指輪をはめたい (文春文庫 い 55-3)

著者 :
  • 文藝春秋
2.82
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本棚登録 : 527
感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167717100

作品紹介・あらすじ

前の彼女に振られてから、30歳になるまでに結婚して見返してやるのだと誓っていた僕。指輪も買った。誕生日も近い。しかし、転んで頭を打ち、いったい誰にプロポーズしようとしていたのか肝心の記憶だけを失ってしまう。僕の本当の相手は誰?大人になりきれない29歳・オトコの結婚観をチクリと描きだす。

感想・レビュー・書評

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  • この作品はたぶん作者の代表作にはならないだろうし、もしかしたらあまり版を重ねることもないのかもしれない(ブクログの評価も3未満だし)。
    それでも何故か好きだという印象だけが強く残った(ちなみにその理由はよく解らない(笑))。

  • 同棲していた前の彼女に振られてから、30歳になるまでに結婚して見返してやると誓っていた輝彦。
    そして30歳の誕生日を目前にして、三股をかけていた今の彼女たちの中からプロポーズする相手を決めて指輪も用意したはずが、スケート中に転んで頭を打ち、どの彼女にプロポーズしようとしていたのかを忘れてしまう。
    その相手とは一体?探る日々が始まる。

    男から見た女という生き物の面倒臭さ、そして結婚に対するリアルな感情。が、滲み出ていて苦笑い。
    主人公の輝彦も言ってしまえばサイテーなわけなのだけど、なぜか憎めないところもある。
    逃げ腰で、逃げてる自分を正当化する理由を常に探しているようなところは、いかにも現代風なのかも。

    物語がリアルなまま進んでいくかと思ったら、いつの間にかファンタジーになっていて、結局このラストは…?というまま終わってしまったところは少し消化不良。
    想像力は鍛えられるけれど、何となくでも答えが欲しい気持ちもある。
    結局はなくしたものに対する未練にはっきりと気づいた、ということなのか。

  • 2018/09/07読了


    うーーん

    主人公の視点や性差があるから、なんともいえないけど
    三股してる(ここから私の中ではもうナシ)男が持っていた指輪と
    失った記憶。
    結婚の動機は、元カノへの未練と復讐からきたものだから更に救いがない。
    結局のところ、一度心に決めた相手は誰だったのか



    私の考えとしては元カノと思うんだが、どうだろう
    エミの存在とは何だったのかも考えてしまうが
    デジャヴとかスケートリンクとか、ファンタジーにふり切れていないところとか、結局
    あれは伏線なの?何なの?っていうのがとても多く、モニョモニョした読了感になってしまった。

  • 結末があやふやだったが、大体予想通りの結果だった。

  • 僕は一体誰に指輪を渡すつもりだったんだろう?なんてとぼけた単純なミステリーは、終わりに近づくに連れて答えではなく、途方もなく広がる不安に変わる。とある少女は行き場がわからない男たちに、鎮魂歌を捧げてるようだ。結婚?なんじゃらほい、そんな特に大事なものが無い僕らのための小説。

  • あまりにも鈍臭い…文章では面白さが伝わらなかった
    映像にしたら少し分かりやすくなるかもしれない
    主人公が混乱しているようにこちらも混乱している

  • 3又男と少し変わったその彼女達の、ひたすら自己中心的な物語。
    グシャグシャになった人間関係の末に、彼が見つけたものとは・・・

    いや、まぁ。その・・・
    男ってやっぱり精神的な成長が遅いんでしょうか、ね?

  • 「いつまでも少年の心を忘れない人ってステキー」なんて言うのはあくまでも付き合ってる時だけの話で、結婚してもいつまでも少年の心を忘れないなんて、正直ムカつくー。って思ってるは私だけじゃないはず(よね?)

    男女の恋愛観や結婚観の違いって多分きっと永遠のテーマ的に語られることだと思うのだけれど、両者の考え方が交わるのってそれこそ永遠にないのかも。というのを改めて思ったりして。

    大事なのは価値観が同じということではなくて、違う価値観を認め合うということなのね。きっと。

    テルくんの優柔不断さにイライラしたりしたけど、氷河期のまま凍ってしまってる男の人って意外と多いのかも。なんて思いながら読んだ一冊でした。

  • ただのくず(あくまで、主人公が)。
    ストーリーは面白かったです。

  • 2018年3月10日読了。
    2018年59冊目。

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著者プロフィール

いとう・たかみ
1971年兵庫県生まれ。1995年、早稲田大学在学中に「助手席にて、グルグル・ダンスを踊って」で第32回文藝賞を受賞し作家デビュー。2000年『ミカ!』で、小学館児童出版文化賞、’06年『ぎぶそん』で坪田譲治文学賞受賞、「八月の路上に捨てる」で芥川賞受賞。主な作品に『ドライブイン蒲生』『誰かと暮らすということ』『 そのころ、白旗アパートでは』『秋田さんの卵』『ゆずこの形見』『あなたの空洞』など。

「2016年 『歌姫メイの秘密』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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