- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167715021
感想・レビュー・書評
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大崎さんの作品は優しさや透明感が特徴かと思います。ただこの作品は私にはピンとこなかった。
憧れの聡明な姉の影響に引きずられすぎて真の自由や解放が自分にとってどういうことか納得するまでに遠回りをしてしまった。
こんな辛い経験をする必要があったのかと思ってしまいました。
学生運動の時代の空気感が分からないので理解するのが難しいのです。学生運動、ましてや内ゲバに一体どれほどの意味があったのか、もし意味と価値のある行動であったのならば今も継続していてもおかしくないのになぜ打ち上げ花火のように消えていったのか。
そのようなことに振り回された主人公が気の毒にしか見えないのです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
学生運動の名残に翻弄される女の子の話。
こういう時代だったのかなと言ってしまえばそれまでだけど
そんな時代だからこその思いがあったのだろうか。
結局は未知の世界なんだけど。
Will you love me tomorrow?
に 心が締めつけられる。 -
本当の優しさを手に入れるために苦悩は続いた・・・
時代に流されず、優しさのために怯えながらも、強さを勝ち取った・・・
読後、何ともいえぬ爽快感とやるせなさが同居した思いになりました。 -
押さえきれない彼らの力。
それは果たして正しい方向に放たれたのでしょうか?
若さゆえ・・・とそんなコトバで片付けられない青春小説。
でも確かに彼らはそこで生きていた。 -
闘争の時代は知らないけど、いろいろと考えさせられる。
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信念を持つことは大事だけど、注意すべきは便乗してくるお祭り連中。
学生運動おそろしや!
直喩がちょいちょいすてきでした。
「ベルマークを集めるように幸せな恋を」 -
学生運動真っ盛りの世代よりほんの少し後に生まれ、その残骸に人生を翻弄される女性の物語。
途中までの悲惨な様子から、いったいどのように落とすのか想像できなかったのですが、予想外の穏やかな結末で安心しました。
大崎氏の作品としては熱帯魚のシリーズの方が好きかな。 -
このときのことを書けるのがあの世代の特権で、それを読めるのがわたしたちの特権。
女性、川、ドメスティック、しあわせな結末。今まで他に読んだ作品とは違う大崎さん。洋子はひとつの型だ。