猛スピードで母は (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 1495
レビュー : 229
  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167693015

感想・レビュー・書評

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  • 短編が2本あるが、どちらも子どもの視点で大人の事情が描かれていて、それがわざとらしくなくきわめて巧妙である。文章から女流作家と思いこんでいたら、作者は男性だと知り驚いた。
    彼の小説に出てくる大人は、離婚しているかしそうな人ばかりだという。「サイドカーに犬」は、母が家出中に家に転がり込んできた、父の愛人との共同生活。愛人は豪快だが女性らしく、子どもたちを大切にしてくれる。「猛スピードで母は」は、母子家庭の少年が非常にいじらしい。母は父の役目もしながらたくましく子どもを育てるが、一方で恋愛もしたい一人の女性である。
    淡々としているがひとつまみの切なさが隠し味として盛られていて、なかなかいい小説だと思った。

  • 文体がとても好き。改行時に読点をつけないのは作者のこだわりなのだろうか。

  • 初、長嶋有作品
    すごい人だ

  • 2014 8/29

  • 【本の内容】
    「私、結婚するかもしれないから」「すごいね」。

    小六の慎は結婚をほのめかす母を冷静に見つめ、恋人らしき男とも適度にうまくやっていく。

    現実に立ち向う母を子供の皮膚感覚で描いた芥川賞受賞作と、大胆でかっこいい父の愛人・洋子さんとの共同生活を爽やかに綴った文学界新人賞受賞作「サイドカーに犬」を収録。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    あまり物事にとらわれずにさらりとした生き方をする女性を、これまた物事をそのままに受け取る子供たちが語る飄々とした物語。

    あまり一般的ではないのだけれども、何気ない日常が淡々と紡がれてゆき、ある日その薄い膜のような日常が破ける。

    日常を変えるその破れ目からは月夜のようにやわらかいものが薄くさしてきて、メッセージ性というにはおしつけがましくはなく、テーマというほどはっきりとはしないが、なにかしらセンシティブなものが心の中にのこるのだ。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 『サイドカー』
    洋子さんいいキャラだったな。
    なんだろう、特に話が面白かったとも思わないんだけど良かったな。
    最後父親逮捕とかのくだりもなんかどうでも良かったけどね。
    麦チョコを皿に盛られて喜んで食べるのが犬みたいってのが良かった。


    『猛スピード』
    芥川賞作品って、読みにく印象しかなかったけど、これはとても読みやすかった。
    『サイドカー』の洋子さん同様、母はとてもいいキャラ。
    結局なんかよくわからなかった慎一もイイ。

    一番イイのは、このタイトル!

  • 友達の家で本棚を見ていてタイトルに惹かれて借りてきた。
    収録されている2作品とも、大きな起伏のある物語ではないのにメインとなる2人の女性の立ち姿がすごく魅力的な作品。

  • 「サイドカーに犬」……◯
    「猛スピードで母は」…◎

  • 表題作と「サイドカーに犬」の二作を収録した短編集。
    いずれも、子どもの視点から力強く生きる母親像が描かれている。サイドカーに犬では、父親の不倫相手の女性が、表題作ではシングルマザーが登場し子どもは複雑な立場に置かれているが、めちゃくちゃな暗さはない。
    淡々と静かに物語は進んで、そんなにドラマチックな展開もないけれど、なんだかよくわからない迫力があった。
    最後まで著者は女性と思っていたので、男性と知って少し驚いた。また別の作品を読もうと思う。久しぶりの当たり作家。

  • 数年前タイトルだけ聞き覚えていて気になっていた作品。文章の柔らかさからてっきり女性作家だと思っていたので、作者が男性だと知って驚いた。
    表題作の他に短編「サイドカーに犬」が収録されている。どちらも、小学生の頃の一時期を描いた作品。
    子供の目から見ると「大人」はしっかりしてるように見えるけど、実際はちっともそんなことはないんだよなあ、とこの本を読んで改めて思った。
    なかなか気に入ったので、また同著者の別作品を手に取ってみよう。

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著者プロフィール

長嶋有(ながしま・ゆう)
一九七二年生まれ。二〇〇一年「サイドカーに犬」で文學界新人賞を受賞しデビュー。二〇〇二年「猛スピードで母は」で芥川賞、二〇〇七年『夕子ちゃんの近道』で大江健三郎賞、二〇一六年『三の隣は五号室』で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2019年 『掌篇歳時記 春夏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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