星々の舟 Voyage Through Stars (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 5088
感想 : 489
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167709013

感想・レビュー・書評

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  • 表紙とタイトルからしてまず綺麗な夜みたいな美しい印象だったが、内容はそれとは対照的だった。禁断の恋や不倫、戦争など登場人物たちはなにか不幸を背負っている。ただ、著者があとがきで述べているように、どの話にも一条の光が差しているような終わり方をしている。読了後は煮え切らない思いより、むしろキレイな終わり方をしたと思う。

  • 村山由佳さんの直木賞受賞作。
    とあるひとつの家族、それぞれの視点からそれぞれの想いが語られていく連作短編。
    兄妹の禁断愛や、主人と家政婦の不倫なんかもでてくるのですが、そこまで重苦しい雰囲気ではなく、どれも燃え尽くした後もわずかにくすぶっている火種をみているような感じでした。
    最後の章「名の気散る」がいちばん良かった。一家の長、父であり祖父である重之の戦争体験と家族への懺悔。
    〈幸福とは呼べぬ幸せも、あるかもしれない〉という彼の深い感慨には嘆息せざるを得ない。本当にそうだ。

  • 最後の「名の木散る」のストーリーに衝撃を受けてしまい、それまでの話の余韻が全てぶっ飛んでしまった。
    どの登場人物も一見すると何処にでもいそうな人たちであるが、一人一人心の痛みややりきれない思いを抱えて生きている。けれども最後の家長の壮絶な体験は想像を絶するものであった。

  • 近親相姦から慰安婦問題まで幅広かったが、織り込みすぎ感はなく、それぞれの人生と経験がありつつ、一つの家族としてのつながりも感じられた。

  • 短編連作集。
    6人の家族一人一人のお話。
    沙恵と暁の話が面白かったなぁ~。あと美樹。
    この3人の話は非常に面白かったため、ものすごい勢いで読んでた。
    でも、他の人の話になった瞬間ペースダウン。
    一冊の本にまとめた割には、いくらなんでも関連性が無さ過ぎなのではないかと。
    上述の三人の話は☆5つ。
    他は☆3つ。
    平均して☆4つ。
    って感じです。
    それにしても、
    「幸福とは呼べない幸せもあるのかもしれない」
    う~ん…。わかったようなわからんような…。

  • 何故か私の心に残っている一冊です。
    家長、亡くなった母、長男、次男、長女、次女、姪っこ・・・それぞれの物語に、見えない絆で関わりあう互いの存在。短編が続きながら、少しづつ彼らの人生も変化していく。

    近親相姦の関係に気づき、苦渋の思いで家を飛び出した次男。残された長女。特にこの二人の行く末が気になり、あっという間に読んでしまいました。
    燃え上がるような恋が理不尽に終わった後に残る鋭い苦しみを、これからも抱えながら二人は生きていくのかな。

  • 170611*読了

  • わたしはあまり好きではなかった。村山由佳初めてだったんですけど、難しく感じてしまった。自分自身がいい歳の大人になってきたのもあるけど、グサグサ刺さる感じのストーリーでした。これ、もっと子供の頃に読んでたら違ったろうし、更に歳を重ねてから読んでたら更に違ったと思う。「自由であるということ」を突き詰めれば「孤独であること」にも耐えなければならない、という解説にとてもしっくりきました。
    お話としては「雲の澪」が好き。まだわたしは大人になりたくないんだなって心底思った。

  • 息もつかず一気に読んだ
    面白かったなどと言えないかも
    引き込まれて
    読んでしまわなければ、
    兄妹
    なのに愛し愛されるてしまった。
    許す?赦される?

  • 最後の章まで面白かったのに、最後で真偽が疑わしい慰安婦左翼イデオロギー小説に変貌。
    騙された感がして残念

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著者プロフィール

村山由佳
1964年、東京都生まれ。立教大学卒。93年『天使の卵――エンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2003年『星々の舟』で直木賞を受賞。09年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞をトリプル受賞。『風よ あらしよ』で吉川英治文学賞受賞。著書多数。近著に『雪のなまえ』『星屑』がある。Twitter公式アカウント @yukamurayama710

「2022年 『ロマンチック・ポルノグラフィー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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