あした咲く蕾 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2012年3月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784167712051

みんなの感想まとめ

不思議な雰囲気が漂う短編集で、ファンタジーとホラーが絶妙に融合しています。各短編は、心温まるストーリーとノスタルジーを感じさせる要素が詰まっており、読者を異次元の世界へと誘います。主人公の視点を通じて...

感想・レビュー・書評

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  • 不思議な雰囲気が全編にただよっています。
    ファンタジーのなかにホラーが入っているかと……。
    普通の物語を書いていて、それとなく。
    えぇぇーー、といった信じられない物語を書き込んでいます。
    恐くなく、楽しく、異次元の世界に少し迷い込んだ気がします。

    読み終って、あとがき(解説と書いています)の宇江佐真理さんの力の入れようにビックリして、読める大きさの字の本があったら読んでみたくなりました。図書館のホームページで「朱川湊人or大活字」と検索しましたら「あした咲く蕾」「花まんま」と「かたみ歌」の三冊が大活字本で発行されていました。次に読む「赤毛のアン」が終わったら。次々に音読で読んでいこうと思っています。

    朱川湊人さんの本を読むのは初めてです。

    【読後】
    音読しやすく、テンポがよく、楽しく読み終りました。読後感は良かったです。「花まんま」と「かたみ歌」を音読で読むのが楽しみです。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    【音読】
    2022年12月17日から26日まで、音読で朱川湊人さんの「あした咲く蕾」を大活字本で読みました。この大活字本の底本は、2012年3月に文春文庫から発行された「あした咲く蕾」です。本の登録は、文春文庫で行います。埼玉福祉会発行の大活字本は、上下巻の2冊からなっています。
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    あした咲く蕾
    2022.05埼玉福祉会発行。字の大きさは…大活字。
    2022.12.17~26音読で読了。★★★★☆
    あした咲く蕾。雨つぶ通信。カンカン軒怪異譚。空のひと。
    虹とのら犬。湯呑の月。花、散ったあと。の超短編7話。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  • 「こういうの、こういうのが小説だよなぁ」

    本を閉じ、思わずそんな言葉が口をついて出た。

    私はこういう小説が、たまらなく大好きだ。

    「そうそう、小説って本来、こんなものだったよな」と、思い出させてもらった。


    昨今、時代を反映した、社会的メッセージ性の込められた小説がウケるけれども、もうそんなのはいいんだよ。

    『なんだか少し頭がよくなったような気がする小説』、そんなのはもうよくて。

    普段の仕事の中で、殺伐とした労働の中で、現実というものをしっかり体感している。私たちはすでに十分すぎるほど「現実」と対峙している。

    時代を切り取った作品を読めば、そりゃ当然「現実」を知ることができる。でも私が小説に求めるのは、「現実」ではなく、「現実逃避」なのだ。作者の紡ぐ豊かな空想の世界に連れて行ってほしい。夢を見させてほしい――ただ、それだけなのだ。


    ノスタルジー、ほんのり漂うホラーの気配、純真な子供の目線、集合住宅の空気感、クオリティの高い短編が紡ぐ、心温まるストーリー……。朱川作品を構成する要素のすべてが、この一冊に凝縮されている。

    ポケットに忍ばせておきたくなるような短編集、私にとってご褒美のような一冊だった。

  • 優しい目線のストーリーだった
    どれも違う話だけど、同じ主人公だと思って読むこともできると思った。

  • 昔懐かしい昭和のSFファンタジー7編。全く違う話なのに昭和が舞台の朱川ワールドを堪能!

  • 優しい読了感

  • カンカン軒怪異譚が好き。

  • ちょうど良いホラー色加減と、人と人との絆を、昭和というエッセンスをまぶして絶妙な仕上がりとなっている。

  • 異論があること大前提、あくまで俺の好みとしてなんだけど、朱川作品にホラーは求めていない。

    夕暮れ時の赤い空、地面には曼殊沙華、泣きながら空を飛ぶカラス、日暮れまで15分とない時間なのに家に帰る道を忘れ迷子…サーカスの子飼いにさらわれそうな不安感

    この程度の怖さがあれば、朱川ワールドは十分に広がってくれるはず。ほんまにTみたいな展開や、誘拐犯がででくる必要はないのだ。
    この作品集は、ホラー感を極力排して、ノスタルジーとファンタジー感をしっかり味合わせてくれるのがよい。「夕暮れ時は寂しそう、とっても一人じゃいられない」こそが朱川小説の真骨頂だと、俺は勝手に思っている。

  • 「ツカサもチィちゃんも、よう覚えときや。この世にはな、死ぬほどのことは何もあらへん。辛いのも苦しいのも、時間がたったら忘れられるもんやで。だから何があっても、自分で命を捨てるようなことをしたらアカンのや。」

    「弘美ちゃん・・・正しいと思ったことをする時は、変にためらっちゃダメだよ。人の命に関わるような時は、なおさらね」

    きっと世の中には、自ら進んでのら犬になった犬はいない。ほんのわずかでも、愛されていること-自分が誰かに必要とされていることが実感できれば、踏み外しかけた道を戻ることもできるのではないかと思う。

  • 昭和ファンタジーホラー。そんな勝手なジャンル分けをしております。どれも昭和ノスタルジア満載で、不思議な幽霊譚ばかりです。怖い話はありません。ほんのり悲しくて明るくて、心のひだにちゅぴちゅぴと温かい液体を垂らして貰っているような心地よさがあります。好きだな〜この作家さん。

  • 少し不思議に包まれた物語でした。
    電車内で読み始めてしまったのですが、
    表題作でおばさんを思う男の子と
    お姉さんの気持ちに重なってしまい、
    半泣我きで我慢するはめになりました。

    美味しい元気のでるチャーハンを食べたいし、
    虹の香りも、嗅いでみたいです。

  • 少し不思議な短編集。どのお話も素敵でした。「雨つぶ通信」雨の日にだけ受信できるみんなの心。母親の恋人の優しさが感じられ、ずるいと思いました。「カンカン軒怪異譚」元気になる鍋で料理を作る。ちょっとコメディ、ちょっといい話。他とは毛色が違う作風。おもしろかったです。「虹とのら犬」イライラしている少年と、ニコニコしている少女。二人の関係がほほえましくて、まぶしい。「湯呑の月」妹に嫉妬し続ける姉と、その娘。一番救いがないけれど、一番好き。姉をうらやましく思っていただろう妹がかわいそうでした。

  • 「花まんま」が面白かったので、朱川湊人をもう一冊読んでみた。これも短編集で、前半は花まんまと同じように少年少女の不思議な物語が二篇続く。この人は子どもたちの話しか書かないのかな?と思いながら読んでいたけど、その後の作品からは大人も登場してくる。

    どの話もなんともノスタルジックで、幼さゆえの悲しさや歯痒さがうまく描かれていて、もの悲しさの中にファンタジーの要素が組み込まれている。そのバランスがとても上手くて、不思議と引き込まれる力があり、読後にも余韻が残る物語ばかりだった。これが朱川湊人の魅力なんだと思う。

    それにしても、幼い頃に両親のどちらかが家を去ったのかな?と考えずにはいられない設定が多くて、読者にそんな推察までさせてしまうんだから、作家というのは業が深いよね。

    作中で何度か「人生の黄金期」という言葉が出てくるんだけど、これはあくまで主人公たちのセリフなのか、それとも朱川湊人自身にもそう思える時期があるのか、そんなことも考えながら読んでいた。俺自身は、あの頃が黄金期だったとはあまり思わない。でも、そういう感覚を持っている人だから、こんな物語が編めるのかもしれないなと思った。面白かった。

  • 2021.8.9 読了

  • どんなに幸せの絶頂にいても、先のことはわからないものだ。
    一瞬で奪われてしまう人の命とは、なんて儚いものなんだろう。
    それでも、幸せな記憶はずっと心に残っていく。
    会ったことがない父親に、公園で会ったとうれしそうに話す娘。
    自分もその場所にいたはずなのに、何も覚えていないことが切なくて哀しくて涙ぐむ母親。
    この世の常識でははかれないことだってある。
    こんな奇跡ならあってもいいじゃないか、と信じたくなってくる。
    幸せに過ごした時間は戻らないけれど、大切に思える人がいた…その思いはきっと消えることはない。
    ちょっと不思議な、だけどとてもあたたかで切ない物語。
    おだやかな物語は、いつだって心を優しい気持ちで満たしてくれる。

  • 心が温かくなるような、ちょっと切ない不思議な話を集めた短編集。ファンタジーではあるけど、このくらいの不思議なら起こるかもしれないと思えるので、仰々しくなく素直に受け取りやすいのかも。雨つぶ通信、カンカン軒怪異譚、花散ったあとが面白かった。でも他の話も面白かった。

  • 全編ハズレ無しの短編集。読後感はとても良く優しい気持ちにさせてくれる。同じ時代背景では無く大阪万博の頃やバブル期等バラバラではあるが特に違和感は無い。『わくらば日記』の様なちょっと不思議な能力を持った人や不幸な生い立ちを持った子、グレて道を外しかけた子、魂持ったフライパンを煽る中華屋のおばちゃん等出てくるキャラもそれぞれ立っていて面白い。別れがテーマなのだが無償の愛情を分けてくれる人と出会う事により再生への1歩を踏み出せる。どれもラストはホロリとくる秀逸な作品ばかり。これはオススメだ。

  • 心があったまるお話し
    こういう作品を読むとホッとします。

  • 63
    素晴らしい。短編がめちゃやっぱいい。オチもいい。うら悲しいけれど、なんか明るい、そんな世界観。

  • カンカン軒の話が個人的には面白かった。ただし、全体通してこれまでの氏の作品と比べると何か物足りなさを感じてしまった。

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著者プロフィール

朱川湊人
昭和38年1月7日生まれ。出版社勤務をへて著述業。平成14年「フクロウ男」でオール読物推理小説新人賞。15年「白い部屋で月の歌を」で日本ホラー小説大賞短編賞。17年大阪の少年を主人公にした短編集「花まんま」で直木賞を受賞。大阪出身。慶大卒。作品はほかに「都市伝説セピア」「さよならの空」「いっぺんさん」など多数。

「2021年 『時間色のリリィ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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