を依頼する。三人は、神原の提案で少年院時代の知り合いである米山と黒沢にも協力を依頼する。三人の迷える魂の彷徨の果てにあるものとは?ミステリーで社会に一石を投じる著者の真骨頂と言える金字塔的傑作。

  • 社会復帰が出来ず、自分達の道を失う。
    そんなときに銀行強盗の計画が持ち上げる。
    しかし、何も変わらない。
    彼らの心の闇は深い。
    読んでいると闇に引き込まれそうになる。

    2017.8.27

  • ミステリーを通して少年法の在り方に一石を投じる作品。今まで、社会に問題提起したいのなら、ミステリーというエンタメ要素を加えたら途端に軽薄な色が濃くなってしまって、問題提起そのものが不謹慎になってしまうと考えていた。しかし、この作品は、ミステリー要素はあるのだが、それは読者を物語の中に誘致し、ページをめくらせ、そして少年法に対する認知と興味、さらに言えば、思い入れを強めるためなのだと感じた。だからこそ、少年法に対する認識も変わるし、社会に投石できる作品。大概は、トリックありきの付け足し問題提起を、さも社会的価値のある作品です!と仰々しく売り出す小説があって、鼻白んでいたが、これは、それらとは完全に一線を画している作品でした。さすが、貫井徳郎。師匠と呼びたい。

    • shugoshugoさん
      ミレニアムも読めばいいよ。
      ミレニアムも読めばいいよ。
      2017/04/10
  • 久藤、葛城、神原の三人が社会に疎まれる中、またも人間としての道を外して行く。この三人を軸とした被害者と加害者の心情、この世に善人なんて居ないのかと思わせるような緻密な人物描写が凄い。

    しかも、物語は単純なものではなく、登場人物の運命が複雑に絡み合い、交錯しながら、真実へと近付く。

    決して、全てが決着したという結末ではないのだが、この計算されたかのような余韻が良い。これだけの長い物語に付き合った読者なら、自身でこの先を想像するのも容易だろう。

  • 人生初の文庫『上・中・下』の挑戦でしたが難なく読むことが出来ました。

    途中若干中だるみしたもののラストにはため息。

    んーなんとも。
    最後悲しいなぁー

  • 長い年月をかけて、書かれた救いのない物語。読み終えてしばしほうけてしまった。次の読書、こんなに楽しめるだろうか?それが14歳少年のリアルなのかもしれないが、女性には、描写がいささか下品が過ぎる部分があるので(特に上巻)☆一つ減点。

  • 本当に悲しい子供たちの話。
    だけど自分を幸せにしてくれるのは結局自分。

  • なるほど。

    というのが感想。
    結局上巻を読んだ後、数時間かけて中・下巻を一気読み。

    最後のおちに関しては、半分予想通り、半分はちょっと意外というか、
    そんなのあり?という感覚。

    犯した罪を自分に照射し、自分を世界で最も忌むべきものと追いつめる2名と、
    どうして自分だけが損をするのか、自分は悪くないとひたすらに自分以外を疎む1名と。
    その違いに作者が、違った結末を用意したということなのだろうか?

    3者3様の結末に見えないのは、誰にも救いは用意されていないからだろうか。

    人の命を罰でさえもあがなえないのだとしたら、
    だったら罰の意味とはなんだ?
    どこかに贖罪がないのであれば、人が人を裁くことそのものが、
    そもそもできていないことにならないだろうか?

    貫井作品に流れる罪と罰の、もうひとつの回答に、
    読者はどんな判断ができるのだろう?

  • 貫井徳郎の作品は、基本的に重いテーマが多いが、その中でも郡を抜いて重い。
    暗澹とする。

    三人の少年が犯行に至る動機と心理が、三者三様に描かれていて、単純に「キレる」だけではない描写はさすがで、納得させられる。

    少年犯罪でよく語られる「心の闇」とは何か、ゲームや漫画、家庭環境などで片付けていいのかを考えさせられる作品。

  • 少年たちのそれぞれの道を示し、これまでの疑問を解決させた完結編。
    やはり「普通の少年」っぽい神原は周りや環境のせいにしながら負へと転がり落ちてしまった。しかしながら葛城や久藤のような「非現実的」とも思える性質に対し、神原の考え方、逃げ方、そして奥底に潜んだ邪気には現実味を帯びた説得力があり、実際の少年犯罪に於ける心理を片鱗を垣間見た気がする。。でも、このような邪気を潜ませたまま社会に出ている現代人も少なくないのではないだろうか…。

    一方、葛城と久藤は自分の犯したコトを直視し、社会の枠から外れた己のあり方を必死に模索してそれぞれの結末を見つけていくのだが、まだまだ彼らの物語は終わっていない。遺族側の心情も理解できるが、この先の彼らを応援してみたいような不思議な感じが残った。

    何れにしろ、少年法に対する問題を加害者視点から見事に書き上げた作品だと思う。すっかり引き込まれた!
    ただ、物語として最後のオチが出生に纏わる秘密と復讐ってのが、一昔前の昼ドラ系みたいでちょっと残念。。。

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著者プロフィール

1968年東京都生まれ。93年『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で日本推理作家協会賞、『後悔と真実の色』で山本周五郎賞を受賞。他書に『天使の屍』『崩れる』『灰色の虹』『新月譚』『微笑む人』『ドミノ倒し』『私に似た人』『我が心の底の光』など多数。

「2018年 『女が死んでいる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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