プラナリア (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167708016

感想・レビュー・書評

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  • 現代の“無職”をめぐる心模様を描いて共感を呼んだベストセラー短編集。直木賞受賞作品。

  • んー。あまり読んでよかったとはならなかった。主人公がたいてい女性だからか?ただ単に合わなかっただけか?機会があれば違う作品も読んで確かめてみたい。最後の「あいあるあした」は少し面白かった。

  • 無職的にダメージ

  • ...。

  • 山本文緒さんの文章は雑誌などでちょこちょこ読んだことがありますが、本としてちゃんと手にしたのは初めて。
    第124回直木賞を受賞した作品で以前から読んでみたいと思っていた本。
    が・・・
    残念ながら私の好みではなかった・・・。

  • 再読、直木賞受賞作
    5つの作品集

  • ブクログのレビューに初めてで性別を明記してくれと思った本。囚われ人のジレンマが一番胸糞悪かった。

  • 直木賞受賞作。
    基本的には働いていない女性の話。軽く読めるけど、読み終わりの読了感は弱い。

  • タイトル、装丁からどこか幻想的な作品
    だとずっと思い込んでいた。
    何度も何度も買おうとして手にとったが、
    なぜか買わなかった。
    多分最初に手に取ったのは大学の頃だったと思う。

    買いたいときに買う。
    いいな、と思ったときには買う。
    働きだしてからは、本に対してそうやって
    「運命」を大事にしてきた。
    今読むべきだから手にとったんだ。
    今日買わなかったらこの本のことは二度と思い出さないかもしれない。
    機会を、縁を逃すことなく買おう
    そうやって決めてからも
    この『プラナリア』だけはレジに持っていけなかった。

    なんだかタモリさんが出てきて
    BGMにストーリーテラーでも流れてきそうだ。

    けど私とこの本に
    そんな奇妙な物語はなく、
    読み終えて、
    「今」
    だったんだな、とストンと落ちた。
    何度も手にしたあの時々の私が読んでも
    「面白くない」
    なんて幼稚な感想を残して終わっていただろう。

    少なくとも今の私には
    ちょっとした衝撃を残した。

    それはあまりにストレートだった。
    切っても生えてこない。
    切っても切っても生えてくる。
    その二つをモチーフに
    話が象られる。
    あまりに唐突
    それでいて自然。

    内容こそ好みではないけれど
    忘れることのない作品の一つ。

  • 短編集。様々な女性の生き方、勉強になりました。後味もとても良くおもしろかったです。

  • プラナリアについて。
    「乳がん」がアイデンティティなんだという主人公。
    健康な人にはなかなか分からないかもしれないが、
    病というものは想像以上に自身を浸食する。
    四六時中一緒にいるのだから、無理もない。
    障害者が、障害は個性だというのと似てる。
    忘れろと言われても、露悪趣味だと嫌な顔をされても、
    話したい気持ちは止まらない。
    だってそれは、人生だから。病を内包した、わたしの人生だから。
    だからみんな、穴のようになってくれればいいと思う時がある。
    同情しなくて良いから、ただ穴のように受け止めてくれ。

    プラナリアになりたいという願いより、病はアイデンティティ
    という主人公の主張の方が印象的だった。

  • まとまりのある短編集。それぞれの女性のケースを提示して見せてくれるんですが、いい感じに重い。このどんより加減が何ともいえない。それだけに最後のお話が引き立ちます。直木賞だけあり、他のこの方の本より設定が一般向きな気がします。そしてどちらかといえば女性向け。

  • 少しひねくれた、ネガティブな女性が主人公の5編からなる短編集。概ね曖昧な感じで終わるので消化不良気味。

  • さすが!直木賞、面白いです。

  • 今更ながらプラナリア読んでみた。
    短編集。
    それぞれ色んなことにつまずいてもやもやしている女性たちの話。
    同性である自分は感情描写にも一定の理解を示しながら読み進めたが
    男受け悪そうだなと、思ったり。
    女はめんどくさいんですよ。

  • 人の、特に女性の弱い部分やずるい部分、黒い部分、美しくない感情を描く秀逸さが角田光代さんみたいだなあと。

  • 抜け出せないループを感じる。

  • 130308*読了
    なんだか陰気。
    世相を描写している、その点ではとてもうまいと思う。

  • ネイキッドを読んだら涙がとまらなくなった。わああ…
    心を先に社会から落ちてしまった「弱い」おんなたち。居場所を保持するちからをうしなったおんなたち。
    社会は弱者にとって強すぎるものだけれど、落っこちてしまった彼女らにはなおさら遠く、だから崖のうえの泉から目をそらし、自分の周りの砂漠からも目をそらし、プライドをかき集めて目を閉じてみる。

    よみかえして、心の病は、病の名前で語らずとも、こんなふうに書けるのだ、と思った。
    プラナリア、は、ディテールまで鮮明にうかぶため本当に哀れでこころいたんだ…。山本文緒がこれを短編にしてくれてよかった。長編で読んだらしばらくダメージに立ち上がれない。

  • 直木賞受賞の短編集。無職の複雑な心模様。ちょっと重い。

  • 毒をもって私の中の毒を制してくれた気がした。どうしようもない登場人物ばかりだよって教わってから読んだからか?意外にも後味が良い。

  • プラナリアという不思議なタイトルにつられて手に取りました。

    全体的にダウナーというか、ダルな感じの話が多かったです。
    どれも楽しいというよりも、どちらかといえば人生の小さな交差点に差し掛かる一歩手前、みたいな話が多いです。
    そのため、主人公も根本的にひねくれた考えの人が多く、皆どこか孤独さを感じさせます。
    ある人はその孤独をなんとなくやり過ごそうと、不満があるのにも関わらず我慢したり、ある人は事なかれ主義を貫こうする省エネ主義のくせして、一方で自由奔放な行動に出たり。

    エネルギーがなんとなくくすぶっているような印象を受けます。

    描かれる悩みは基本的に深まった男女関係に関することで、気怠さにまかせてなんとなく男に身を預けてしまう主人公をみてると、せせらぎに流されていく落葉のような切なさがあります。

    話の終わりは明確にスッキリしないものが多いので、わかりやすい愉しみや事件をもとめていて、白黒はっきりつけてほしいタイプの読者にはウケが悪いかもしれません。

    中でも「囚人のジレンマ」は、結婚前の男女のすれ違い(情熱でやっていけると信じる男とリアリストな女)をゲーム理論にうまくなぞらえて描いてあっておもしろかったです。

    主人公達のもっているくすんだ雰囲気が独特で、読んでいて落ち着く作品でした。

  • 囚人のジレンマ

  • このどうしようもなさが今の私には心地よすぎた。

    読みたい本が分からなくて「あれでもないこれでもない」と
    図書館で探していた時手に取ったプラナリア。
    裏の「何もかも面倒くさく恋人の神経を逆撫でし、親に八つ当たりをし、
    バイトを無断欠勤する自分に疲れ果てるが、出口は見えない。」という
    文を読んで、これ読みたいって思った。

    短編だと知らずに読んだので
    プラナリアを読み終わった時は拍子抜けしてしまいました。
    これから立ち直っていい子になっていくんだろうなぁと思ったら
    ダメダメのまま終わって、でもそれがいいね。

    どこかではないここ、も良かったなぁ。

    終の住処のような直木賞っぽさと
    ハゴロモみたいなゆるやかさが伝わってくる短編集でした。

  • 『プラナリア』
    25歳の若さで乳がんになり、乳房切除し、それを理由に自堕落に生きる主人公の話。
    襲いかかった不幸の大きさが無気力に生きる免罪符にはならないのよと、一時期流行した悲劇を皮肉ったような印象。
    でもそれだけかも。。
    直木賞?うーん。


    『ネイキッド』
    離婚し、職も失い、無為に手芸に励んだり漫画喫茶に入り浸ったりする主人公。
    『プラナリア』とは別のベクトルで同情される状況に置かれている。
    人の同情っていつまでも続かないし、悲劇が終わったら走り始めなきゃいけないという人間の悲しさを感じた。
    ハリハリした空気が漂いつつ、最後は『プラナリア』より響くものがあった。


    『どこかではないここ』
    リストラ同然に子会社に出された夫、大学生の息子と、外泊を重ねる娘を持つ主婦。
    家計の足しに始めた量販店での深夜アルバイトで出会った人々との交流と家庭のきしみ、二軸で進む。
    主人公、頑張ってるよなあ、とひしひしと感じたけれど、娘の気持ちもちょっとわかる、複雑な気持ちになる物語。
    彼女はここからどこへ行こうとするのだろう。


    『囚われ人のジレンマ』
    大学院生の恋人にプロポーズされた主人公がもやもやする話。
    まだ学生で収入のない男と結婚すること、父娘関係など、タイトル通り心理学ネタと絡めて、うまくまとめているなと思ったものの、短編の割にちょっといろんな要素を詰め込みすぎている感じがしてしまった。
    ただ、主人公の気持ちはなんだかわかる。


    『あいあるあした』
    都心から外れた駅の近くで居酒屋を営む男と、手相占いが得意な女の人間ドラマ。
    恋愛物語の要素もあるけれど、恋愛ものと捉えると少々チープ。
    起承転結がいちばんわかりやすいものの、少しドラマすぎるかも。
    なんだか最後に異質な印象だった。

    一番共感できるのは『囚われ人のジレンマ』かな。
    ただオチが消化不良。
    もっと彼を掘り下げて欲しかった。

  • 山本文緒の直木賞受賞作。

    自覚してる黒い部分ならまだいいのだけど。
    他人がくれた好意にイラっとさせられるとことか、気の利く優しい男性なのに欠点に目を向けてしまうとことか。
    同じ挙動なのに、自分が気に入ってる人なら許せて、嫌いな人のだと嫌悪感を抱く、それを上から目線で判定してるとか。
    無意識に抱いてる自分の美しくない感情を白日の下にさらされる、手放しで楽しめない小説です。

    2つ目ネイキッドのチビケンが好き。
    仕事できても生活力が高いわけじゃないし、できない人でも人としての評価が低いわけじゃないのです。

  • いつも人の弱い部分を書くのが上手だなと思う。が、今回の人たちは、弱すぎる。

  • なんか引っ掻き回される。
    「しあわせ」ってなんだろう。

  • ぜんぜん綺麗じゃなくてそれがよかった。

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著者プロフィール

1987年に『プレミアム・プールの日々』で少女小説家としてデビュー。1992年「パイナップルの彼方」を皮切りに一般の小説へと方向性をシフト。1999年『恋愛中毒』で第20回吉川英治文学新人賞受賞。2001年『プラナリア』で第24回直木賞を受賞。

「2023年 『私たちの金曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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