御宿かわせみ (31) 江戸の精霊流し (文春文庫) (文春文庫 ひ 1-103 御宿かわせみ 31)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167710033

感想・レビュー・書評

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  • 御宿かわせみシリーズ。第31巻。夜鷹そばや五郎八・野老沢の肝っ玉おっ母あ・昼顔の咲く家・江戸の精霊流し・亥の子まつり・北前船から来た男・猫絵師勝太郎・梨の花の咲く頃。
    お石とその姉と母の対比が面白い「野老沢の肝っ玉おっ母あ」、高山千蔵先生と子供たちの交流が楽しい「昼顔の咲く家」、腹違い兄弟の愛がいじらしい「亥の子まつり」、身分の違いが歯がゆい「北前船から来た男」、金がらみの殺人はホラーが多い気がする「梨の花の咲く頃」など。
    麻太郎と源太郎と花世が事件を探り出すのをハラハラしながら読む楽しみは、きっと取り巻く大人たちをさぞヒヤヒヤさせたんだろうな、などと考えるとさらに面白い。年が離れているので千春が混ざることは今はまだないけれど、子供たちの成長の描写で時代が動いているのがよく分かる。東吾が父親らしくなってきたのがなんだか面映ゆい。

  • 31 御宿かわせみ
    猫絵師勝太郎、るいをつける男。事件性なし。あぁ、昔みたいに小太刀を振り回してほしいよ、おるいさんに。
    かわせみがらみの話だと俄然おもしろいね。

  • 『御宿かわせみ』シリーズ第31弾。

  • ・夜鷹そばや五郎八
    ・野老沢(ところざわ)の肝っ玉おっ母あ
    ・昼顔の咲く家
    ・江戸の精霊流し
    ・亥の子まつり
    ・北前船から来た男
    ・猫絵師勝太郎
    ・梨の花の咲く頃

  • おなじみ御宿かわせみ31巻目。
    どう時代が変わっていくんだろうな、と本当こんな生活だったんだろうな、というその時代を垣間見ているような感覚を持つ。
    淡い人情もの。

  • ま、普通に淡々と。最近の御宿かわせみっぽい感じで落ち着いている。江戸に絵師になろうとやってきた男が、自分の絵が描きたいと猫の絵を描く…ってのが好きだったな。

  • 【8作収録】
    ・夜鷹そば屋が殺された。金目当てとも思えず、恨みを買う人柄でもない。娘の婚礼前で物入りだったとの情報と、殺される前に旧知の者と出会ったようだとの証言があがる
    ・かわせみの女中・お石の姉が旦那との大喧嘩の末に姿を消した。その後、旦那も行方知らずとなり、心配したお石らが故郷の母を訪ねると、赤ん坊を置いたきり連絡がないという
    ・高山仙蔵の女中に殺しの疑いがかかる。殺された男は女中の元舅にあたり、前夜に仙蔵のもとを訪ねて大声でやりあったとの証言が。凶器となり得る杖も仙蔵のもとで見つかり・・・
    ・女中不足のため、桂庵から女中を廻してもらったかわせみ。すれっからしや手癖の悪い女中を抱える桂庵を敬遠していたが、やって来た女中は人柄も仕事ぶりも文句がなく・・・
    ・十夜念仏へ行った老女が死亡した。出発直前に同行を取りやめたり、怪しげな薬を貰っていたりと不審さが目立つ長男。血の繋がらない関係なだけに周囲からは疑いの目がかかる
    ・麻太郎と源太郎が釣りで知り合った船頭。後日、思いつめた表情で侍のあとをつける船頭を見た2人は、船頭が昔、母親と姉を侍に殺された過去を持つことを知る
    ・永代の元締のもとに居候している絵師の卵。忠実な模写のみの狩野派の弟子であるにもかかわらず、猫の絵にばかり夢中になり、猫の七福神の絵で売れてしまう
    ・座頭殺しの容疑者として捕まった男がかわせみの奉公人の縁者とあって、調査に乗り出した東吾。金を貯めることに執心していたという座頭。しかし、家にはさほどの金もなく・・・

  • 以前池波正太郎を取り上げたときも、読むというよりは(テレビで)見る作品という印象が強いと書いたが、この平岩弓枝も同様である。
    かなり多作な作家ではあるが、活字で読むよりはテレビドラマで接することの方がずっと多い。
    もちろん「平岩弓枝ドラマシリーズ」など、原作のドラマ化作品も数多いが、やはり脚本家平岩弓枝として、親しんできたテレビドラマが圧倒的に多い。
    中でも忘れられないのが「肝っ玉母さん」と「ありがとう」。
    ちょっと調べてみたら、この2本は1960年代後半から70年代にかけて放映されている。
    昨今話題の「昭和ノスタルジー」の真っ只中である。
    もし、再放送されたら間違いなく見るだろうなあ。
    さて、この「江戸の精霊流し」もテレビドラマ「御宿かわせみ」の中の一作品。
    「風のたより 〜風が運んでくれる 私のひとりごと〜」のneko_penさんから、帰国中に実家に向けてどっさり送ってもらった文庫本の中の一冊。
    宮本輝や浅田次郎など、私のお気に入り作家の作品をたくさん送っていただいた。
    その中のこの作品は、時代小説が好きな母に回そうと思い、一番先に読んだ一冊であった。

  • 2007/9/23
    BM-H E

  • 御宿かわせみシリーズ第31巻。猫飼いとしては猫をフューチャーした「猫絵師勝太郎」が良かった。千春も順調に成長しているようだし、次に何かあるとしたら、やはり時代が急変する方向を書くのだろうか。それともこのままゆるやかに時間が流れていく感じで進むのだろうか。次の巻が待たれる。【2007年1月22日読了】

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著者プロフィール

東京都生まれ。日本女子大学国文科卒業。戸川幸夫の知遇を得、その推薦で長谷川伸の門下となる。1959年『鏨師』(たがねし)で第41回直木賞を受賞。1991年『花影の花』により、第25回吉川英治文学賞を受賞。また、これまでの業績により、1997年紫綬褒章を、1998年第46回菊池寛賞を受賞。2004年文化功労者に選ばれ、2016年文化勲章を受章した。著書に南町奉行所内与力・隼新八郎がさまざまな事件を解く「はやぶさ新八御用帳」「はやぶさ新八御用旅」シリーズや「御宿かわせみ」シリーズなどがある。

「2019年 『新装版 はやぶさ新八御用帳(十) 幽霊屋敷の女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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