猪苗代マジック (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2006年11月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784167717032

みんなの感想まとめ

サトルと由加里が福島のスキーリゾートで遭遇する凄惨な連続殺人事件が描かれています。過去の事件と同様の手口を用いる模倣犯を追い、緻密なアリバイや密室の謎に挑むストーリーは、本格ミステリーの醍醐味を存分に...

感想・レビュー・書評

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  • あたしにとっては、初の水乃サトルシリーズ。

    で、1作しか読んでないのにこんなこと言うのはあれですが…このシリーズ、他のシリーズに比べて、登場人物が棒読みじゃない?
    や、本に対して「棒読み」っていうのもヘンだけど。
    台詞のリズムが単調というか、一問一答の台詞が多いというか…。

    推理小説としては、バリバリ本格路線。
    密室トリックも犯人も、解答編(?)を待たずともわかってしまうところが微妙だけれど(てか、ヒントが多すぎる。伏線が伏してないというか…。
    あ、でも、それより何より、探偵役が途中でわかったことをしゃべりすぎ!)、でも、正統派。
    あたしは何事も「王道」とか、「正統派」を好むので、驚きがないわりに、けっこうおもしろかったです。

    唯一気に入らないのは、由加理の存在。
    この人、いらなくない?
    探偵に同行者がいるっていうのはお決まりのパターンだけれど、みんな、それなりに事件の記述役とか、探偵のサポートに徹するとか、犯人に狙われるとか、はたまた、勝手に動いて事件を大きくしちゃうとか…、いろいろな役割を担って登場してる。
    なのに、この人、何もしなさすぎ。
    シリーズをずっと読んでいる人にとっては由加理がいるのが普通になっているのかもしれないけど、でもなぁ…。
    推理小説って、書かれていることに、足りないこともなく、余計なこともなく…っていうのが美しいのだと思うのです。
    すべてが意味をもってクライマックスにつながっている…というか。
    たんなるヒロインだったら、いなくてよくない?

    <警告:ここから先は、まだ本を読んでいない人は読むべからず>

    さて、で、なんだか余計なことをたくさん書いたけど、本題はここからです。
    この本を読んで改めて考えさせられたこと。

    もともと、小説における台詞は、すごくステレオタイプ的に、男性的な、あるいは女性的な話し方をしている、という批判はあるのだけれど、推理小説においてはそれが必要条件の1つになってるかも…って思うのです。
    というのは、推理小説では、性別が犯人を推理するための重要な指針になりえるから。

    この本の叙述トリックだって、そういう前提がなければ成り立たないものなわけで。

    で、改めて考えてみると、推理小説に限らず、小説ってマンガと違って、文字のみでストーリーが進行するから、誰が言った台詞かは、その台詞まわしから判断できる特徴(性別とか、関係性とか)で判断することが、結構多い。
    同時に、台詞から、登場人物像を推測していくことも、やっぱり多い。

    こういう本を読むと、あたしたちは意外に、台詞に踊らされてるんだなぁと実感。(だって、あたしも、3番目の事件が起こるまでは、てっきり、犯人の片方は、副署長だと思ってたもん)

    そして、つくづく、ジェンダーに毒されてるなぁ…と思う今日この頃。

  • 2007/07/09 読了。

    叙述トリックにしてはちとショボイ。

  • 以前は鼻について好きになれなかったサトルのキャラを受け入れられるようになり、サクサク読むことができた。ラストはもう少し後日譚があるほうが好きです。

  • 二階堂氏の本は初めて読んだのですが、最初はなぜか文が読みにくかったです。読んでいくうちに慣れて、長編ですがすらすらとページを捲ることができました。最後意外な人が犯人でこれにはやられました。というか、犯人を言い当ててそれで終わりなので、動機とか犯行に至った経緯とかの描写がまるで無く消化不良です。そもそもその犯人が犯行を肯定も否定もする前に話が終わってしまいます。

  • サトルシリーズらしい王道作品。けれど最後にはやられた!と。
    王道しつつもこのサプライズを入れられての完成度はとても素敵でした。

  • 途中が長く感じた。どこにヒントがあるのやらと目を凝らしてページを捲るにはかなりツライ量である。関係者一同を集めて、謎の解明という古典的なシチュエーションは面白かったし、短く感じるほどであったが、そこに至るまでが結構な苦行。読み終わってみれば実際にヒントがあったので、読み飛ばししなくてよかったと思う。えらそうに書いたがラスト一行まで思いっきり騙されていました。人物描写でミスリーディングする手法は始めて読んだかも。そちらのインパクトが強すぎて、逆に登場するトリックが安っぽく感じてしまったのが悲しい。この作者なら密室と期待が高かっただけに、肩透かしを食った気分になった。

  • 水乃サトル・シリーズ

    10年前に起きた「処刑魔」による連続4の殺人。逮捕された犯人・勅使河原は4件目の警察署長殺害のみを否認したまま処刑される。
    10年後由加里の目の前で起きたホームからの転落死。被害者の身元確認の為に福島に向かった馬田警部補。同じくスキーの為に福島に向かったサトルと由加里。地元の有力者・美濃部の死。現場から逃げた女の謎。残された「処刑魔」の犯行声明文。密室のリゾートマンションで殺害された前市長の謎。

  •  蘭子シリーズとはまた別のシリーズと言うことで、期待半分不安半分で読んだ。

     思ったよりも軽快に話が進んでおもしろかった。もっとコージー的な、蘭子シリーズの対極みたいなものになると思ったのだけど、案外奥の方で似ているところがあって、「ああ、こうくるわけだね」とニヤリとする。
     蘭子シリーズのこてこてソースにくらべれば、あっさりとした味なんだけど、実は素材は同じくらいこだわってる、という感じかな。

     読んだのがスキー場のホテルだったので、なんだか妙な臨場感があってそれもおもしろく感じた理由のひとつだろう。サトルくんがいい味を出している(1世代若い御手洗潔って雰囲気)のもいい。

     ただ全体として、長いわりに「あ、そういうこと…」でおわったしまったきらいがなくはない。雰囲気を考えると痛し痒しなんだけどね。
    2008/3/10

  • 猪苗代の高級スキー・リゾートで凄惨な連続殺人事件が発生した。死体のかたわらには"処刑魔"の署名が入った犯行声明文が。それは十年前の"処刑魔連続殺人事件"と同じ手口だったが、"処刑魔"はすでに逮捕され、死刑に処せられていた。狡猾な模倣犯を追い、鉄壁のアリバイと密室殺人の謎に挑む水乃サトル。

  • 新規購入ではなく、積読状態のもの。
    2010/9/4~9/7

    1年半ぶりの二階堂作品。
    10年の時を超え猪苗代の高級リゾートを舞台に繰り広げられる連続殺人。旅行者に勤める水乃サトルは新しいツアー先として猪苗代を訪れる。いっちょかみのサトルはこの連続殺人に挑む。

     このサトルシリーズは二階堂氏としては気楽に書いている感じ。蘭子シリーズの重厚さはないものの、トリックというか本格テイストはあふれている。が、今作の最後は、う~~ん、という感じ。

  • 久々に本格。
    いや〜、こういうの久しぶり。
    フーダニットではまんまとだまされ。まだまだだな私・・・

  • シリーズ買い。ミステリ系の作家ではTOP10に入るくらい好きな作家。今回のは意表突かれた( ´д`)

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著者プロフィール

1959年7月19日、東京都生まれ。中央大学理工学部卒業。在学中は「手塚治虫ファンクラブ」会長を務める。1990年に第一回鮎川哲也賞で「吸血の家」が佳作入選。92年に書下ろし長編『地獄の奇術師』を講談社より上梓し、作家デビューを果たす。江戸川乱歩やJ・D・カー、横溝正史の作品を現代に再現したような作風は推理界の注目を大いに集め、全四部作の大長編『人狼城の恐怖』(1996〜99年。講談社ノベルス)では「1999年版本格ミステリ・ベスト10」第一位を獲得。アンソロジー編纂や新進作家の育成にも力を注ぎ、2000年代は合作ミステリの企画も多数行った。SFの分野にも精通し、『宇宙捜査艦《ギガンテス》』(2002年。徳間デュアル文庫)や『アイアン・レディ』(2015年。原書房)などの著書がある。近年は手塚治虫研究者として傑作選編纂や評伝「僕らが愛した手塚治虫」シリーズの刊行に力を入れている。

「2022年 『【完全版】悪霊の館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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