プラナリア (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 3631
レビュー : 470
  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167708016

感想・レビュー・書評

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  • タイトルだけはずっと気になっていた作品。

    短編が5作、入っていたのですが、どれもあんまり幸せではないというか、
    破壊を予感させるラストが多いことが予想外でした。

    友人でも、恋人でも、家族でも。会話などを通じて、人と関わっていくことの
    むずかしさを感じました。主人公たちが「繊細」揃いだから、なのか。
    そんな繊細さに共感を覚えることもあり、繊細すぎるなと思ったり。
    この感覚がそれぞれ違うから、ぶつかって、時に離れていくのでしょう。

    ただ、人間ですから。プラナリアではないですからね、
    そうやってぶった切った部分が、そのまま勝手に再生することはありません。
    プラナリアよろしくばっと現状を破壊する姿に、爽快感を覚える
    方が多いのかもな、と思いました。

  • 短編集。一話を読んだときは、女性目線の話だけかな、ちょっと薄っぺらいなと思った。最後の五話めは男性、父親の一人称の物語。がっかりしないですんで、ホッとした。題名もあいあるあした」と、微笑ましい。終盤、父としての主人公の色が前に出過ぎか。ただ、そこでホッとしたのも確か。

  • 「プラナリア」「ネイキッド」「どこかではないここ」「囚われ人のジレンマ」「あいあるあした」5つの短編集。

    どの主人公もどこか不器用で無骨な印象。自分の境遇に本当は不満や焦りを感じているけど、現実から目をそむけて諦めを装うことで自分を保っているような…。

    人生自分の思い通りにはいかないことの方が多いから、共感できる部分もある。励まされたいときではなく、不器用な彼女たちを見て、そっと自分自身を見つめなおしたいときに読むといいかも。

  • 前向きになりたい、もっと頑張りたいと思うけどやっぱり後ろ向き。
    強い人に劣等感を持つ。
    励ましを憎む。
    人間らしい弱さがいっぱい詰まった短編です。

  • 読後はすっきり、という感じではないけれど、自分の中の毒がちょっと抜けたきがする

  • 初めて読む作家さん。
    『微妙』な感情を言葉にするのが上手な人だなぁー。
    何とも憎らしい女性たちが出てきます。
    好みが分かれそうな本だけど、私はアリだな!

    どちらかと言うと私は白黒ハッキリさせないと気が済まないタイプなので
    この本に出てくる女性たちの心理はイマイチ掴めませんが
    『微妙さ』もあっても良いのかも。
    そんな事をボンヤリ思いました。

  • 女性には、幸せな家庭か、やり甲斐あるそれなりに成功した仕事、そのどちらが持たなければ、精神崩壊になりがちだ

  • 乳房という女性のシンボルを失うというのは想像を絶するほど辛いことなのに。自分が辛いのに、周りはそれを許してくれないってよくあること。「いつまでも甘えてちゃいけない」って、かわいそうな自分でいさせてくれない。
    最後のシーンに出てきたワンピースを着てる女の子はまさに主人公が失った「女性という性」のシンボルなのでは。

    この本がきっかけで、山本文緒さんにはまりました。特にプラナリアは女性作家だからこそ書けるもの。

  • 「あいあるあした」以外は、どれもどんよりしていて読後すっきりしない話が多かった。
    それが嫌いな訳ではないけれど、もやもやするというか…。
    「ネイキッド」と「あいあるあした」が好き。
    「あいあるあした」は山本さんには珍しい、男性が主人公で新鮮でした。

  • 第124回直木賞受賞作。「恋愛中毒」が面白かったので、同作者の本をもう少し読んでみようと手にとった次第。結果は大当たりだった。全5編からなる短編集でそのうち4編が女性を主人公にした作品。以下に詳しい感想があります。http://takeshi3017.chu.jp/file5/naiyou19902.html

  • 痛…、が正直な感想。身に覚えがあるだけに。

  • 5つの短編集。ひとつひとつの話はバラバラでまとまりはないが、それぞれひきこまれる。

  • 「働く」ことをテーマにした小説。
    現実味があり、かなりイメージしやすい内容でした。

  • するっと読めた。読むタイミングを間違えたら、きっとこんなに素直に読めなかったかもしれない。そのくらい、リアルさのある一冊だった。彼女たちの続きが知りたい、と思う腹八分目なものばかりだった。
    つかれたときに、まよったときに、もう一度読み返したい。
    2013.09.07

  • 短編集、賞とって有名になったやつ。うーん……
    最後の最後の話が微妙。

    別に劇的な展開もなく、感動もしないしはらはらもしない、感情が動かない、でも読みものとしておもしろい話もある。不思議な作家さん。
    感情が動く作品を読むのは疲れるから、

  • これは生きることの正当化の日記のようなものだと思う。
    ここに書かれていることは人間心理の深淵なんかではなくて、積極的に生きることからも、積極的に死ぬことからも逃れるための、ただの言い訳としか読むことができなかった。
    自分の周りには、この主人公と同じような悩みを持ちながら、それを乗り越えて強く立ち上がり積極的に生きている人がいるし、悩むなら悩むなりにふっ切ってしまって、「引きこもる」という方法をとることによって生きていこうと強がってる人たちも知っている。なのでこの物語のキャラクターから、特別な魅力はほとんど感じられなかった。
    はっきり言ってここで問われている問題は至極具体的で単純なものじゃないか。それは主人公の理想が高すぎたり、どこかで権威主義的だったりすることから、考えが堂々巡りになってるだけのように感じる。
    主人公は、なんだかんだ言い訳していても、結局働かずに生きてる、というか生活費を誰かに負担してもらって生かしてもらっているわけだし、そのことに反省をせずにただ正当化をしているだけじゃないか。この作品の設定程度のことならば、仕事の問題に関しては十分に自己責任の範囲内で解決できる問題だと思うし、他人の金で生きてるくせに、そのことは思慮に入れずにのうのうと生きていられる精神が理解できない。さらにその悩みに対して、積極的に解決していこうという姿も印象にないので、本当に悩んでいるわけじゃなくて、現状にただ甘えてるようにしか見えない。本当に苦しんでる人は、ただ甘えるだけの状態ではいられなくて、誰かに真剣に悩みをきいてもらうなりして解決しようとして、真剣に悩みと向き合わないと死んでしまうくらい悩むんじゃないか。
    うつ病患者の日記として読むのはいいけど、小説にしてこれが面白いのかといわれたら私はそうは思わない。なんか言葉が嘘くさい。
    もしかしてその嘘くさい言い訳の、現状に甘えている人間の心理描写を楽しむ小説なのかな!?でもそれでもねぇ~。そんなの見せられてもって感じです。

    これってようは、特有(と本人は思いこんでいる)な経験とその過程で得た考え方や、生活様式に苦しんでいるように見せかけて、その苦しさに甘えてるってだけですよね?普通の人なら考え方を変えたりして成長していくようなことですもんね。
    それをありのまま小説にするって、文芸部じゃあるまいし。

  • ずっと読みたかった1冊。短編なので気軽に読めるが、きっと何度か読み返せば良さを理解出来ると期待して。


    説明
    受賞歴
    第124回(平成12年度下半期) 直木賞受賞

    内容紹介
    乳がんの手術以来、何もかも面倒くさい25歳の春香。出口を求めてさまよう「無職」の女たちを描いた直木賞受賞作、待望の文庫化

    内容(「BOOK」データベースより)
    どうして私はこんなにひねくれているんだろう―。乳がんの手術以来、何もかも面倒くさく「社会復帰」に興味が持てない25歳の春香。恋人の神経を逆撫でし、親に八つ当たりをし、バイトを無断欠勤する自分に疲れ果てるが、出口は見えない。現代の“無職”をめぐる心模様を描いて共感を呼んだベストセラー短編集。直木賞受賞作品。

  • 煮え切らない話が多かった

  • 体がダルイ時に読んだのであまり覚えていません。なんか、エグかったような…?

  • 偶然第155回直木賞発表の今日、第124回の受賞作「プラナリア」を読了。短編集でいずれも主人公の心情のひねくれた部分、あ・・・私もそういう部分あったな・・・と思い当たるふしもあり。そういう部分をどう自分の中で消化していくのか、自分と比較しながら読んでいきました。しがらみの中でもがく人たちが興味深かったです。全5作品の中では唯一男性が主人公の最後の作品「あいあるあした」が好きでした。

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著者プロフィール

1962年11月13日横浜生まれ。 神奈川大学卒業後、OL生活を経て、87年「プレミアム・プールの日々」でコバルト・ノベル大賞、佳作受賞。 99年「恋愛中毒」で第20回吉川英治文学新人賞、 2001年「プラナリア」で第124回直木賞受賞。

「2019年 『シュガーレス・ラヴ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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