ギャングスター・レッスン (文春文庫 か 30-4)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167686031

感想・レビュー・書評

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  • 小説ではなく、手引書というか指南書というか。好きな人は好きだと思います。先に何があるかなんて当然わからないので続き読みます。→サウダージへ

  • ヒートアイランドシリーズ第2弾。

    柿沢・桃井の窃盗チームに加わることになったアキ。偽の戸籍を手に入れ、住民票や免許証の取得、アパート契約、中古車のチューニング、ドライブ・テクニック磨き、コロンビアでの射撃訓練など、裏家業向けの準備を着々と進め、いよいよ初仕事。

    残念ながら、本書には特に大きなドラマはなく、アキが窃盗チームに溶け込んでいく姿が丹念に描かれている。

    桃井が中古車のチューニングについてマニアックに語るシーンや、柿沢らがコロンビアで拳銃を物色するシーンに、著者の強いこだわりを感じた。著者は改造車マニア? 武器マニア?

  • 二十歳になったアキは百人を配下にした渋谷のチームを解散後、ヤクザや政治家などの裏金を専門に強奪する犯罪プロフェッショナルの仲間になることを決意する。
    あらゆるクライム・テクニックを修得するために仲間の柿沢と桃井から様々なトレーニングを受けるアキ。
    彼の実戦デビューは成功するのか──。

    「ヒートアイランド」第2弾。
    アキが犯罪のプロになる成長物語、といったお話で、倫理的にはアレですが中々面白かったです。

    裏の顔を作るために戸籍や住所・車を手に入れたり、格闘技や銃の扱いや経済知識を学んだり…。
    物語の前半はタイトル通り、一人前の泥棒になるための修行がつぶさに説明されていきます。
    この通りに習得したらほんとにアンダーグラウンドのプロになれそうな実践的なレッスンで、読み応えがありました。

    最終章はいよいよアキの初仕事、実戦デビューのお話。
    ヤクザの裏金を強奪するためにホテルに忍び込んで電源やセキュリティシステムに細工したり、賭場に乱入したり…。
    用意周到な準備とド派手なアクションシーンで読者を小気味よく惹きつけておきながら、最終的にはまさかのガムテープ探しというアナログなアクシデントにアキたちは右往左往…というのが笑えます。
    この肩すかし感というか、ドラマの緩急の付け加減が絶妙で、読ませる仕掛けが半端ないと思います!

    また、前作は魅力的な女性キャラが出てこなくて残念だったのですが、今回は個性的な女性が複数登場したので満足でした。
    桃井の昔の彼女、コンパニオンの明美、家出中年女性と、どの女性も、迷いながらも最後には自分の人生を覚悟を持って引き受けていく様子が描かれています。
    逆に言えば覚悟を決めた者だけが人生を変えられるのかも…と思いました。
    みんな、男性陣よりもカッコよくて、ゲストキャラだけどまた今後も出てきてほしい!と思うほど印象的でした。

    ヤクザの柏木の番外編も含蓄のある内容で、すごく面白かったです。
    なんか読んだことあるな、と思ったら「人生教習所」の柏木さんなんですねー!!
    というか、この「ギャングスター~」の方が先だったんですね…こっちを先に読めばよかったわ…。

  • 垣根さんは、車だけでなく銃にも詳しいんだな〜。メカ好きにはたまらない。
    ただ、前作に比べ、ややハードボイルド感が薄く感じたのは私だけだろうか。 個人的には、もっとコロンビアの臭いをプンプンさせて欲しかったな〜。(*^_^*)

  • 主人公を裏金強盗グループの仲間に入れるための教育をする二人。シリーズ2作目もこの二人に注目!

  • 前作からの続きながらも、別世界のお話。メインキャラ以外の登場人物もキャラが立ってて、ドキドキしながらも楽しく読めました。アキのこれからの成長も楽しみ。

  • ドジっ子アキちゃんデビュー戦でやらかしていくぅ

  • 一人前になるまでの成長物語。面白い。


  • ヒートアイランド2弾。柿沢に誘われたアキが1年の東南アジア放浪を経て柿沢と桃井のグループに入り強盗のプロとして教育を受けていく話。表の仕事・戸籍と裏の仕事・戸籍をもち、政経含め様々な知識を入れる点などよく考えられておりなかなか面白い。戸籍取り、車のチューンとドラテク、コロンビアでの射撃訓練、ヤクザとの実地訓練。桃井の車チューンの話は「君たちに明日はない」が思い出される。柿沢の完璧さと妥協を許さない感じがすごい。

    勉強する内容は、ヤクザと海外系マフィアのシノギの種類を一通り。裏カジノやノミ屋の運営の仕方、麻薬取引、組織売春、マネロンの知識、鑑識課と捜査一課の捜査ドキュメント。日々の新聞。最低、日経と全国紙のどれか。特に、選挙がらみと、建設、不動産関係。

  • ヒートアイランドの2作目。
    1作目がすごく面白かっただけに、物足りなさが残ってしまった。

    アキはもっと切れ者の印象だったけど、これが渋谷の若造達のトップとプロの違いなんだろうな...
    次作はもっと物語が広く展開していくことを期待。

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著者プロフィール

1966年長崎県生まれ。筑波大学卒業。2000年『午前三時のルースター』でサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『ワイルド・ソウル』で、大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞の史上初となる3冠受賞。その後も05年『君たちに明日はない』で山本周五郎賞、16年『室町無頼』で「本屋が選ぶ時代小説大賞」を受賞。その他の著書に『ヒート アイランド』『ギャングスター・レッスン』『サウダージ』『クレイジーヘヴン』『ゆりかごで眠れ』『真夏の島に咲く花は』『光秀の定理』などがある。

「2020年 『信長の原理 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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