イン・ザ・プール (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
3.75
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  • (67)
本棚登録 : 23399
感想 : 2454
  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167711016

作品紹介・あらすじ

「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。色白で太ったその精神科医の名は伊良部一郎。そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。プール依存症、陰茎強直症、妄想癖…訪れる人々も変だが、治療する医者のほうがもっと変。こいつは利口か、馬鹿か?名医か、ヤブ医者か。

感想・レビュー・書評

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  • 楽しかったぁぁ~♪
    自分も色々【気にしぃ】なので
    伊良部先生みたいな「楽観的な考え」とか真似したい
    伊良部先生のやってることは真似しちゃ駄目だけど(笑)

    他人の目が気にならない
    何も気づかない
    って言うのも【才能】

    世の中 気づかない方が幸せなこともありますよね(苦笑)

    • yhyby940さん
      おはようございます。「いいね」ありがとうございます。他人の目を気にしないことは難しいことですが、ほとんどの人が自分のことで目一杯で他人のこと...
      おはようございます。「いいね」ありがとうございます。他人の目を気にしないことは難しいことですが、ほとんどの人が自分のことで目一杯で他人のことは見ていない物なんだろうなあと60歳を過ぎて考えるようになりました。少しは伊良部先生に近づいてきたのかなあ
      2021/10/31
    • ベルゴさん
      1つ言えるのは
      【石は投げない方がいい】ですね(笑)
      1つ言えるのは
      【石は投げない方がいい】ですね(笑)
      2021/10/31
    • yhyby940さん
      (笑)。ホンマですね。
      (笑)。ホンマですね。
      2021/10/31
  • 精神科医伊良部一郎シリーズ第一作。
    色白・デブ・マザコン・総合病院の院長であり日本医師学会理事の父親を持つ。愛車はポルシェ、注射フェチ。
    彼の元に時折精神を病んだ人達が訪れる。

    「イン・ザ・プール」
    ストレスで内臓学級崩壊の出版社勤務男性。運動の為に始めた水泳に依存していく。
    「勃ちっ放し」
    勃ちっぱなしで神経科に回された会社員。自己を解放して治癒に向かう。
    「コンパニオン」
    美人コンパニオンストーカー被害妄想。ビジュアルの優先度を落として自意識過剰を放棄して治癒に向かう。
    「フレンズ」
    携帯メール依存の高校生。とにかく打つ。携帯が無いと不安で押しつぶされる。無理な友人関係を放棄して治癒に向かう。
    「いてもたっても」
    強迫神経症のルポライター。タバコの火の始末の確認行動の習慣激化。日常生活にも影響する。確認行動の有益性を認めて治癒に向かう。

    以前から装丁の気持ち悪さが気になっていました。
    テンポが良いだけでなく、振り回されながら、治っていくの楽しい作品。

    • おびのりさん
      hibuさん、おはようございます。
      残暑お見舞い申し上げます。
      はい、楽しく読みました。^_^
      馬鹿馬鹿しいけど的を得てるという感じで。
      筒...
      hibuさん、おはようございます。
      残暑お見舞い申し上げます。
      はい、楽しく読みました。^_^
      馬鹿馬鹿しいけど的を得てるという感じで。
      筒井康隆の富豪刑事を思い出しましたよ。
      2023/08/29
    • 1Q84O1さん
      おびさん、おはようございます!
      もう内容忘れちゃいました…w
      また、三作目と新作も読みたいと思います^_^
      おびさん、おはようございます!
      もう内容忘れちゃいました…w
      また、三作目と新作も読みたいと思います^_^
      2023/08/29
    • 土瓶さん
      好きなシリーズです。
      「町長選挙」は少しパワーダウン。
      最新作の「コメンテーター」読みたい。

      この時期「イン・ザ・プール」なんてシ...
      好きなシリーズです。
      「町長選挙」は少しパワーダウン。
      最新作の「コメンテーター」読みたい。

      この時期「イン・ザ・プール」なんてシャレこみたいよね。暑いし。
      これ読んでた時に自分も泳ぎたくなったことを思い出した。
      2023/08/29
  • 表題作を含む5つの短編集。
    精神科医である主人公・伊良部の元へ心の悩みを抱えた患者たちがやってくるが、そのやり取りが可笑しくて、久々に文章を見て声を出して笑ってしまった。
    最終的には伊良部のぶっ飛んだ治療法の発想で患者たちを救っていく展開が見応えあり。
    個人的には〈いてもたっても〉が自分の性格にも当てはまるところが多くて少し恥ずかしくなった…

  • 「17年の沈黙破ってトンデモ精神科医・伊良部が帰ってきた」…らしい。ということで、こちらも初読みの作家・奥田英朗さんです。5つのエピソードで構成された短編集で、第1章が表題にもなっているエピソードです。

    シリーズ1作目の本作発刊当時の2000年代初頭、私は○○賞受賞作には目もくれず、北方謙三、京極夏彦両巨匠の続きものの固め打ちの日々。本作には、洋楽のジャケットみたいだなとの印象を持つに止まっていました。

    そして、今年の猛暑。「硝子の塔の殺人」という傑作の余韻に浸りつつ積み上がった待機本を後目に見ながら、書店で琴線に触れる一冊を渉猟していると、プールに漂う赤ん坊の涼しげなブルーの表紙が目に止まりました。

    太った色白の中年男の精神科医・伊良部は、基本的にここに来るような患者には悩みを聞いても解決しないから聞かない、という身も蓋もない発言をして憚りません。これは意外と本質を突いているのではとも思わせます。

    毎日来院を促し、本末転倒とも言えるような問診と、症状も聞かずに始める注射を繰り返す伊良部。患者が水泳に目覚めたと言えば、無邪気に一緒にやりたいと、医師と患者の一線を軽く超えて私生活に入り込んできます。

    患者は次第に現実と妄想が混濁し焦燥に駆られ、伊良部との課外活動への抵抗感も薄れていきます。伊良部の社会規範を逸脱する行為や不安を却って煽る発言を通じて、症状の原因となっている思考が飽和状態に達します。

    これによる大きな挫折感が結果的に症状の寛解に繋がるという展開が、各エピソードに共通する「型」となっています。この型は癖になります。結果オーライか計算づくか、伊良部はさながら現代の憑き物落としのようです。

    傍に控える看護師・マユミも良いコントラストになっています。伊良部の言動を諌めるどころか、まったく無反応で達観ぶりが凄い。「おーい、マユミちゃん」から始まる注射の描写も読者の中毒性を高める一因でしょう。

    作品全体に漂う「緩さ」と、子どものように自分本位の言動を繰り返す伊良部の姿にカタルシスを感じることで、読者に癒やしを与える効果もあるような気がします。しばらくしたら、きっと続編が読みたくなるはずです。

    • yukimisakeさん
      初めまして、先日はフォロー誠にありがとうございました!
      harunorinさんの本棚が興味深いのが多く、こちらも読むか悩んでいたものでしたの...
      初めまして、先日はフォロー誠にありがとうございました!
      harunorinさんの本棚が興味深いのが多く、こちらも読むか悩んでいたものでしたので参考になりました。

      洋楽のジャケット、もしかすると『ニルヴァーナ』ですか?笑
      僕も思ってました笑
      2023/08/12
    • harunorinさん
      yukimisakeさん、こんばんは(*´꒳`*)
      メッセージありがとうございます!

      私の本棚は少し偏りがあって、お恥ずかしい限りですが、...
      yukimisakeさん、こんばんは(*´꒳`*)
      メッセージありがとうございます!

      私の本棚は少し偏りがあって、お恥ずかしい限りですが、お互いの刺激になれば幸いです。
      洋楽のジャケット、そう!ニルヴァーナです。
      長年、頭の片隅にそういう認識が残っていたみたいです。読んでみると、当たり前ですが、グランジとは何の関係もなかったですね笑

      「向日葵の咲かない夏」のレビュー拝見しました。
      昨年、新潮文庫・夏の100冊を制覇しよう(まったくできてませんが)という軽い気持ちで、この作品を手にしました。
      私もサイコホラーもの嫌いではないです。途中、違和感をひしひしと感じながらも、まさかここまでの展開とは予想していなかったので、とても印象深い作品でした。昨年のちょうど今頃に炎天下の公園のベンチで、ゾワゾウしていたことを思い出しました。季節も良かったですね笑

      今後ともよろしくお願いします。本棚とレビューを楽しみにしています。ではまた
      2023/08/12
  • 多かれ少なかれ自分も感じていることがそのまま病になっていて、テーマにユーモアもあります。

  • ミステリーばっか読んでたので脳みそ小休止を。
    キモい伊良部医師が精神病を治療
    小太りキモ医師がポルシェに乗る不釣り合いの滑稽さを「黄緑色のポルシェ」と色を足す等々、笑いのエッセンスが散りばめられる

    気にし過ぎ・気負いすぎは人生疲れるわ
    他人に任せるのも吉

    3時間程度で読め気が楽になる本
    次作は直木賞取ったみたいなので期待

  • 「いらっしゃい〜!」って、桂三枝か!
    (今は、桂文枝です。やっぱり、なじみは、桂三枝になってしまう…)
    神経科の先生伊良部さん、ほんまに神経通ってるのか不安になる程の楽天家というか、お気楽というか…
    それが、心を病んでる人には、良いのか治ったりする。
    こんなに、前向き?ポジティブ?に考えられれば良いとは思うけど、自分にはムリ!
    今も仕事の心配してんのに(−_−;)
    神経科って、カウンセリングがメインなんやろうけど、自己分析とかしてんと、こんな先生のお気楽というか、適当な話聞きながら会話してる方か良いのかなと思わずにはいられない…^^;
    多分、毎日、通院とかする気なくす(^_^)

  • おもしろくて笑顔になれる小説でした。

    人を深刻にさせない天性のキャラクターである精神科医と個性的な患者達の治療をめぐる短編ストーリー。
    読み終えて、気楽な気持ちになり、癒されました。

  • 話題になっている「コメンテーター」ですが、シリーズを読んだことがありませんでした‼️
    というわけで、まずはシリーズ1冊目からスタートです。
    伊良部先生、面白すぎる。患者と一緒に私も何だか心が軽くなりました。
    明日から、心の声がだだ漏れしそうです‼️

  • 今年、久方ぶりの新シリーズである「コメンテーター」が発刊されたことを機に本作を手に取りました。
    精神科医である伊良部が奇想天外の破茶滅茶療法で患者を救うというコメディに思わず笑ってしまいました。

    本作を読んでる際、なぜか徳重聡の風体で伊良部が再生されるので何故だろうと思っていたら、なるほどドラマ化されていたのですね。しかも10年前に…
    本作の感想とは全く関係ないのですが、人間の記憶って恐ろしいなと。笑

    人間の脳はいまだにブラックボックスであるからこそ、精神治療に紋切り型ってないのかなとしみじみ思いました。ケータイ依存症とかコンパニオンとか、少し古い時代を感じさせるフレーズが多々あり、中学生とかが読んだら何を言ってるのかさっぱり分からないということもありそうだなとも思いました。

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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