- Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167717469
感想・レビュー・書評
-
どの短編も男と男の恋愛が素地になっている。「あづなひ」という言葉がでる『花のもとにて』がよかった。見つめ返してくる一枚の絵のような、または他人の夢に忍び込んでしまったような、静かで甘美な作品群。
「ボーイズラブ」という言葉があるが、『日本書紀』の昔から、男と男の恋愛の空想に耽けることがある。しかしこの短編集はどれも閨房を覗き見するようなやましさはなく、神話中の神々の戯れのごとく抽象的でノーブル。さらに恋愛の始まりが黄泉の国への入口でもある物語が目立った。エロスとタナトス。 -
生と死、異界や時間も混ざり合う不思議な世界でした。
BL色は強いけど、少年や青年の造形は変わらず長野作品です。
蓋付きの御飯茶碗が欲しくなったりしました。 -
長野まゆみさんの作品の中でもかなり好きです。一つ一つのお話が面白い。長野まゆみさんの本を読んだことがない人にもおすすめしたい
-
同性を好きになる男の人と、狐狸に化かされるような不思議がたくさん出てくる短編集。
最初は、合わないかも・・・と感じたけど、読んでいるうちに「注文の多い料理店」とか「遠野物語」のように、ふわふわとした感覚を楽しみにするようになりました。 -
少しはっとさせられたり、くすっと笑えたり、不思議だったり…ちょっとした「面白さ」が一編一編に詰まっていてすごく好き。本当に、どれも良かった。花のもとにてには少し涙腺を刺激された。
-
突然のホモ展開にビビる
-
14の短編集。
冒頭から2話が世にも奇妙な物語的な展開なので、そういうくくりかと思えば、ごくふつうの日常を描いたものも何編かあった。
どれも粒ぞろいである。
短い話だからこそ続きが読みたくなる。
とても意味深で、想像力の広がる話を書く人だなあとしみじみした。
才気をひけらかすでない品と知性のある文章の上に、
物語に風情があることは秀逸なタイトルからも察知される、
『よろづ春夏冬<あきない>』。 -
言葉から色気が匂い立ちます。読み終わった後はほわーっと顔が火照りました。
ご自分だけのことばをもつ、センスの良い文章を、書かれるのですね。
リンネさんの、レビュー、好きです。 りまの
ご自分だけのことばをもつ、センスの良い文章を、書かれるのですね。
リンネさんの、レビュー、好きです。 りまの