火の路 下 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2009年7月10日発売)
3.43
  • (6)
  • (13)
  • (16)
  • (2)
  • (3)
本棚登録 : 174
感想 : 15
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (512ページ) / ISBN・EAN: 9784167697198

みんなの感想まとめ

歴史と学問が交錯する物語が展開される本作は、奈良時代のゾロアスター教をテーマにした小説で、著者の深い知識と研究が光ります。主人公が日本古代史の研究を進める中で、イランのゾロアスター教に触れ、考古学的な...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 先日、「飛鳥・藤原の宮都」が世界文化遺産に登録されたとのニュースがあった。今から20年ほど前に奈良で仕事をしていたこともあり、俄然奈良に望郷の念みたいなものを感じた。そんなことがきっかけで所謂積読状態にあった本書を読みはじめた。1973年の朝日新聞の新聞小説。今から50年以上も前に書かれた小説だ。
    タイトルの「火」はゾロアスター教(拝火教)のことで、気鋭の研究者が奈良時代にゾロアスター教が伝わったとの学説を投げかける論文が主題。
    時代を経ても内容の面白さは言うまでもないが、著者の古代日本、中国、インド、イランの歴史に関する圧倒的な造詣に脱帽する。凄まじい勉強をして本書を世に送り出したのだと思う。
    ゾロアスター教のルーツば紀元前7世紀ごろのペルシア。
    つまりイランだ。著者もこの土地を訪れ、そのとき目にしたもの、感じたことを本書に美しく描写している。歴史的な遺跡も数多くある。遺跡のあった当時のペルシアは日本よりはるかに進んだ先進国。今、その国が戦火にあることが残念でならない。
    好き勝手なことを書いていて、殆ど本書の感想になっていませんね。

  • 2009年、生誕100年を記念して文春文庫から“長篇ミステリー傑作選”として刊行されたもの。一緒に購入したのは『十万分の一の偶然』であった。飛鳥時代の日本にゾロアスター教が伝来していたのではないか、という魅力的な古代史仮説が作中に論文の形で提示される一方、そこは松本清張で、骨董品の贋造や学閥主義の弊害といった、どす黒~い人間模様も描かれている。で、ゾ教伝来仮説の信憑性は、実際どうなのだろう?

  • 斉明女帝の時代、飛鳥にはゾロアスター教が入っていて大きな影響を与えていた…として、明日香にある石造物について今のイラン地域との関係などを論じた松本さんの自説を小説の形で発表したもの。

    小説の形を取ってはいるけれど、そういった論文的な部分がかなり多いので、この分野に興味がない人、中東史や宗教史にある程度詳しくない人は厳しいかも。

    いずれにしても何度も明日香に行っている身としては、行って見たい場所、またじっくりと見て回りたい場所やモノが増えてしまったお話でした。

    兵庫県にあるという生石神社の石宝殿にも行きたいな。
    本を読むということは、そこから先へ進みたいという気持ちを植え付けてくれるので、心が停滞しなくて良いなぁ!

  • 面白かったです❗あっ、上巻も勿論読みました。「火の回路」と、いう、題名の新聞連載の時に読んだんですが、論文の所は難しかったです。また、読んでみて、奈良に行きたくなりました。

  • 難しいけれど、今年見て廻ったばかりなので勉強になった

  • 清張の数ある作品の中でも異質なものに上られる一作であろう。兎に角、読むのに時間がかかる。清張は、のちに回想記のなかで「この小説の主人公は論文である。」と記しているとのことだが、論文とまでは云えないであろう。大学の学閥・師弟関係のイビツさ、古美術商や骨董商の影の部分なども作品のテーマに据えられている。
    とはいえ、肝心のストーリーの方は、手薄になっている感が否めない。

  • 下巻でも専門的なところは斜め読み。汗。

    ただ、主人公の女性がイランを訪れる描写は、自分も行った気になっていました。

  • 読み終わるのにかなり長い時間が必要でした。
    学術的な箇所は最後の方になると飛ばして読んでいました。
    久々に苦戦した作品。

  • イランでゾロアスター教の遺跡を踏査した通子は、帰国後、飛鳥文化とペルシア文明の関連を考察した論文を発表する。斬新な仮説への反響とは?的確な批評を寄せつつ消息を絶った海津の行方と運命は?骨董品取引の裏側や学界の学閥主義など人間の業の深さや心の闇をも鋭く描いた清張古代史ミステリーの代表作。

  • いまの問題意識は、四川の三星堆を見てから、
    何か中国の文明の不思議さを感じている。
    雲南そして四川 長江の青銅器文明を
    もう一度見直してみる必要があると思った。
    飛鳥文化は、まだ沢山の謎が残されている。

    「謎の石造遺物」を考察する中で、いったい何のために作ったのか
    明日香村岡字酒船の酒船石、亀石
    明日香村下平田の吉備姫王墓前にある猿石
    橘寺境内にある2面石
    橿原市南妙法寺町石船町の益田岩舟
    高取城趾 猿石、 
    道祖神、須弥山石
      
    ○これらの石造物は古事記・日本書紀などの古典に記事がない。
    ○制作年代は、7世紀中葉
    ○凝灰岩ではなく、花崗岩で作られている。
    ○未完成で、稚拙である。
    ○制作目的や用途がはっきりしていない。

    斉明天皇 異宗教

    それが、ゾロアスター教ではないかと
    発展していき、イランへ飛ぶ。
    宇宙における2個の対立する本体 光明と暗黒
    善神 アフラマツダ 
    「不死の聖者」「善神」「最善の正義」
    「望ましき王国」
    「信仰心」「完全」「不死」

    中央アジア イラン・アーリア人
    青銅器の道
    彩陶の道

    胡のつくもの イラン原産
    胡桃、胡瓜、胡麻、葫(ニンニク)、
    胡豆(ソラマメ)、胡葱(アサツキ)
    胡蝶

    後漢の霊帝 胡服、胡帳、胡座(アグラ)、胡飯、胡笛、胡舞

  • 上巻同様 古代遺跡の専門知識が多く、読みにくい反面、松本清張の調査能力、仮説能力には感嘆する。

全11件中 1 - 11件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

松本清張の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×