空中ブランコ (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 1390
  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167711023

作品紹介・あらすじ

伊良部総合病院地下の神経科には、跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り、尖端恐怖症のやくざなど、今日も悩める患者たちが訪れる。だが色白でデブの担当医・伊良部一郎には妙な性癖が…。この男、泣く子も黙るトンデモ精神科医か、はたまた病める者は癒やされる名医か!?直木賞受賞、絶好調の大人気シリーズ第2弾。

感想・レビュー・書評

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  • イン・ザ・プールに続く空中ブランコ、読了。

    伊良部総合病院を訪れる患者は、相変わらず、伊良部先生に振り回されっぱなし。
    「いらっしゃーい」と素っ頓狂な声で迎え入れられ、有無を言わさず注射を打たれ、伊良部先生の言動に翻弄される。
    治療に来たはずなのに、伊良部先生と話すたび、患者たちは、伊良部先生に突っ込みを入れずにいられない。

    一見すると、伊良部先生の相手をするのは疲れそうだ・・と思っていたのだけど。
    果たしてそうだろうか? だってまるで5歳児の言動。気兼ねなく、好き放題やってくれるのだから、患者も、つい、
    無防備になってしまう。思わず、素で話してしまう。遠慮する必要もなければ、見栄を張る必要もない。
    そんな相手と一緒にいて、果たして疲れるのか? ここに出てくる患者さんたちのように、いつの間にか伊良部先生を
    心のよりどころにしてしまうのに、疲れるわけがないのでは・・と次第に思いました。

    ギスギスした現代社会、ストレス社会だからこそ、伊良部先生みたいな人が、今、必要とされているのかも・・。
    だからこそ、このタイミングで読んで、心に沁みるのだと思います。

  • イン・ザ・プールの読了後、すぐに読みました。変わらず伊良部先生は奇想天外で面白い。各キャラクターが少し前向きに変わるのがわたしも嬉しくなります。

  • 再読。旅のお供として。短編で読みやすい。決まりきった展開ではあるけれど、伊良部先生のすっとんきょうさは読み物として読んでる分には面白い。近くにいたらいやだろうけど。でも伊良部先生はみんなに好かれるから、意外と好きになるんだろうか。この文庫の装丁、かわいいよなー。

  • シリーズ第2弾の今作。収録されてるお話全て、アニメ化されてるモノでした。
    「空中ブランコ」も「女流作家」もちょこちょことアニメとは違う設定になっていました。「女流作家」に至っては主人公の性別が違ってますもんね。アニメの男性版とは違って、こぅドロドロしたカンジがとてもして、その違いがちょっと面白かったです。男の人にはこんなドロドロしたイメージってないですもん。

    前回はそうは感じなかったんだけど、今回マユミちゃんはアニメとはかけ離れた印象を受けました。アニメではもっとはすっぱな印象のみだったんだけど、今回ちょっとそんなコトもなく。気だるい歳相応な女の子といった印象でした。伊良部先生同様、「この人、何者?!」的な印象があんまりなかったかな。・・・・・・慣れ?

    「ハリネズミ」の先端恐怖症は分かるなぁ・・・。どうして悪い方、悪い方に考えちゃうんだろうか、人間って(苦笑)。強迫神経症もそうだけど、悪い方に考えすぎなんだよね。それが分かっているんだけど、やっぱり気になっちゃうのが症状というモノなのだろうか・・・。私も軽く苦手です、先の細いモノ。そして確実に目に刺さるイメージを持っちゃうのは何でなんだろ?急所だから??

  • 伊良部医師の第二弾。
    精神科の物語をここまで笑いごとにしてくれる作品は貴重です。
    深刻な心の問題を抱えて悩む人々が、伊良部医師の破天荒な変人ぶりに触れると、自分の悩みが馬鹿馬鹿しくなってしまう。
    こういうお医者も必要かもしれません。
    近くにいたら本当に面倒くさいしウザイと思うのですが、読者でいる分には伊良部さんすごく素敵。素晴らしいフットワーク、バイタリティ!
    看護師のマユミちゃんも最高です。
    この後のシリーズは無いようですが、いつか続きが読みたいです。
    ※その後、この続きがあることが分かりました。いずれ読もう。

  • シリーズ一作目よりも、心が晴れるような爽やかさがあったように思う。
    人の弱さが浮き彫りになり迷い込んでいく過程が他人事とは思えない。着飾ることをやめ、地位や名誉や仲間や看板を取られても、果たしてそのままの自分でいられるか?と問われたようで、伊良部先生も結構痛いところを突いてくるなと思った。

  • あいかわらず安定の面白さ。
    伊良部先生めちゃくちゃやけどちゃんと解決してるのがスゴイ(。・ω・。)

  • 色んなエピソードがあるが、空中ブランコがやっぱり1番いい!泣きそうになった!
    読後は、明るい気持ちになれるので落ち込んでるひと、憂鬱な気分なひとにオススメ!
    読めば読むほど伊良部が好きになる。

  • 抱腹絶倒とはこのことか!

    仕事帰りの電車で読んでいて笑いが止まらなかった。それでも読むのをやめられなかった。初めは何とか笑いをこらえていたが、いつのまにか声に出して笑っていた。車内で完全に変質者だった。しかし、思う存分笑うのは気分がよい。今月に入ってからというもの、忙しさとの戦いに疲れ果てていた昨日までの私とうってかわり、今日の私は快調だ。たった一冊の本でこんなに癒されるのだから、本当の娯楽作品にはとてつもない力があることを身をもって思い知らされた。

    色白デブの中年で声が甲高くてマザコンの精神科医、伊良部が活躍するこの短編集の二作目。
    どの作品も面白いが、中でも「義父のヅラ」が凄まじい笑いを提供してくれるだろう。普段いい大人を演じている人間には、こういった程度は低いがシンプルかつ強度のあるハゲネタは有効なのだろう。

    ここまでくると、水戸黄門と同じで、先が読める決まった展開なのだが、それが安心感につながっているのだろう。伊良部の暴走は周囲を巻き込んでいきハラハラするが、最後は読者もいつのまにか患者と一緒になって、心に抱える問題を解きほぐされて、穏やかな気持ちになれるのだから。

    読む薬といえるかもしれない。

  • 空中ブランコ
    ハリネズミ
    義父のヅラ
    ホットコーナー
    女流作家

    第131回直木賞
    著者:奥田英朗(1959-、岐阜市、小説家)

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『家日和』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』『ヴァラエティ』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。

「2019年 『ヴァラエティ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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