凶器の貴公子 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2005年8月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (576ページ) / ISBN・EAN: 9784167705084

みんなの感想まとめ

強く成長する女性の物語が描かれており、彼女はパートナーの死の真相を追いながら、自らの人生をしっかりとコントロールし、独立や尊厳を手に入れる姿が印象的です。読者は、彼女の成長を通じて、他者からの影響を受...

感想・レビュー・書評

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  • ボストン・テランの3作目を再読した。
    「自分の未来の場所を自分で明確にできるほど強くなりたい。」と願う女性が、パートナーの死の真相を追いながら、同時に自らの人生のコントロールを他人に譲り渡すことなく独立や尊厳を手に入れるため、強く「成長」していく話。そんな風に読んだ。あらすじとは少し違うけれど、この女性が独立し尊厳を保ち強く「成長」していく物語というのは、ボストン・テランが『神は銃弾』でも『死者を侮るなかれ』でも、メインのテーマ、ストーリーではないにしても、常に物語ってきたことだ。そしてその物語には彼女たちが目標に(反面教師的でも)手本にする女性が登場する。『死者を侮るなかれ』から引いてくれば、これらは「ひとりはもうすでにクウィーンで、ひとりはもうすぐクウィーンになる。それだけ長く生きられれば。」という物語でもあるのだ。そしてその彼女たちの物語は『音もなく少女は』で完璧に近い美しい形で完成し、ボストン・テランの初期も完結するのだった。などと考えるとしっくりくる、とわたしは思っているのだけれど。

    『音もなく少女は』では、あの比喩を多用し過剰に詩的な文体も一旦の頂点を迎える。ひとつの言葉から結論迄の間にギリギリまで比喩を挟む、あるいは、情景に様々な見立てのベールをかけることでイメージを浮き上がらせる。そこにあるのは小説としては異端のグルーヴとフローで、それは文章で表現される詩よりも、むしろラップ・ミュージックのリリックに近い。というのは、あるラッパーのEPが『音もなく少女は』のサウンドトラックとして制作が始められた、という事実でも証明されているのではないか。多分されている。

    などということを無人の公園のベンチに腰掛けながら、文庫本を手に考えていた。満足のため息をついて、少しニヤついて曇り空を見上げたときのわたしは、多分なかなかに怪しかった。早くもう少し暖かくならないですかね。

  • ボストン・テランの3作目で、これで邦訳された著書はすべて読んだことになる。なるのだが……。うーん、遡って読めば読むほどつまらなくなっていくのはなぜだ?
    本書は前2作までの暴力や過激な描写は影を潜め淡々と進む。だからといってストーリーまで淡々としなくてもいいんじゃない? 本文550ページも使って語られたのが結局なんだったのか、よくわからなかった。登場人物もやたら多い割には薄っぺらで、誰も印象に残らない。
    毎年のように新刊を上梓しているようだが、もう日本語で読むことはできないのかもしれない。

  • キャラクターの言い回しがかったるい上に魅力もなくて読み進めるのが苦痛だった。
    肝心の謎が途中で明らかになってしまい、更なるどんでん返しがあるのかと思って頑張って読み進めたけどそのまま終わってしまった。

  •  ボストン・テランの3作目
     ある青年が死に、その青年から角膜を移植された男が、青年の死の真相を探る。
     
     すごーーーーーくよかった。
     読み終わってしばらくぼーーっとしてしまった。いやあ、こういうのって久しぶり。
     登場人物が多いのと、その全ての主観が描かれるし、外国人の名前って覚えにくいし(ある人には姓で呼ばれ、ある人には名で呼ばれたりすると、さらに混乱ww)テラン調といえる長文詩の文体は先になかなか進んでくれないし、なんだかんだと読みにくいんだが、硬い食べ物が美味しいみたいに、美味しいテランなのであった。
     キャラの造詣が深いね。
     エシーが非常によかったです。うん、テランの描くヒロインは、なにもかもひっくるめて抱え込んでいく強さと美しさを持っている。
     ホント、すごいよかった。
     今年の「このミス」はこれで決まりだ!ww

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著者プロフィール

ニューヨークのサウス・ブロンクス生れ。1999年、『神は銃弾』でデビュー。CWA賞最優秀新人賞を受賞し、本邦でも「このミステリーがすごい!」2002年版海外編で1位に輝く。以降、『死者を侮るなかれ』『凶器の貴公子』『音もなく少女は』などを発表。

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