星々の舟 Voyage Through Stars (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 3788
レビュー : 418
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167709013

感想・レビュー・書評

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  • 禁断の恋に悩む兄妹、他人の恋人ばかりを好きになってしまう末妹、居場所を探す段階世代の長兄、そして父は戦争の傷痕を抱えて…。愛とは、家族とはなにか。別々に瞬きながらも見えない線で繋がる星座のように、家族は、「家」という舟に乗って無限の海を渡っていく。心震える感動の短篇連作小説集、第129回直木賞受賞作。

  • 読破するには、多少のエネルギーを要します。そういう作品です。不倫、浮気、近親相姦......そのタブーを犯すとき、人というのはこんなにも美しい顔をするのですね。誰かが救われてしまったら、舟の均衡が崩れてしまう。彼らの幸せを、きっと私は願っていません。高校生ごときが知って良かったのでしょうか。痛くて美しい、家族の形です。

  • 夜明けの電話。受話器を置いて、物語が始まる。「母」が危ないとのこと。父は代々の大工である。近親相姦、いじめ、戦争体験などいろいろと贅沢に詰め込まれた話たち。最後は「母」たちの眠る墓で再会することとなった。インドへ旅立つあいさつに来た、と称して。朝と呼ぶには遅く、昼前と呼ぶには少し早いこの時間に物語は終わる。星々の舟という家族は血はどこでも繋がっている。

    • きおいなおさん
      朝と呼ぶには遅く、昼前と呼ぶには少し早いこの時間に物語は終わる。って良いですね☺︎
      朝と呼ぶには遅く、昼前と呼ぶには少し早いこの時間に物語は終わる。って良いですね☺︎
      2019/07/27
  • 章分けで人物それぞれの人生観や思いを描かれていたけど、
    全内容としては、今一歩な感じ。

    でも、お父さんの描写は、この終戦時期とあいはまり
    戦争を知らない私には、生々しかったです。

  • 江國香織氏のと違い、複雑な家庭環境で父親が戦争を体験した亭主関白で、父親を中心に反抗から分かり合いまでの経緯が兄妹や孫が主人公になり和解し合っていく。
    何故父親が頑なに家族を疎外するのかはみんな分からないけど、父親の戦争の慰安婦と知り合った事で幸せを拒絶してしまっていたのだが妻にも優しく接してあげれなかった後悔が胸を熱くする。
    のほほんじゃない家庭だけど、みんなが自分の生き方を見つけ、他人からみると幸せじゃないけどそれでも、強く生きるそんな感じの印象。

  • ひとつの家族に起きる出来事を綴った短編集。
    それぞれ無くもない話だけどそれが全部ひとつの家族に起きる?って思うほどだった。
    それぞれの話は面白くてそれなりに引き込まれたし色々考えさせられるところもあった。
    でも最後の締めの重之の物語はなんだかなぁ。
    戦争という出来事を真実も明らかになっていない慰安婦を中心に語るのもどうかと思うけど重之自身の性格も昔ながらの父親を描いたのかもしれないけどあまりにも自己中で散々周りに迷惑かけてきたのに年取ってちょっと丸くなって重之自身も戦争を体験して色々あったんだからって勝手にいい話っぽくまとめちゃうのはなんか納得いかなかった。

  • 重之、父 大工、戦争経験
    志津子、母、家政婦から重之の後妻へ。
    貢、長男、公務員。部下と浮気。畑仕事が趣味。
    暁、次男、志津子の連れ子の沙恵と男女の仲となる。
    家出し北海道で骨董屋の娘と結婚。
    沙恵、志津子の連れ子と言われていたが重之の子。
    美希、ハウスメーカー勤め。上司と不倫。

    物語はそれぞれに焦点を当て進んでいく

  • 村山由佳さんの直木賞受賞作。
    とあるひとつの家族、それぞれの視点からそれぞれの想いが語られていく連作短編。
    兄妹の禁断愛や、主人と家政婦の不倫なんかもでてくるのですが、そこまで重苦しい雰囲気ではなく、どれも燃え尽くした後もわずかにくすぶっている火種をみているような感じでした。
    最後の章「名の気散る」がいちばん良かった。一家の長、父であり祖父である重之の戦争体験と家族への懺悔。
    〈幸福とは呼べぬ幸せも、あるかもしれない〉という彼の深い感慨には嘆息せざるを得ない。本当にそうだ。

  • 170611*読了

  • 愛してないわけじゃないけれど屈託なく接することができるわけでもない家族。その機微な感情が波のように押し寄せてきて、途中で気分が悪くなるほどだった。しかしこの物語が多くの人の心を揺さぶったというのだから、案外そういう想いを共有できる人は多いのかもしれない。それとも、あくまで自分とは関係のない、虚構として楽しんでいるのだろうか?わからないなぁ。最後に重幸の戦争体験を持ってきたのはすべての責任を戦争になすりつけようとした印象も受ける。筆者の狙いがどうだったかに関係なく。タイトルを船ではなくて船としたところが秀逸

著者プロフィール

村山由佳(むらやま ゆか)
1964年7月10日生まれ、立教大学文学部日本文学科卒業。不動産会社、塾講師などの勤務を経て作家となる。
1991年 『いのちのうた』でデビュー。1991年『もう一度デジャ・ヴ』で第1回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞佳作、1993年『春妃〜デッサン』(『天使の卵-エンジェルス・エッグ』に改題)で第6回小説すばる新人賞、2003年『星々の舟』で第129回直木三十五賞、2009年『ダブル・ファンタジー』で第4回中央公論文芸賞、第16回島清恋愛文学賞、第22回柴田錬三郎賞をそれぞれ受賞している。ほか、代表作として『おいしいコーヒーのいれ方』シリーズがある。

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