バカラ (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 99
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (625ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167701017

感想・レビュー・書評

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  • 最近のmy favoriteな作家である服部さんの本。
    これが4冊目になります。

    今回はバカラ賭博にハマる雑誌記者の主人公が、
    泥沼の世界に沈みながらも、スクープをスッパ抜くお話。
    バカラの話だけでなく、
    カジノ構想や政治の裏金までもが複雑に絡み合い、
    とてもスリリングな設定になっています。

    相変わらず、前半部分の説明理解には我慢が必要ですが、
    中盤からは少しずつ話が繋がり出し、どんどんのめり込んでいけます。

    服部さんの本は、中身をあまり確認する必要もなく、
    作者名だけで安心して本を買える数少ない作者の一人です。
    他にも何冊かキープしているので、
    近いうちに読んでまたレビューします。

  • 違法なバカラ賭博で多額の借金に喘ぐ週刊誌記者・志貴大希。自己破産寸前のところで探り当てたのは、カジノ合法化を巡る巨大な陰謀。大スクープをものにできるか、借金で破綻するかー志貴の運命は嵐の中の小船のように翻弄されてゆく。

  •  600ページというボリュームのわりには薄味である。全体的に著しく緊張感に欠けるのがその理由である。アンダーグランドのテーマを取り上げているのに主人公、またその周辺の人物がノンビリしていて、現実に起こっている内容と乖離がある様に感じる。

  • 何かぼんやりしていたことが、少しわかった。
    「カジノ」というものの概要がつかめた。

    カジノ構想は、あまり冗談ではない話であることを理解した。
    競馬・・・農水省
    モーターボート、競輪・・・運輸省
    宝くじ・・・大蔵省
    サッカーくじ・・・文部省
    パチンコ・・・公安委員会;警察
    さて、カジノは・・特例法

    服部真澄の問題意識は、すぐれたものがある。
    そこの中に登場する人物が、
    一体何をしようとしているのかが、
    ある意味では、人間的でもある。

    お金をめぐって、人はいつも悩む。
    足りなければ、苦しみもだえる。
    借金をする。
    自分の入りが少なければ、その範囲内でおこなわないといけない。
    そういう場合に、自分はどう考えるのか?
    実にお金がさまざまな要因でいる。
    そのときに自分は、誰に何を頼むのか?

    日継育;
    お金をもっている。お金でできることの限界を理解する。
    時代のなかにおいて、つねに異端的存在としている。
    「突然変異」的人間として描かれる。

    企業としての組み合わせ。そして、戦略的思考力。

    志貴大希(しきひろき)は、記者。
    明野えみるは、ライター。

    記者のもつ社会性。階層性。書きたいことも、かけない。
    雑誌社に影響力のある存在のダーティーな部分を書くことができない。

    アングラ・カジノに出入りするが故に、
    アングラカジノの尻尾をつかむ。
    大使館のなかで、アングラカジノがひらかれる。
    この設定はよく考えてある。
    「治外法権」での犯罪的行為。

    結局は、何故パチンコが問題がないのか?
    景品で変えることができるからだ・・

    「明野えみる」という存在は、ちょっとおもしろい。
    結構、すばしっこいんだね。機転がきちんときく。

    志貴の借金で苦しむ姿が、おもしろい。
    奥さんが、志貴の愛を確かめようとするために、
    詐欺事件を自演するのも
    いかにも、時代的ですね。
    ふたりにとって、愛し合うという行為は、
    どういうことなのか?

  • P625

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4167701014
    ── 服部 真澄《バカラ 20050610 文春文庫》
     
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/20111127
     バカラ ~ ロンダリングの実行者たち ~
     

  • バカラ賭博をめぐるストーリー。

    公共の賭け事がどの省庁の管轄になっているか、そしてそれがどれほどの財源となっているか 等知らないことだらけでした。

    石◯都知事は東京にカジノを誘致したいみたいだけど、沖縄のほうが確率は高いそう。理由は本書でどうぞ(^-^)

    未曾有の災害に対する財源のひとつとして、カジノをとうとう設置するのも一案だと思うけれど、これも不謹慎となってしまうんでしょうか。。

    利権問題うんぬんでなく、活用できたらいいのに。。これは綺麗事なのかな


    Apr,2011

  • 違法なバカラ賭博で借金に喘ぐ週刊誌の記者 志貴。そこに日本でのカジノ合法化を巡る巨大な陰謀のスクープが・・・ 大金が動くカジノでの利益は何処に収まるのか。世界を巻き込んでの情報合戦が手に汗握る作品です。服部センセのお得意!ダイナミックな長編小説。ボリュームたっぷりですがグイグイ読ませます。登場する人物も一癖も二癖もあり NHKのドラマを見ているようですよ(笑)

  • 面白かったといえば面白かった。でも要らない部分もあったなー。細かすぎる説明は読み飛ばしたくなる。それが残念

  • 〜2006

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著者プロフィール

1961年東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒。95年に刊行したデビュー作『龍の契り』が大きな話題となる。’97年『鷲の驕り』で吉川英治文学新人賞を受賞。以後、豊富な取材と情報量を活かしたスケールの大きな作品を発表し続けている。他の著書に『KATANA』『ポジ・スパイラル』『エクサバイト』「清談 佛々堂先生」シリーズ、『天の方舟』『深海のアトム』『夢窓』などがある。

「2020年 『令和版 全訳小説 伊勢物語 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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