無理 下 (文春文庫 お 38-6)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167711061

感想・レビュー・書評

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  • 真面目に働くことの馬鹿馬鹿しさを知り、自分の地位が脅かされることにおののき、信じていたものには裏切られ……。5人の男女が心の軋みに耐えきれなくなった時、それぞれの人生は猛スピードで崩壊して行く。矛盾だらけのこの国を象徴するかのような地方都市・ゆめのを舞台に、どん詰まり社会の現実を見事に描ききった群像劇。

    奥田英朗らしい終わり方。全てが1つにつながり、しかし、解決はせずに最後は人に想像させる。ただ、全ての人が幸せになるわけではなく、それぞれの人生を反映した終わり方だった。
    上巻でどんでん返しを期待した分、終わりは少し残念だったが、人生そんなに甘くないということだろう。

  • もっとハラハラドキドキするかなぁと思ってたけど、意外とサラッと読み終わってしまったので、少し物足りない…。
    そして最後が強引だなぁ…と、ここも残念!

  • 下巻は一気読みでした。
    登場人物は絡み合わないのだが、それぞれの人生が猛スピードで崩壊していく。最後には一か所で結末を迎えていく!

    以下ネタばれ

    社会福祉事務所に勤める相原友則は、仕事そっちのけで主婦の買春にはまっていく。生活保護を拒まれ、母親を亡くした西田に襲われる。
    加藤裕也は元妻の生活保護を減額され、息子を引き取ることになる。同僚の柴田は向田電気保安センターの社長を殺してしまう。
    市議の山本順一は先輩の元議員の藤原を見殺しにし、やくざの藪田兄弟が市民活動家の坂上郁子を監禁した揚句に殺害する現場に立ち会う。
    監禁された久保史恵はノブヒコに監禁されている。
    沙修会に入信している堀部妙子は私服保安員をクビになり、入院している母親をアパートに引き取るが、車いすを万引きしてしまう。
    すべての登場人物が西田の起こす友則への復讐に巻き込まれ、交通事故に遭ってしまう。

  • 2014/11/3

  • 地方都市、しかも寒い地域という事が余計に心を縮こませる。
    最初は皆、それぞれに何とかやり過ごして生活していたが(詐欺は勿論、無しだけど)、少しづつ歯車が狂い始めて来て、取り返しのつかない事に…
    最後は何だかグチャっとまとめて終わらせた感じ。それぞれがどんな償いをしたかちゃんと知りたかった。

  • 登場人物のそれぞれの物語が交錯していく様子に、地方都市の閉塞感がリアルに重なる。

  • 主人公たちがどうなってしまうのか気になり、一気に読んだ。どう人生が交錯するのかと思っていたが、最後のクライマックスは、ああなるほどね、という感じだった。もう少しドラスティックな展開を期待していたので少し残念。

  • 人間、無理って思ったらそれ以上進めなくなる。やってみると意外とできたりする時と、本当に無理でつまづく時とある。つまづくことを恐れて不安になるのが普通。

    この本の登場人物は、みんな先行きの不安が強くてそれが悪い方に傾いて行く。で、後悔している。その見本市みたいな物語。

    「もう、無理!」って思うのは、思ったようにことが運ばなくて、イライラしている時。この物語全体を覆っている灰色の空気は、その感情が集まってできている。読みながら、何とかこの空気から逃れたいと思うのだが、作者によって封じ込まれてしまう。この雰囲気の作り方は、奥田さん得意だよね。

    人生不安だらけ。それに支配され無いようにしたい。

    最後はちょっと強引かな。後日談も書いてくれないかな。

  • 前半で出てきた普通の人たちがラストで一気にからむ。
    多少強引だけどからむ。
    で、ちょいドタバタ。

    彼らのその後が気になる。。

  • だんだん読むスピードが落ちました。これまで読んだ奥田英朗って、面白かったのに。これは残念。

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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