- Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167711061
感想・レビュー・書評
-
真面目に働くことの馬鹿馬鹿しさを知り、自分の地位が脅かされることにおののき、信じていたものには裏切られ……。5人の男女が心の軋みに耐えきれなくなった時、それぞれの人生は猛スピードで崩壊して行く。矛盾だらけのこの国を象徴するかのような地方都市・ゆめのを舞台に、どん詰まり社会の現実を見事に描ききった群像劇。
奥田英朗らしい終わり方。全てが1つにつながり、しかし、解決はせずに最後は人に想像させる。ただ、全ての人が幸せになるわけではなく、それぞれの人生を反映した終わり方だった。
上巻でどんでん返しを期待した分、終わりは少し残念だったが、人生そんなに甘くないということだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
もっとハラハラドキドキするかなぁと思ってたけど、意外とサラッと読み終わってしまったので、少し物足りない…。
そして最後が強引だなぁ…と、ここも残念! -
2014/11/3
-
地方都市、しかも寒い地域という事が余計に心を縮こませる。
最初は皆、それぞれに何とかやり過ごして生活していたが(詐欺は勿論、無しだけど)、少しづつ歯車が狂い始めて来て、取り返しのつかない事に…
最後は何だかグチャっとまとめて終わらせた感じ。それぞれがどんな償いをしたかちゃんと知りたかった。 -
登場人物のそれぞれの物語が交錯していく様子に、地方都市の閉塞感がリアルに重なる。
-
主人公たちがどうなってしまうのか気になり、一気に読んだ。どう人生が交錯するのかと思っていたが、最後のクライマックスは、ああなるほどね、という感じだった。もう少しドラスティックな展開を期待していたので少し残念。
-
人間、無理って思ったらそれ以上進めなくなる。やってみると意外とできたりする時と、本当に無理でつまづく時とある。つまづくことを恐れて不安になるのが普通。
この本の登場人物は、みんな先行きの不安が強くてそれが悪い方に傾いて行く。で、後悔している。その見本市みたいな物語。
「もう、無理!」って思うのは、思ったようにことが運ばなくて、イライラしている時。この物語全体を覆っている灰色の空気は、その感情が集まってできている。読みながら、何とかこの空気から逃れたいと思うのだが、作者によって封じ込まれてしまう。この雰囲気の作り方は、奥田さん得意だよね。
人生不安だらけ。それに支配され無いようにしたい。
最後はちょっと強引かな。後日談も書いてくれないかな。 -
前半で出てきた普通の人たちがラストで一気にからむ。
多少強引だけどからむ。
で、ちょいドタバタ。
彼らのその後が気になる。。 -
だんだん読むスピードが落ちました。これまで読んだ奥田英朗って、面白かったのに。これは残念。