あした咲く蕾 (文春文庫 し 43-5)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167712051

感想・レビュー・書評

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  • 不思議な雰囲気が全編にただよっています。
    ファンタジーのなかにホラーが入っているかと……。
    普通の物語を書いていて、それとなく。
    えぇぇーー、といった信じられない物語を書き込んでいます。
    恐くなく、楽しく、異次元の世界に少し迷い込んだ気がします。

    読み終って、あとがき(解説と書いています)の宇江佐真理さんの力の入れようにビックリして、読める大きさの字の本があったら読んでみたくなりました。図書館のホームページで「朱川湊人or大活字」と検索しましたら「あした咲く蕾」「花まんま」と「かたみ歌」の三冊が大活字本で発行されていました。次に読む「赤毛のアン」が終わったら。次々に音読で読んでいこうと思っています。

    朱川湊人さんの本を読むのは初めてです。

    【読後】
    音読しやすく、テンポがよく、楽しく読み終りました。読後感は良かったです。「花まんま」と「かたみ歌」を音読で読むのが楽しみです。
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    【音読】
    2022年12月17日から26日まで、音読で朱川湊人さんの「あした咲く蕾」を大活字本で読みました。この大活字本の底本は、2012年3月に文春文庫から発行された「あした咲く蕾」です。本の登録は、文春文庫で行います。埼玉福祉会発行の大活字本は、上下巻の2冊からなっています。
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    あした咲く蕾
    2022.05埼玉福祉会発行。字の大きさは…大活字。
    2022.12.17~26音読で読了。★★★★☆
    あした咲く蕾。雨つぶ通信。カンカン軒怪異譚。空のひと。
    虹とのら犬。湯呑の月。花、散ったあと。の超短編7話。
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  • 昔懐かしい昭和のSFファンタジー7編。全く違う話なのに昭和が舞台の朱川ワールドを堪能!

  • 優しい読了感


  • 変わらないものを描く作家さんだと思う。
    揺るがないものはあるんだよって教えてくれる作家さんだと思う。
    過ぎてしまった時代の中で流れゆく日々の中で。
    「想い」だけは永遠のものだから。

  • カンカン軒怪異譚が好き。

  • ちょうど良いホラー色加減と、人と人との絆を、昭和というエッセンスをまぶして絶妙な仕上がりとなっている。

  • 異論があること大前提、あくまで俺の好みとしてなんだけど、朱川作品にホラーは求めていない。

    夕暮れ時の赤い空、地面には曼殊沙華、泣きながら空を飛ぶカラス、日暮れまで15分とない時間なのに家に帰る道を忘れ迷子…サーカスの子飼いにさらわれそうな不安感

    この程度の怖さがあれば、朱川ワールドは十分に広がってくれるはず。ほんまにTみたいな展開や、誘拐犯がででくる必要はないのだ。
    この作品集は、ホラー感を極力排して、ノスタルジーとファンタジー感をしっかり味合わせてくれるのがよい。「夕暮れ時は寂しそう、とっても一人じゃいられない」こそが朱川小説の真骨頂だと、俺は勝手に思っている。

  • 「ツカサもチィちゃんも、よう覚えときや。この世にはな、死ぬほどのことは何もあらへん。辛いのも苦しいのも、時間がたったら忘れられるもんやで。だから何があっても、自分で命を捨てるようなことをしたらアカンのや。」

    「弘美ちゃん・・・正しいと思ったことをする時は、変にためらっちゃダメだよ。人の命に関わるような時は、なおさらね」

    きっと世の中には、自ら進んでのら犬になった犬はいない。ほんのわずかでも、愛されていること-自分が誰かに必要とされていることが実感できれば、踏み外しかけた道を戻ることもできるのではないかと思う。

  • 昭和ファンタジーホラー。そんな勝手なジャンル分けをしております。どれも昭和ノスタルジア満載で、不思議な幽霊譚ばかりです。怖い話はありません。ほんのり悲しくて明るくて、心のひだにちゅぴちゅぴと温かい液体を垂らして貰っているような心地よさがあります。好きだな〜この作家さん。

  • 少し不思議に包まれた物語でした。
    電車内で読み始めてしまったのですが、
    表題作でおばさんを思う男の子と
    お姉さんの気持ちに重なってしまい、
    半泣我きで我慢するはめになりました。

    美味しい元気のでるチャーハンを食べたいし、
    虹の香りも、嗅いでみたいです。

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著者プロフィール

朱川湊人
昭和38年1月7日生まれ。出版社勤務をへて著述業。平成14年「フクロウ男」でオール読物推理小説新人賞。15年「白い部屋で月の歌を」で日本ホラー小説大賞短編賞。17年大阪の少年を主人公にした短編集「花まんま」で直木賞を受賞。大阪出身。慶大卒。作品はほかに「都市伝説セピア」「さよならの空」「いっぺんさん」など多数。

「2021年 『時間色のリリィ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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