空中ブランコ (文春文庫)

著者 : 奥田英朗
  • 文藝春秋 (2008年1月10日発売)
3.83
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167711023

作品紹介・あらすじ

伊良部総合病院地下の神経科には、跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り、尖端恐怖症のやくざなど、今日も悩める患者たちが訪れる。だが色白でデブの担当医・伊良部一郎には妙な性癖が…。この男、泣く子も黙るトンデモ精神科医か、はたまた病める者は癒やされる名医か!?直木賞受賞、絶好調の大人気シリーズ第2弾。

空中ブランコ (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • イン・ザ・プールに続く空中ブランコ、読了。

    伊良部総合病院を訪れる患者は、相変わらず、伊良部先生に振り回されっぱなし。
    「いらっしゃーい」と素っ頓狂な声で迎え入れられ、有無を言わさず注射を打たれ、伊良部先生の言動に翻弄される。
    治療に来たはずなのに、伊良部先生と話すたび、患者たちは、伊良部先生に突っ込みを入れずにいられない。

    一見すると、伊良部先生の相手をするのは疲れそうだ・・と思っていたのだけど。
    果たしてそうだろうか? だってまるで5歳児の言動。気兼ねなく、好き放題やってくれるのだから、患者も、つい、
    無防備になってしまう。思わず、素で話してしまう。遠慮する必要もなければ、見栄を張る必要もない。
    そんな相手と一緒にいて、果たして疲れるのか? ここに出てくる患者さんたちのように、いつの間にか伊良部先生を
    心のよりどころにしてしまうのに、疲れるわけがないのでは・・と次第に思いました。

    ギスギスした現代社会、ストレス社会だからこそ、伊良部先生みたいな人が、今、必要とされているのかも・・。
    だからこそ、このタイミングで読んで、心に沁みるのだと思います。

  • 抱腹絶倒とはこのことか!

    仕事帰りの電車で読んでいて笑いが止まらなかった。それでも読むのをやめられなかった。初めは何とか笑いをこらえていたが、いつのまにか声に出して笑っていた。車内で完全に変質者だった。しかし、思う存分笑うのは気分がよい。今月に入ってからというもの、忙しさとの戦いに疲れ果てていた昨日までの私とうってかわり、今日の私は快調だ。たった一冊の本でこんなに癒されるのだから、本当の娯楽作品にはとてつもない力があることを身をもって思い知らされた。

    色白デブの中年で声が甲高くてマザコンの精神科医、伊良部が活躍するこの短編集の二作目。
    どの作品も面白いが、中でも「義父のヅラ」が凄まじい笑いを提供してくれるだろう。普段いい大人を演じている人間には、こういった程度は低いがシンプルかつ強度のあるハゲネタは有効なのだろう。

    ここまでくると、水戸黄門と同じで、先が読める決まった展開なのだが、それが安心感につながっているのだろう。伊良部の暴走は周囲を巻き込んでいきハラハラするが、最後は読者もいつのまにか患者と一緒になって、心に抱える問題を解きほぐされて、穏やかな気持ちになれるのだから。

    読む薬といえるかもしれない。

  • シリーズ第2弾!!
    伊良部総合病院地下にある神経科。今日もまた悩める患者が訪ねてきて、トンデモ精神科医・伊良部一郎による荒療治(?!)が始まる――。

    「空中ブランコ」
    自分を客観的に見ることって、本当に難しいものだと改めて気づかされた。
    自分に非があったのかもしれない~と思い詰めてみたところで、相手から見た自分の姿ってなかなか見えてこない…。

    「ハリネズミ」
    尖端恐怖症は、ちょっとだけ気持ちわかる気がするなぁ。ここまでひどい症状じゃなくても、ふとしたときに‥あ、怖い!って思う。
    突っ張るのに疲れたときは、ハリネズミがただのネズミになりたいと思うこともあるのかもしれないな~なんて思った。

    「義父のヅラ」
    もうタイトルからして危なっかしくて、いったい最後どうオチつけるつもり!?~とハラハラしながら見守り…すごい笑ってしまったw
    やっぱ若いときにちゃんとバカやっとかないとダメだし、大人になってからも息抜きは必要。もちろん、法に触れない範囲で!笑

    「ホットコーナー」
    初心とか、ただ純粋に好きで楽しいって思う気持ちとかをなくさずにやっていくっていうのは、なかなか難しいことだなと思う。
    伊良部先生みたいに何も考えないでいるのが、実はいちばん無敵かも?笑

    「女流作家」
    正しく頑張ってる人はみんな報われたらいいのになぁって、願わずにはいられない。華やかに見える業界の、陰の苦労は相当なものだろうなと思った。
    あと、謎多き看護師・マユミさんの意外な反応が新鮮だった♪

    どの話も深く考えさせられたし、何より声出して笑えちゃうくらい面白かったw
    そして今さらなんだけど、今回すごい!と思ったのが、伊良部先生って人をまったく怖がらない性格なんだなーってこと。初対面の人相手でも警戒しないし、壁がない感じ。(こういうとこ、ほんと羨ましい!)
    …うーん、やっぱり名医?笑

  • 伊良部一郎シリーズ第二弾。
    突飛な行動が面白く、患者の悩みも今回はあれこれと自分にも当てはまるところもあった。
    悩みを解決するのは自分次第であり、問題と向き合わないと解決に進まない。
    楽しい話だが、つい学ぶ方向で読んでしまった。

  • 前作を読んでずいぶん経っていたのだけれど、友人と話していてこのシリーズが話題に上ったので、続きを読む気になった。1巻目だけでは、不気味だった伊良部医師に慣れてきて、次は何をするかと期待しながら読むようになった。結局は患者が自分で原因を気づくまでつきあっているだけなのだが、癒しになっているのは、伊良部医師の人徳、、、と言ったら、登場人物全員から抗議が来そうだ。

  • やっぱり面白い( ^ω^ )♬♬
    伊良部先生に会いたい♡(笑)
    「女流作家」は珍しくじんと来た(・・。)

  • 精神科医・伊良部一郎シリーズ。
    直木賞受賞。
    イン・ザ・プールと同様、読みやすくて軽快なストーリー。
    空中ブランコと女流作家は、何となく登場人物の気持ちがわかるかなぁ。
    無意識に、「自分が正しい、間違ってない」って思っちゃう感覚。
    それを気づかせてくれるストーリーでもありました。

    疲れてる時に読むと、気持ちがラクになる本です。

  •  精神科医、伊良部先生が登場する「イン・ザ・プール」の続編です。前作が楽しかったので、そのままの勢いで読み始めました。
     精神科医なのに、なぜかやたらと注射を打ちたがる。いや、打っているところ見たがるへんな先生。
     前作同様にそんな先生の下に診察に訪れる患者さん。患者さんは普通であれば変わり者が多いと想うのですが、伊良部先生ノインパクトがすごすぎて普通の人に見えるという・・・。

  • 読みやすい。
    面白い。

  • 5歳児のような伊良部先生がツボ。
    尖端恐怖症のヤクザの話「ハリネズミ」が一番面白かった。
    どの話も少し光が見える終わり方でホッとする。

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