ニューヨークのとけない魔法 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167717223

作品紹介・あらすじ

世界一お節介で、おしゃべりで、図々しくて。でも、泣きたくなるほど、温かい。ベストセラー「ニューヨークの魔法」シリーズ、これが第1弾! 東京と同じ孤独な大都会なのに、ニューヨークは人と人の心が触れ合う瞬間に満ちている。みんな切なくて人恋しくて、でもほっこりするユーモアを忘れない。息苦しい毎日に心が固くなっていたら、ニューヨークの魔法にかかってみませんか。【NYの魔法シリーズ】人とのささやかな触れ合いを、ニューヨークを舞台に描く――。NYの小粋な言葉があふれる魔法の本たち。どの話にも、簡単なのに心に響く英語のフレーズが入っている。どの本から読んでも、胸を打つ!「売れてる本」(朝日新聞)、「ポケットに1冊」(読売新聞)など人気書評コラムで取り上げられた話題のシリーズ。第1弾『ニューヨークのとけない魔法』第2弾『ニューヨークの魔法は続く』第3弾『ニューヨークの魔法のことば』第4弾『ニューヨークの魔法のさんぽ』第5弾『ニューヨークの魔法のじかん』第6弾『ニューヨークの魔法をさがして』【シリーズ読者の声】「人に疲れているのに、人と話したくなる不思議な本!」「心のしこりが溶け、気がついたら涙がぽろぽろこぼれていた」「英語きらい。NY興味なし。その私が全シリーズ読破した」「いつもこの本に戻ってきたくなる。心が落ち着く、まさに魔法の本!」「アメリカには一度も行ったことがないし、正直、あんまり好きな国でもない。そんな私がひょんなことから、この本を手に取ることになりました。ところが、途中からぐいぐい引き込まれ、気づいたときには、自分でも不思議なほど切なく胸苦しい、懐かしい感情に包まれていました。エッセイですが、短篇小説のような余韻が残るお勧めの一冊です」【書評「売れてる本」朝日新聞】帰宅した著者の夫が、うれしそうに話す。バス停で疲れた様子の女性と言葉を交わしたら、後で彼女が声をかけてきた。「You made my day.」(おかげで、いい日になったわ。) 人とのささやかな触れ合いを、ニューヨークを舞台に描く本書。エッセイではあるが、極上の掌編のようないい話がつまっている。NYに長年暮らした著者が、小粋な英語表現を紹介しながらつづった。単行本は他の版元から刊行されていたが、「読んでみて、自分でも驚くほど、忘れていた甘酸っぱい感情がパーッとわき上がってきました。それでぜひ文庫化したいと、お願いに行きました」と文庫担当編集者の池延朋子さん。大きな仕掛けをしたわけではない。本書を気に入った書店員が独自にPOP(ポップ) を立て、目立つ棚に並べてきた結果、コンスタントに売れてきた。部数が伸びるのを見て「心のどこかに寂しい思いを抱えている人は意外と多いのでは、と著者と話していたんです」と池延さん。読者は20~50代の女性がメーンだが、男性も多い。若い人のブログには「この本を読んで、自分も昨日、知らない人に声をかけてみました」といった報告も。外国生活を記した本は、海外を礼賛し日本を批判する内容になることもあるが、著者はあくまでも公正。腹立たしい体験も率直に語り、恵まれない人々に偽善的な目を向けることもない。「泣けた」という声も多いが、決して安易に涙腺を刺激するわけではない。それでも人の心をほぐす力を持つということは、著者の中にある優しさやフェアな思いが、さりげなく全編に溶け込んでいるからだろう。(瀧井朝世 ライター)【書評「ポケットに1冊」読売新聞】ニューヨークに行ったことはないが、このエッセー集を読み、あの大都会の風に身をさらしたくなった。本に出てくる小粋な英語を知り、言葉の魔法を感じた。メトロポリタン・オペラハウスの立見席で、最前列に並ぶ背の高い若い男性が、3列目の中年の女性に場所を替わってあげるのを著者は目撃した。女の人がお礼を言うと、彼は答える。My pleasure. (それは僕の喜びです)。どうです、すてきでしょ。1985年からニューヨークに住み始め、日本と行き来しながらノンフィクションを書く著者が夫から聞いた話も、都会の孤独な風で乾いた人の心を温かくする。いつまでたっても来ないバスを待つ間、夫と身の上話を交わした黒人女性は、別れ際にこう語りかける。You made my day. (おかげで、いい日になりました)ニューヨークにはなんでもある。深い孤独、かなしみもあるが、心が奇跡のように触れ合う瞬間もある。一期一会を大切にする岡田さんが見つけた光景と言葉は、ささやかだけど、いや、ささやかであるがゆえに心にしみる。ちいさい春、みーつけた。(飼)【書評「いい本に出会う」がんサポート】 カミさんが読んでいた本書を、わきから盗み読みした。一話を読むなり、筆者の描くNYの魅力にからめとられていた。そしてついには、自分でも一冊買い求めた…(中略)…筆者の描写は、ひとにも風景にもやさしい。筆者が自己主張をしないがゆえに、やさしさが際立って香り立つのだ。

感想・レビュー・書評

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  • 気持ちよく読めるものを、と思ってめくっていたら最後まで読んでしまいました。再読です。

    人種のるつぼといわれるように、いろいろな人が登場します。
    違うな、と思うのはやっぱりお国柄でしょう。
    人懐っこく、話しかけてくる土壌がありますね。
    (逆に、エレベータで会って「ハロー」くらい交わさないと危険だと思われてしまうのかもしれないですが)

    気持ちにもゆとりがあった時代なのかもしれません。
    どんどん便利になっていく中で、人々はゆとりを失いつつあるのではないでしょうか。

    知らない人から話しかけられたら、今の日本ならまず身構えるし、最悪不審者扱いされるかもしれないですしね。ニューヨークでは、みんなおしゃべりしたくてうずうずしている様です。ちょっとおかしい(ほほえましい)。

    便利になったのに、どんどん時間が無くなって追い詰められている・・・どうしてなのかわからないですが、もっとゆとりをもって優しく暮らしたい、そう思わせてくれるエッセイです。

  • 高校の時に読んだ本
    ニューヨークでの日常を舞台にとてもほんわかするお話。
    読んでいてちょっと笑えたり、泣けたりする、
    コーヒーを飲みながら休日に読みたいお話。

    疲れた時に読むと元気になれる処方箋のような本。

  • 1〜2ページのショートエッセイが150以上詰まった1冊。アメリカに住む人の最高なところ=誰にでも話しかけちゃう人懐っこいところ、がうまく表現されている。私も別の州に住んでおり、さすがに作中のような濃度の濃い交流ばかりあるわけではないものの、似たような会話はままあった。ああ、あるある、と楽しんで読めた。

    「あなたの服、とっても素敵。どこで買ったの?」「そのアイメイクいいね」「このソース私も買った。アイスクリームにかけるとめっちゃおいしいよ」
    とか、見知らぬ人や店員さんに話しかけられることを楽しいと思えるタイプの人はこの本を面白いと思えるだろうし、いやそんなん普通に怖いわと思うタイプの人は読んでてもピンとこない気がする。

  • 同じ大都会でも、ニューヨークには知らない人同士で、こんなにこころあたたかくなるエピソードがあるなんて。ニューヨークに行きたくなる一冊。

  • 仕事でニューヨークの近郊を訪れたあとにこの本を読みました。オフの1日セントラルパークからメトロポリタン美術館を散策し雰囲気を満喫。帰国して本書を読み、再度風景と人々の会話に納得。大都会の中の何気ない会話に良いなあ、良い読後感です。

    Do me a favor. お願いがあるの。
    I'm just keeping an eye on it. 見張っているだけなの。

  • 中高学生の時、
    なんとなくの憧れで買ってみました。

    日本とは違うニューヨークの
    生活が垣間見えて新鮮だったのを覚えています。

  • She made my day

  • アメリカ自体、行ったことがないんだけど、ニューヨークはやっぱり、不思議で、楽しくて、一見冷たい印象があるのに、実は弱者や動物にも優しくて、世界で一番、色々な国の人が集まっている場所だね。

    見習いたいこともあり、それはどうかなーと思うこともあった。
    見習いたいのは、もっと気さくに話しかけることと、ジョークを交えた会話。

    本当は、知らない人ともっと話してもいいんじゃないか。と思うこともあるんだけど、時々しかできないな。
    お年寄りは意外と知らない人でも、お話ししてくれるけどね。

  • 6年前にニューヨークに10日間観光で行ったことあるけど、またこれ読んでから行ったら違う世界が見える気がする。またニューヨーク行きたいなあ。

  • オシャレで暖かくて、凛としたエッセイ。
    ニューヨークに行きたいと思っていた時に、こういう本に出会える幸せ。
    こんな生き方も素敵だなと思える一冊。

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著者プロフィール

作家、エッセイスト。
読売新聞アメリカ現地紙記者を経て、現職。高校、大学、大学院で各々米留学。85年からニューヨークに住む。現在は、東京とニューヨークを行き来しながら執筆を続ける。
著書に、『ニューヨークのとけない魔法』をはじめとする「ニューヨークの魔法」シリーズ(全9冊、文春文庫)、『泣きたくなるほど愛おしい ニューヨークの魔法のはなし』(清流出版)、『奥さまはニューヨーカー』シリーズ(全5巻、幻冬舎文庫)、『アメリカの家族』『ニューヨーク日本人教育事情』(ともに岩波新書)などがある。

「2022年 『ニューヨークが教えてくれた"私だけ“の英語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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