星々の舟 Voyage Through Stars (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 3790
レビュー : 418
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167709013

感想・レビュー・書評

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  • 冒頭でこの連作短編の主人公とも言える「兄」とその彼女のドラマのようなシーン。
    なんだ。。。陳腐な恋愛もの?と思ったら息苦しくなるほどにこの家族のそれぞれが抱えるせつなすぎる思い、苦悩、罪・・・。
    そしてその発端ともいえる「父」の過去。
    読み進めるわたしの顔は知らず知らずに眉間にしわが寄っていたであろう、苦しくて。辛くて。
    兄妹の狂おしい思いに心を寄せいつかどんな形ででも彼らに幸せが訪れますようにと願って。

  • もう一回きちんと読まんといかんやろうな~。どうも前半から、目が字面を追っても脳みそに入ってこない。はっきり言ってしまえば、あまり面白くない。しかし後半の2話が、ヒリヒリするような辛い話で、心が痛くなりながらも読み進めてしまった。家族一人ひとりが主役になる連作短編集なのだが、結局二人分しかまともに読んでいないことになる。もう一回きちんと読まんとなぁ......いつか。

  • 読破するには、多少のエネルギーを要します。そういう作品です。不倫、浮気、近親相姦......そのタブーを犯すとき、人というのはこんなにも美しい顔をするのですね。誰かが救われてしまったら、舟の均衡が崩れてしまう。彼らの幸せを、きっと私は願っていません。高校生ごときが知って良かったのでしょうか。痛くて美しい、家族の形です。

  • 情景が私の脳内に再現され、本の世界に自分を沈める。
    最近は評論文しか読んでいなかったのでこの感覚は久しぶりだった。
    しばらく読めていなかった小説に興奮し、感想を書こうとしてたことも忘れ、一気に読み終えてしまった。
    参考までに。

    景色だけでなく、音や空気、まるで自分がそこにいるような錯覚に陥るほどの描写力。
    それだけに、戦争の話は深く私に突き刺さった。
    フィクションだと思って読み進みていたはずの物語が、突如ノンフィクションに姿を変える、そんな感覚。
    それは、私の心に何かを刻みこんだ。


    雪虫は初冬。
    ヒトリシズカは春の花。花言葉は静謐、隠された美。
    青葉闇は夏。
    名の木散るは晩秋。

    雪虫の舞いはじめる初冬から始まり、いつかの四季を駆け抜けて、晩秋で終わる。
    また冬が始まる、といったところだろうか。

    他の目次にも触れたいがネタバレにならないためにやめておく。

    それぞれの登場人物の視点からえがかれる短編連作小説。
    とても一冊とは思えない内容の濃さ、量だったように思う。

    ー別々に瞬きながらも見えない線で繋がる星座のように、家族は「家」という舟に乗って無限の海を渡っていく。

    ー叶えられない幾つかの恋の物語であり、人と人とが形づくる星座、すなわち家族の物語であり、そしてまた、人々の来し方行く末を緩やかにつないで流れる歴史の物語である。




  • 夜明けの電話。受話器を置いて、物語が始まる。「母」が危ないとのこと。父は代々の大工である。近親相姦、いじめ、戦争体験などいろいろと贅沢に詰め込まれた話たち。最後は「母」たちの眠る墓で再会することとなった。インドへ旅立つあいさつに来た、と称して。朝と呼ぶには遅く、昼前と呼ぶには少し早いこの時間に物語は終わる。星々の舟という家族は血はどこでも繋がっている。

    • きおいなおさん
      朝と呼ぶには遅く、昼前と呼ぶには少し早いこの時間に物語は終わる。って良いですね☺︎
      朝と呼ぶには遅く、昼前と呼ぶには少し早いこの時間に物語は終わる。って良いですね☺︎
      2019/07/27
  • それぞれが悩みを抱える家族の話。話が重い。小説として詰め込みすぎに思えます。この家族、なんだかんだと支えあうより各々己が為に…と言うようにも見える。あと戦争の話が自虐に過ぎる気もするが、著者の歴史観だろうか。聡美の話と重之の話で纏まりが悪くなったような気もする

  • 江國香織氏のと違い、複雑な家庭環境で父親が戦争を体験した亭主関白で、父親を中心に反抗から分かり合いまでの経緯が兄妹や孫が主人公になり和解し合っていく。
    何故父親が頑なに家族を疎外するのかはみんな分からないけど、父親の戦争の慰安婦と知り合った事で幸せを拒絶してしまっていたのだが妻にも優しく接してあげれなかった後悔が胸を熱くする。
    のほほんじゃない家庭だけど、みんなが自分の生き方を見つけ、他人からみると幸せじゃないけどそれでも、強く生きるそんな感じの印象。

  • どうしても忘れたくない文章が沢山あるので、
    感想ではなく本文より抜粋します。

    p132~133にかけて美希の気持ち。
    つかまるものなんか、もう、いらない…
    誰と分かち合うこともできない、消せない痛み…

    p169暁の言葉
    いいか。お前は、どっこも変わってない…

    p197
    けれど、15年の歳月は互いの上を等しく流れ…

    p235貢の気持ち
    唯一憎むべき相手がいるとすれば、ぬるい自分である…

    p337重之の言葉
    謝ることで気が済んでしまって…
    p406
    赦されるのを前提に謝ることを詫びとはいわない…

    p426
    叶う恋ばかりが恋ではないように…

    あとがきより
    幸せとは自由であること
    幸福とは呼べぬ幸せもあるのかもしれない

    あとは、ヒトリシズカと言う花の名前を教えてくれた事。
    春になったら探してみたいです。

    そして、戦争とともに生きた方たちや慰安婦の事。
    戦争のことを話したくない方の気持ち。
    今まで聞き流してきたことを、自分の頭でちゃんと考えてみたいと思いました。

    とても辛い内容でしたが、心に刺さる作品でした。

  • ひとつの家族に起きる出来事を綴った短編集。
    それぞれ無くもない話だけどそれが全部ひとつの家族に起きる?って思うほどだった。
    それぞれの話は面白くてそれなりに引き込まれたし色々考えさせられるところもあった。
    でも最後の締めの重之の物語はなんだかなぁ。
    戦争という出来事を真実も明らかになっていない慰安婦を中心に語るのもどうかと思うけど重之自身の性格も昔ながらの父親を描いたのかもしれないけどあまりにも自己中で散々周りに迷惑かけてきたのに年取ってちょっと丸くなって重之自身も戦争を体験して色々あったんだからって勝手にいい話っぽくまとめちゃうのはなんか納得いかなかった。

  • どの話も重たいな。
    お母さんの腰を痛めたエピソードがキツイ。それを皆黙っていたのとかも辛い。
    重い雰囲気の中、最後の最後にまた出会った2人が少し明るく見えたのが救いです。

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著者プロフィール

村山由佳(むらやま ゆか)
1964年7月10日生まれ、立教大学文学部日本文学科卒業。不動産会社、塾講師などの勤務を経て作家となる。
1991年 『いのちのうた』でデビュー。1991年『もう一度デジャ・ヴ』で第1回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞佳作、1993年『春妃〜デッサン』(『天使の卵-エンジェルス・エッグ』に改題)で第6回小説すばる新人賞、2003年『星々の舟』で第129回直木三十五賞、2009年『ダブル・ファンタジー』で第4回中央公論文芸賞、第16回島清恋愛文学賞、第22回柴田錬三郎賞をそれぞれ受賞している。ほか、代表作として『おいしいコーヒーのいれ方』シリーズがある。

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