時の渚 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2004年4月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784167684013

みんなの感想まとめ

運命と血の因縁が絡み合う本格ミステリーが描かれています。探偵・茜沢が末期癌の老人から依頼を受け、失われた息子を探し出す過程で、思わぬ展開が待ち受けています。偶然が重なる中で、物語はフィクションとしての...

感想・レビュー・書評

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  • 探偵の茜沢は末期癌に冒された老人から、昔生き別れになった息子を探し出すよう依頼される。やがて明らかになる「血」の因縁と悲劇

    偶然もここまで来るとかえってフィクションだと割り切れる。

  • 運命の糸が絡まり続ける本格ミステリー。サントリーミステリー大賞は納得。
    大団円後の感動を味わった後に、最後の最後で主人公の運命の糸が、それまでの事件の運命の糸に絡まるという思いもつかない展開(大どんでん返し)で、しかも涙なくしては読めない。やられた!

  • 何年か前にも読んだはずだが、覚えていなくて再挑戦。ところどころ思い出したが、結末は忘れていた。
    GPSでの追跡や92年式のクラウンなど時代設定が古いが、そこに目をつぶれば、親の子を思う気持ちに思わず涙した。良作でしたか。

  • 「笹本稜平」の長篇ミステリ小説『時の渚』を読みました。
    「笹本稜平」の作品は約3年半振り… 久しぶりですね。

    -----story-------------
    第18回(2001年)サントリーミステリー大賞

    探偵の「茜沢」は末期癌に冒された老人から、昔生き別れになった息子を探し出すよう依頼される。
    やがて明らかになる「血」の因縁と悲劇
    -----------------------

    2001年(平成13年)に刊行された著者の2作目… 「笹本稜平」名義でのデビュー作となった作品、、、

    元警視庁捜査一課の刑事で、探偵の「茜沢圭」を主人公にした人情ミステリです。


    元刑事で、今はしがない私立探偵である「茜沢圭」は、末期癌に冒された老人「松浦武三」から、35年前に生き別れになった息子を捜し出すよう依頼される… 当時、極道だった「松浦」はお産で妻を失い、逆上して医者を叩きのめした、、、

    生まれたばかりの赤ん坊を抱えて街を彷徨っていた彼は、要町で居酒屋をやっているという女性と出会う… 子どもが欲しいのに子宝に恵まれない女と、逮捕されたら子どもを預けるあてもない極道、「松浦」は彼女に子どもを託して刑務所に入った。

    出所した「松浦」は、ヤクザの世界から足を洗って事業に成功するが、死を目前にして天涯孤独の身… 無理は承知だが、生き別れになった息子を捜して財産を譲りたいというのだ、、、

    老人が生まれたばかりの息子を預けたという女性の手掛かりは、当時30歳くらいで要町の金龍という居酒屋をやっていたということだけ… 雲を掴むような話だが、「茜沢」は着実に捜査を進め、彼女が「原田幸恵」――「ユキちゃん」と呼ばれていた人物であることを突き止める。

    35年という分厚い時間の壁を通して、「茜沢」は「ユキちゃん」の影を追い続けていく… 少ない情報の中から息子の消息を辿る中で、自分の妻子を奪った轢き逃げ事件との関連を見出し、元上司の「真田警部」や元シャブ中で通信機器のエキスパート「西尾」等の協力を得ながら少しずつ真相に近づいていく……。


    「茜沢」が、私立探偵として依頼された人探しの柱と、殺人事件の犯人が逃走中に妻子を撥ねたという「茜沢」自身の過去の仇討ちという柱… この二つの流れが意外な形で融合し、パズルのピースがピタリとはまったかと思わせておいてから、違うピースが出てきて、またパズルを組みなおす という二重三重のどんでん返しが準備されており、最後まで飽きずに愉しく読めました、、、

    登場人物が魅力的だったし、家族の絆や愛情について描いた秀逸なヒューマンドラマでもあったし、本格ミステリとしても愉しめる… という面白くて、贅沢な一冊でした。

  • 最初30ページくらいでなるほど、こう持ってくのか、というメインあらすじが分かってしまったのが残念。最終的には違う結末だったけれど、取ってつけた肉付きのように感じてしまった。

  • 最後のどんでん返しがおもしろかった。
    子と親の血はつながっていなくとも、時間という壁があろうとも、互いの愛情が何よりのきずなである。

  • 妻子を暴走車に殺された茜沢。感情的になり警視庁を辞め探偵事務所を開いている。事故後3年、人探しの案件が回ってくる。
    依頼者は元暴力団のおじいさん。それを追いかけていくうちに妻子の事故の件に繋がっていく。おじいさんの実の息子は探し出せたが茜沢自身が今度は出産の手違いで殺人犯と産科で取り違えられた子供とわかる。構成も面白い。

  • ガンに侵され余命半年の老人から35年前に生き別れた息子を探し出して欲しいとの以来を受けた、元刑事で現私立探偵のお話。
    地道に活動を続けていくがそこには過去の事件の殺人者、尋ね人等が幾度も交錯し、つかみかけてはまた暗中模索に陥るなどなかなか事の真相にたどりつけません。
    そして解決かと思えばまた新たな真相も発覚します。
    おもしろかった。

  • 初の笹本作品を読了しました。今年になって注目してた作家さんですが、最初に何を読むべきか?迷っていて3冊ほど購入してやっとページを開いたのが本書です。

    ストーリーは…文庫裏表紙より~

    元刑事で、今はしがない私立探偵である茜沢圭は、末期癌に冒された老人から、35年前に生き別れになった息子を探し出すよう依頼される。茜沢は息子の消息を辿る中で、自分の家族を奪った轢き逃げ事件との関連を見出す…

    というカンジ。


    私立探偵が主人公の人探し、しかも35年の歳月は、無情にも手掛かりの欠片すら主人公に与えようとはしない…そんな流れは個人的ツボにはまります。主人公の一人称文体ではないけど、ハードボイルドタッチで、さらに主人公の幸福を奪った轢き逃げ事件も関わってきて、と主人公の動きとともに小さなヒントが積み重なっていって目指す人物像の輪郭が徐々に読者に提示されていく様は、宮部みゆきの傑作「火車」を彷彿させます。ラスト前におけるアクションから結末の悲哀まで一気に読める熱を持っている秀作だと思います。

    ただ期待が大きかったせいかもしれませんが、最後の最後、あそこまでやる必要があったのかな?アレがなくても充分読み通せたし、かえって作り事っぽさが助長されちゃったような気がします。

    笹本氏のプロフィールを改めて見て納得したことがありました、後半のアクションシーン、自分は他の読者よりもより詳しく状況を想像できる読者でありました。その分緊張感も増したと思うし得した気分です。そしてなるほど笹本氏も…ちょっと嬉しくて、次に読むものの期待も大きくなりました。

  • 探偵でもと警官の、刑事を辞めるきっかけになった事件と、人探しを依頼され人を探す件が微妙につながっていく話。
    最後は、家族の話になり思わず泣けてしまった。
    話は小説だなーっと思うぐらいうまい具合に進んでいくがまとまっている為か面白かった。他の本も読んでみたい

  • 最初読み始めて、ここ繋がるんだろうなと思ってたけど、結末は思っていたよりも複雑で面白かった。

    親と子の愛を感じる物語だった。

  • 複雑な人間模様が描かれている。人々が生き生きとして、会いたくなる人が多い。ドキドキ、ハラハラし、読み終えたくなかったです(*^^*)

  • 序盤で、「もう展開が見えちゃったな〜。」なんて、得意気に思っていたのが大間違い。(^_^;) 次々に暴かれる新事実に、ただただ驚くばかり・・・。 ちょっと、いじり過ぎの感じもしたけど、ワクワクしながら楽しく読ませていただきました。(*^_^*)v

  • 親子とは何か。深く考える。

  • 血が繋がっていようがいまいが家族の愛は偉大だってことを考えさせられた

  • 久しぶりの笹本作品。

    ある事件をきっかけに刑事を辞め、私立探偵をしている茜沢は余命いくばくもない老人に35年前に別れた息子を探してほしいと依頼を受ける。
    かつて暴力団員だった老人の妻は出産時に命を落としてしまい、途方に暮れていたところ偶然出会った女性に息子を譲ったという。
    互いに名乗らず別れたため、手掛かりは女性が切り盛りしている飲食店の名前だけ。

    一方、かつての同僚から未解決となっている事件に再び動きが見られたとの連絡を受ける。
    その事件とは茜沢の妻子の命を奪い、茜沢が刑事を辞める理由ともなったもの。老人からの依頼をこなす合間に容疑者となった男の動向調査を手伝うことにする。
    やがて2つの事件が1つにつながるが、そこには悲しく切ない事情と茜沢自身が背負っていた数奇な運命があったー。


    おもしろかったです。
    携帯電話や戸籍に関する登場人物の知識が薄いところに作品の古さを感じますが、それもほとんど気にならないほど物語の構成がすばらしい。

    ただのミステリーではなく、心暖まるシーンもあったりして読みごたえがあり満足でした。

    笹本作品、もっと読んでみたいと思います。

    2018年3冊目。

  • 偶然が重なりすぎ、出来過ぎ、な点はたしかにあるけれど、出てくる人の魅力なのか、心理的描写がうまいのか、単純に物語に入り込めたし、うるうるっときた。

    犯人は一体誰なのか、という結末よりもそこに至るまでの人間模様に引き込まれるような形。

    慕われるような人間はきっとちゃんと理由があって、長い時が経っても周りの人が覚えているもんなんだろうなあ、としみじみ。

    親子とは血だけで語れるのか。

  • あまり面白くなかった。

  • 2019/2/19やっと読み終えた。ややゴチャゴチャ

  • 中盤のネタバレかと思わせてからの更なるどんでん返しは反則技だ。全てを失った男の寂寥感...。ただ、調査の過程で出会う人々との繋がりが、きっと彼を癒し、再生させるのだと思いたい。

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著者プロフィール

1951年、千葉県生まれ。立教大学卒。出版社勤務を経て、2001年『時の渚』で第18回サントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『太平洋の薔薇』で第6回大藪春彦賞を受賞。ミステリーをはじめ警察小説、山岳小説の名手として絶大な人気を誇る。主な著書に『ソロ』『K2 復活のソロ』(祥伝社文庫)他。21年逝去。

「2023年 『希望の峰 マカル―西壁』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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