私説・日本合戦譚 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2008年7月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784167697136

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

歴史を新たな視点で捉える本作は、作家としての視点と歴史家としての視点が見事に融合しています。特に、民衆の視点から合戦を描くアプローチは、当時の歴史叙述からすると先進的であり、読者にとって新鮮な体験を提...

感想・レビュー・書評

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  • 作家の目と、歴史家の目が稀有の割合で融合されてるのが、清張の歴史物の特徴だと思う。

    本書でも、それが如何なく発揮されている。
    後の網野史観にも通じる、民衆から見た合戦を意識するところなどは、当時の歴史叙述から見ると、かなり先進的だったのではないだろうか?

    いずれにしても無味乾燥でない歴史を味わうには、清張はお勧め。

  • 茂樹さんリリース。おまけ付き。
    あぜやんゲット。

  • 「松本清張」の合戦を扱った歴史小説9作品を収録した『私説・日本合戦譚』を読みました。

    『西郷札 傑作短編集〔三〕』に続き「松本清張」作品です。

    -----story-------------
    川中島の会戦から関ヶ原の戦い、さらに西南戦争に至る九つの合戦を、著者独自の考察を加えつつ、さまざまな史料を駆使して、歴史の面白さを読者に満喫させる読物。

    熾烈を極めるが、戦争ほど面白い人間ドラマはない。
    運不運のハプニング。
    指揮官の駆引き、決断。
    「菊池寛」の『日本合戦譚』を愛読してやまなかった著者が、満を持して世に問うた、文句抜きに面白い傑作。
    『長篠合戦』、『川中島の戦』、『関ヶ原の戦』など、日本の合戦史から九つを選んで、そのドラマを解明する。
    -----------------------

    連続での「松本清張」作品… しかも、前作に続き歴史小説です。

     ■長篠合戦
     ■姉川の戦
     ■山崎の戦
     ■川中島の戦
     ■厳島の戦
     ■九州征伐
     ■島原の役
     ■関ヶ原の戦
     ■西南戦争
     ■あとがき -菊池・池島「日本合戦譚」其他と「私説・日本合戦譚」との間-
     ■解説 小和田哲男

    『長篠合戦』、『川中島の戦』、『島原の役』、『関ヶ原の戦』、『西南戦争』等々、有名な合戦なので概要は知っていましたが、本書を読んで、お互いの置かれている立場や兵力、心理状態、運/不運等、より詳しく知ることができました、、、

    イチバン興味深く読めたのは『厳島の戦』… 若い頃、勤務していた支店の営業エリアだったので、宮島(厳島)周辺には何度も行っているし、「毛利元就」の地元安芸吉田は私の地元からも近いので、土地勘があるし、登場する武将や指揮官等も馴染みがあり、読みやすかったんですよね。


    そして、本書を読んで、何人かの武将は、大きくイメージが変わってしまいましたね、、、

    特に「毛利元就」は、

    「次々と欲望をふくらましてゆく物欲のかたまりのような老将で、徹底したマキャベリストだった」

    とか、

    「三本の矢の逸話はつくりごとである」

    との説明があり、想像していた人物像とは全然違っていました… まぁ、後世には良いことばかりが伝わるでしょうからねぇ。


    その他にも、

    「もし、光秀が信長を殺さなかったら、秀吉は或は一生織田方の将校くらいで終わったかもしれない」

    「秀吉は小牧長久手合戦までが取柄で、関白になってからは愚物に転落した。
     バカバカしい贅沢のなかに据えられ、追従ばかり聞かされていると、どんな天才でも鈍化しよう。」

    「西郷隆盛には妥協性も、政治性もなかった。
     彼は根っからの武人だった。
     もともと、自意識の過剰である彼はいつかは新政府に自己の武力を示す機会を狙っていたのである。」

    と、「松本清張」の評論は、なかなか手厳しいです… だけど、それだけ良く調べられているせいか説得力があり、読み物としては面白かったです。

  • 選ばれている合戦がちょっと物足りない感じでした。
    できれば、大阪冬の陣、夏の陣とか、古くは壇ノ浦とかそこらへんもあればなぁ。
    日本の主要な合戦の前後を含む事情を史実に沿った物語として、短編にまとめた本です。
    取り上げられている合戦に興味があるものがあれば、読んでみても良いのではないでしょうか。
    原本が古いので、歴史解釈に違和感があるところがあるのは、しょうがないですね。

  • 真田丸を見ながらだったので、関係してくる合戦は興味深く読んだ。とは言え、定説ばかりなので面白味は筆者の言い回しのみ、かな。

  • 読み易い講談調ではあるが、合戦経緯について確実な史料が無い(川中島など)戦いについては、その旨明言したり、有名な挿話でも真偽を注記したりと、史実に出来るだけ迫ろうとする姿勢が貫かれている。かつ、確実な史料を突き合わせながら、合理的思考に基づいて、合戦の当事者の思惑を推測したり、その判断や行動を批評するところは、本書の魅力。かなり昔に書かれたものなのに、俗説に糊塗されていない点に新しさを感じた。

  • 私説としながら、綿密な考証がなされたとても真面目な歴史読本となっている。合戦に至るまでの経緯を概説し、その上で合戦の模様を詳述するという構成で、主眼はあくまで合戦の実際を再現すること。各陣の動きを地図上に表記するとともに、実況中継よろしく再現されている。そうしておいて、例えば『川中島の戦』では、史上有名な謙信と信玄の直接対決などを描いては、「史実的にはまことに疑わしく、ここに書いた戦況も、一種の講談と思っていただきたい」と、読者を煙に巻く。史料がいわゆる俗書しかなく、自信が持てないことを率直に表明し、見てきたような嘘はつかないという姿勢に好感が持てる。
    自分としては、日本史の復習をする感じで読み進めたのだけれど、著者は随所に現代との類推を述べるので、それが面白い。自衛隊の制服組と背広組みに例えたり、サラリーマン社会の日和見的な行動パターンを揶揄したり、政治家の無責任ぶりは昔も今も変わらないと指摘したりする。歴史好きであればあるほど、この作品の目次を見て、「いまさら読まなくても」と思うかも知れないが、そこは松本清張の著作であり、一読の価値はあったように思う。

  • 何気なく入った古本屋で買った本だが、たいへんおもしろかった。
    松本清張の筆力を改めて思い知らされた。

    特におもしろかったのは、「九州征伐」だ。
    日向の国、高城の宮部継潤の活躍などは知らなかった。

    この本の中で紹介されていた、菊池寛「日本合戦譚」や、松本清張の「西郷札」などを読んでみたいと思う。

  • ・11/10 読了.メジャーな合戦は楽しかったけど、マイナーなものは聞いても背景や土地柄が分からないのでいまいちだ.実際にその土地に行ってみないと、やっぱだめだな.

  • 「九州征伐」と「関ヶ原の戦い」だけ読みました

  • 小説はほとんど読まないので松本清張の作品はこれが初めてでした。
    この本から清張に入る人も中々珍しいんだろうなぁ。
    文章はちょっと主観入りすぎてる感が無くも無いですがかなり詳細に書かれてるし、一つ一つの戦争に焦点を絞って書くスタイルは結構面白いと思います。

  • 古本で購入したので表紙は違うけどこれで。

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著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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