クワイエットルームにようこそ (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2007年8月3日発売)
3.55
  • (140)
  • (287)
  • (409)
  • (44)
  • (15)
本棚登録 : 2030
感想 : 306
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (160ページ) / ISBN・EAN: 9784167717384

みんなの感想まとめ

精神病院の閉鎖病棟での二週間を描いたこの物語は、主人公・佐倉明日香の過去と向き合う姿を通じて、心の闇や人間関係の複雑さを浮き彫りにします。物語は、昏睡から目覚めた主人公が、さまざまな患者や看護師との交...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • R4.3.1 読了。

     精神科病院の女性閉鎖病棟に大量服薬で運び込まれた明日香。その明日香の入院から退院までに出会った摂食障害の患者たち、看護師との交流などをどこかコミカルに描いた映画を先に見た。看護師江口役のりょうさんがすごくかっこよかったのを覚えています。あと、患者西野さん役が大竹しのぶさんだった。こちらも引き込まれるぐらいの演技力でした。
     この小説で映像では読み取れない主人公の心情が細かく表現されていて、主人公の悲しみや苦しみもよく分かった。
     最後まで急患のストレッチャーに乗せられていたのが知り合いかもって精神科らしい表現で終わっているところも良い演出でした。つくづく思い出に残る良い作品だと思います。
     解説の枡野浩一さんの文中の●●に何が入るのか気になりますね。

    • きたごやたろうさん
      「いいね」ありがとうございます。

      松尾さん、いいですよねー。
      まだ本という媒体では未体験なので、読んでみたいです♪
      「いいね」ありがとうございます。

      松尾さん、いいですよねー。
      まだ本という媒体では未体験なので、読んでみたいです♪
      2025/06/29
  • クワイエットルーム。
    わたしにも、こんなふうに悩んだ時代もあったなって。
    苦しかった学生時代に読んで、映画もみて、今また読み返して心の奥に残るもの。
    わたしの生きてきた証の傷たち。
    映画もまた見返したいな。

  • 文章や言い回しがすごくおもしろかった。
    精神病院の話なのに、なんだかほのぼのする。
    でも、最後は悲しかったな。

  • 精神科の病院って、こんなんや

  • 読み返した。映画のインパクトとともに忘れられない。昔読んだ時とはまた違う、自分の人生との重なり方をした。

  • ■書名

    書名:クワイエットルームにようこそ
    著者:松尾 スズキ

    ■概要

    恋人との別れ話から、薬を過剰摂取してしまった明日香は、意識を
    失っているうちに精神病院の閉鎖病棟に強制入院させられてしまう。
    わたしは「正常」なの、それとも「異常」なの? 逃げ場のない閉
    鎖空間を舞台に、くりひろげられる葛藤の世界。冒頭の衝撃的なシ
    ーンに始まり、不運に不運を重ねていく明日香は、果たして絶望の
    淵に落ちてゆくのか。それとも……。

    文芸誌『文學界』2005年7月号に一挙掲載され、第134回芥川賞
    候補にもノミネートされた話題作!
    演出家、映画監督、俳優、作家と多ジャンルで刺激的な試みを続け
    る松尾スズキが贈る「絶望と再生の物語」。
    (From amazon)

    ■感想

    時間つぶしに購入し、読んだ作品です。
    題名は、何となく聞いたことあったんですけど、読むのは初めて
    でした。

    非常に短い物語で、軽いタッチで精神病棟での2週間の生活が描か
    れています。

    面白いし怖いのは、病院というのは精神病棟でなくても同じで、
    普通の人が「怒る」のと、入院患者が「怒る」のでは、大分見る目
    が違うという事です。
    これは、まぎれもない事実です。
    やはり、病人は、そこで働いている人間(看護師、医者など)には、
    下に見られますので、何か少しでもおかしなことをやらかすと、話
    も聴かずに勝手に悪者にされます。
    だから、看護師が患者に何かしらの悪さをしても、表に出てこない
    のが大半だと思います。(最近は、少しニュースにはなりますけど、
    あれも氷山の一角に過ぎないでしょうね。特に精神病棟なんて、
    看護師、医者の遣りたい放題でしょう。)

    この小説では、こういう場面を結構描いていて、病人の正当性に軍配
    が上がるようになっています。
    ある意味、勧善懲悪の小説です。
    自分は正常と思いながら、異常の中で暮らしていくストレスが、軽い
    タッチで分かりやすく描かれています。


    読みやすいので時間つぶしには持ってこいですが、それ以上のものは
    無いかもしれません。

  • 老人ホームのようなあの独特な臭いの中、表情のない患者がふら〜りふら〜りと歩き回り、でも時間がとまっているような閉鎖病棟。
    私には見えないものが見えたり聞こえたりする人も、同じ所をぐるぐる回ってる人も、私とたいして変わらない。私が閉鎖病棟に入院したとしてもそんなに驚くことではない。
    ...と実習中に感じたことを思い出した。

    正常(と本人は思っている)な主人公が、閉鎖病棟というある種特殊な場所にいる人々に会って、私はここにいる人間じゃないって退院したがる話。

    松尾スズキはこの本で何が伝えたかったのかなあ。

  • 自分語りとは、なんて信用ならないのか。
    思い込みや理想は事実を歪ませる。
    重い内容だが、口調が軽いのですごく読みやすい。

  • 映画を観た後で買って読んだものを数年ぶりに再読。ODならこういう入院の仕方はしないんじゃないかと思うけれどそこ以外は、ちょっとメンタルが弱った経験がある人が読めばグサグサ突き刺さって痛いのでは。
    126〜127ページ辺りの「冗談の国にいても罪悪感感じちゃうし、書きたいこと書ける環境まで手に入れたのに、実は書きたいこともないし……」というモノローグが私にとっては一番痛いポイント。つまらない国でつまらない生き方しかできないんだよなぁ私は、という。

  • 短いのであっという間に読めました。精神病棟という狭い世界だけで人間のすべてが表されていました。

  • (笑)
    読み始め、意味がわからなすぎて度肝を抜かされました。
    そして読み進めていくうちに、主人公?の女性のキャラクターに引き込まれました。
    考え方が面白すぎる(^◇^;)
    著者の松尾スズキさんという方は脚本家なのですね?そう言われると、舞台脚本的なお話だと思いました。
    意外性やおぉーと思わせる所を考えると評価4って感じですが、そこまでみんなにオススメする気にもなれないので一応3と評価致しました。

  • おーもーしーろーいー!こういう本、スキ。あっち側とこっち側のギリギリの境界線。悲しくて笑うしかない現実。現実の中にある非現実。自分の中にある正常と他人から見た異常。松尾スズキにグイグイ引き込まれた。冒頭部分は大の苦手だったけど、好きな分野の本デシタ。

  • 松尾スズキが得意とする登場人物の可笑しみと哀しみを描くには最高のシュチュエーション。そして病棟内にいる切なくも愛おしい入院患者たち。そんな人たちの中で今までの自分を見つめ直す時間を図らずも与えられた主人公のお話。

  • 2回目の読了。数年前に初めて読んだ時も良かったのですが、今回も良かった。松尾スズキさんは、とても優しい方なんだと、他の作品読んでいても感じられるのですが、この作品も、内容はまさにブッ飛んだ内容なのに、優しみが通底していると感じ取ることができます。


  • はじめから衝撃的に狂っていてびっくり笑
    語り口調はコミカルだけど、描かれているのは精神病党のすこし変わった人たちっていうシリアスな内容。
    自分は間違えて入っただけ、すぐに出られるって信じながらも次第に受け入れて最後には前に進める。
    ちょっと奇妙だけど成長した入院生活の話。

  • 全ての悲劇は突き詰めると喜劇になる。けれどそれが救いであるとは限らない。

  • 松尾スズキさんは初読み。女性かと思うほどに主人公はじめ登場する女性達の言動とか心理描写がリアルでした。語り口調がコミカルなので重く感じられないけど冷静に読むと十二分に重い。心と体を病んだ人々の集まりである精神病棟の人間模様。凄い修羅場を見てしまった。でも救いがあるところが良い。

  • はじめは精神病院や精神病棟、精神病患者に対する偏見や思い込み、間違った理解を助長するような作品かなと勘違いしていたけれど、読み進めば進むほどにそれこそがこの作品に対する私の偏見や思い込み、間違った理解だと思い知らされた。自信を持ってお勧めできる素晴らしい作品。

  • とりあえず「クワイエットルーム?」ってところから。静かな部屋?静かにしなきゃならない部屋?音を出したものに罰則とか?みたいに、あれこれ思いを巡らせつつ、とても薄い文庫本に着手。なるほど。精神科病棟の中でも特別な一室っていう位置づけでしたか。そんな病棟の中でのドタバタ喜劇が描かれているけど、主人公は、たまたま発作的にODしてしまった女性。一歩離れたところで、”自分はここの連中とは違う”と向こうを張りながら、でも結局同じ穴の狢的な醜態も晒しつつ、物語は進む。短い中編ながら、登場人物はとても個性的で(舞台設定上、当たり前かも)、もっと見ていたい気持ちにさせられる。サクッと楽しめる、でも味わい深い、そんな物語でした。

  • 日々のストレスを感じ、精神安定剤を大量摂取して閉鎖病棟に入院することになり、そこで様々な悩みを抱えた人物たちと出会うことになる。
    描写がとてもリアリティがあり、のめり込んでしまった。私自身、精神を患っていた時期もあり、共感する部分も持てる。
    主人公が最後に退院する時に、患者から電話番号やEメールアドレスを書いたものを渡されるが、最終的には捨ててしまう。それは切り離さなくてはいけない関係だから。何においても、切り離したくなくても、後の為に離さなくてはいけないものが生涯の中で出てくるのだろう。

全261件中 1 - 20件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

作家・演出家・俳優

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

松尾スズキの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×