新選組藤堂平助 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2007年11月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (544ページ) / ISBN・EAN: 9784167717506

感想・レビュー・書評

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  • 新撰組の小説はいくつも読んだけど、中でも特に悲しいお話し。新撰組は好きでよく読むんだけど、やっぱり近藤、土方はあまり好きになれない。
    この話でも、近藤が伊東を連れてこなければ、こんな結果にならなかったのにと逆怨みしてしまう。
    ただ、幕末という異常な時代の精神を現代人が理解できるはずもないとも思う。

    色々読んだ結果、伊東甲子太郎、斎藤一、藤堂平助、吉村貫一郎が私の推しです。

  • もう何度目になるのか思い出せないほど何度も読み直して、それでもまだ最初に読んだ時の「時代さえ違えば」というあの気持ちが褪せない。
    藤堂平助という人物に初めて興味を持った本であり、この6年間、別格の存在としてずっと胸の内に居座り続けている作品。
    歴史観が確定したのも、思い返せばこの本がきっかけだった。
    実際どうしようもない時代という奔流の中で、いかに生きるべきか。
    それを常に問われている気がする。

  • 裏切り者として書かれる事が多いけど、ほんまに裏切り者なんやろか。
    新撰組が『正義』で、他は『悪』な訳ないなぁと思った。
    あの時代に、教養があり少し広い目で日本を捉えられたら『倒幕』を目指そうとするんやろか。
    龍馬はあの時代に、日本じゃなくて『世界』を見れたんやなぁと思ったらやっぱ凄いんやなぁと思った。
    この時代の本を読めば読むほど、みんなの人生を狂わせまくってたんやろなぁと感じた。
    天狗党の事、何も知らなすぎたわ。次は天狗党について読まねば!!

  • 新撰組といえば、近藤や土方、沖田などがすぐに思い浮かぶが
    『藤堂平助』を主人公に扱った作品が珍しかったので今回手に
    取ってみた。

    本書は非常に読みやすく、幕末を一瞬にして駆け去っていった
    平助が、どんな心情でもって新撰組を裏切らざるおえなかった
    のか、その苦悩を交えながら、切なく書き上げられていた。
    平助の死後、斉藤を通じて土方に手渡された橘の実が、平助の
    心の内を静かに物語り、土方の手の中でゆれる姿が余りに
    哀しかった。

  • <作品紹介>
    文久元(1861)年、伊勢・藤堂家の御落胤との噂がある藤堂平助は、ふとしたきっかけで土方歳三と知り合い、天然理心流の試衛館の食客となる。北辰一刀流を使う平助は、ある時、同門の清河八郎から、浪士隊の話を聞き、近藤勇らとともに同道し入京する―。新選組の中にあって異色の剣士の短い半生を描く長篇小説。

    <感想>
    近藤、土方、沖田、永倉、新撰組では一般的にはこのあたりが有名で、藤堂平助はその後に続く、斎藤、原田、山南あたりと並列で有名どころである、という感覚である。逆にそのあたりの人物をどう描くか興味があり読んでみた。
    新撰組の人物の一人を取り上げた作品にしては、時代は背景や、同時期に発生している出来事をうまく説明しており、新撰組の関連小説を初めて読む人でもよくわかるのではないだろうか。もっとも、新撰組を知らずして藤堂平助の関連作品を手に取る人も少なくないと思うが・・・
    また、藤堂平助は新撰組の後半、なぜ伊東甲子太郎と行動を共にするのかといった理由を、時代に翻弄される平助の運命としてうまく描かれている。
    「壬生義士伝」ほどのインパクトはないが、そういった意味で読みごたえがあったので、評価は★5つです。

  • こちらでの評価が良かったこともあり購入。
    平助がとにかく可愛いです!あと、自分を拾ってくれた土方との絆、新撰組を抜けるときの心の葛藤だとかが細やかに描かれていてとても良かったです!
    結構分厚い本なのですが一気に読んじゃいました。
    文章も綺麗で良かったです。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「心の葛藤だとかが細やかに描かれていて」
      作家さんが一番想像力を掻き立てられる部分ですね。
      何となく「歳三 往きてまた」と「総司 炎の如く」...
      「心の葛藤だとかが細やかに描かれていて」
      作家さんが一番想像力を掻き立てられる部分ですね。
      何となく「歳三 往きてまた」と「総司 炎の如く」を買って積んであります。この2冊を読んだら、引き続き読んでみようかな?
      2012/10/17
  • 幕末、千葉道場出身者は、維新の荒波のなか、目を見張る活躍をする。それは、江戸にあり、諸藩から様々な情報を得て、時代の動きに敏感であったからであろう。
    清河八郎、山岡鉄舟、山南敬助、藤堂平助、そして坂本龍馬など。彼らが敵味方に分かれていようと、将来を考え、暗に協力したことは、想像に難くない。
    農民出身で盲目的に徳川贔屓の近藤、土方とは明らかに一線を画していた。
    幕末をなやみながら、悪者になりきれず、必死に生き抜いた藤堂平助を愛さずにはいられない。

  • 名前を知らなかった新撰組藤堂平助の物語。やはりBL臭がそこはかとなくするが男ばかりの新撰組のような物語に合ってはいた。好きか嫌いかはともかく。新撰組ハマりそう。

  • 後半は胸が締め付けられた。自分の運命を悟った藤堂と新選組初期の同志との会話が切ない。読み進めていくのが怖かった。。。魁先生が好きと再確認できる一冊。

  • この本のレビューでBL色とよく目にしますが、たいしたものではありませんでしたよ。歴史的な流れも書かれているのでわかりやすいし、秋山さんの文章はやっぱり読みやすいです。「歳三往きてまた」を読み返すとまた深く頷けるものがあります。

  • 大名のご落胤でありながら幸薄い幼少期を過ごした若い剣士、藤堂平助。土方歳三との運命的な出会いを機に、江戸から京へ、新撰組の組織へ組み込まれ、そして時代の奔流に巻き込まれていく。

    今まで読んだ司馬遼太郎、木内昇作品の藤堂平助と、性格がずいぶん違うので、どっちが本当に近いのかな?って混乱した。私の中では、新撰組など、実在した人の物語の場合、常に「真実に近い像」を求める癖がある。

    藤堂平助が試衛館に入ったきっかけは、はっきり書かれているのを見たことが無かったので、本当に土方が連れてきたのなら、この作品の藤堂もありかな?と思う。清川八郎と、元々知り合いだったのか?そもそも試衛館に入る前、何をしていたのか?

    実像と近いかどうかということを棚に上げれば、藤堂と土方との関係、土方と山南との関係など、今まで読んだものとは全然違って、新鮮で、これも面白かった。

    それにしても、全体的に、せつない!美しいけど救われない!現実とは離れて、切なさを楽しんでいるかのよう。他のレビューにもあるとおり、男同士の絆を描くには、ちょっと行き過ぎた、BLっぽい描写もある。特に土方。本人にその気はないんだけど、若い男を虜にしちゃう、みたいな。「燃えよ剣」の、やたら女性問題の多い土方とは、対極かも。

    実在した人物たちの話だけに、そして新撰組は男性ファンも多いだろうから、こういう書かれ方は男性読者は嫌がるかも。うーん。

    映画化されたら、美しいだろうなと思う。でも、「ご法度」みたいな配役だったら、いやだな。せめて、年相応の役者を使ってほしい。

  • 秋山香乃さん新選組三部作の1作目。「SAMURAI 裏切り者」の書名、藤原青武という別ペンネームで2000年に出版された作品のリメイク版。

    沖田・永倉・斎藤と共に新選組四天王と呼ばれた、八番隊隊長・藤堂平助。18歳で土方と出会い京都へ、新選組、そして御料衛士へとその一生を追います。
    真っ先に切り込んでいき「魁先生」と言われたという藤堂ですが、ここでは剣の腕は立つけど心優しい青年として書かれています。その性格や思想、新選組の実情に苦悩していますが、この作品での特色はやはり土方との関係。藤堂から土方への意識が強そうに見えますが、土方も藤堂を支えることで支えられているような。別に男色とかではありませんが、お互いにどこか依存しているような、そんな精神的な結びつきが強くてちょっと珍しかったです。そして最後まで読んで、ふと表紙を見て。あ、だからこの表紙…!と。あと、恋の様子がとても可愛らしい。

    斎藤一が好きなのでいつも目が行ってしまうのですが、ここでは沖田と斎藤の立会いの描写が見事。じりじりと息詰まる達人同士の駆け引きの応酬と繰り出す剣に引き込まれてしまいました。気に入ってそこばかり何度も繰り返して読むものだから、そこからなかなか先に進めませんでした(笑)主な出番は御料衛士になってから。
    一匹狼的な書かれ方をする事が多い斎藤ですが、ここではどこか余裕があるような感じ。土方を「旦那」と呼ぶようなちょっと特徴のある喋り方もそんな斎藤に合っていて好きです。

  • 久々の新選組です。
    藤堂平助単発の小説は少なくて、Amazon等でみてもBL色なるレビューが躍り、読み倦ねいていたのですが特に気になりませんでしたね。土方歳三を憧憬する美形剣士を描く上で、土方推しの作者の願望も込められているのでは!?
    藤堂平助の歴史年表が短い分、倒幕までの他藩の動きも丁寧に描かれていて、私の持っている幕末志士名鑑より解り易いかも…。
    藤堂を題材にしながらも、土方の不器用な優しさや淡々とした冷酷な指揮、時折見せる茶目っ気に主役を喰う勢いで気付けば「土方歳三格好いい♡」と目を細める自分がいた…。
    特に試衛館からの同志は100%土方と絡むから仕方ないか。無性に京都に行きたくなりました。

  • ホ…ホモくせぇ。新撰組を扱う上で一番ありがちで一番ダメな表現。せっかく藤堂平助を軸に書いているのに土方をチョイスするセンス。この二人は本一冊書けるくらいのドラマ無いだろと。
    沖田・斎藤・山南・伊東や他の御陵衛士、八番隊隊士達との掘り下げた話で進めて、彼が苦悩しながらもどう裏切るのか…こういうのが読みたかった。
    素材の無駄遣い。土方人気にあやかりたいなら最初から藤堂主役にする事はない。

  • 新撰組ファンならたまらない一冊です。

    事件があり、各々の隊士の思いを丁寧に書いてあります。

  • この本で秋山香乃を知りました。
    そこから一気に作者も平助も大ファンです。

    史実とは違うのでは?との説もあるみたいですが、この人の作りあげた人物設定も巧みではないかと。

    この人の人物の捉え方はうまいなぁって思った作品です。
    とにかく、せつな過ぎるー!

  • ホモくさいけど私は嫌いじゃないしこの方の本は文章が読みやすくて好き。借りて読んだ本だけど自分でもそのうち買いたいな〜。「歳三往きてまた」のほうもまた読み返したくなる!

  • 面白かったけど、読むのが辛い物語でした。
    つい最近、木内昇を読んだところだったけど、木内さんのがからっとした印象かな。

  • 著者処女作。
    処女作ならではの固さ、緊張感、余裕のなさが好ましくもあり、時に疎ましくもあり。
    語りたいことが多すぎて掘り下げ不足の短いエピソードの数々、長州や薩摩、天狗党の動向までも一作品に詰め込みすぎ。
    それでも面白ろかった。

    藤堂平助を主役にした話は珍しい。
    ご落胤、最年少、伊藤甲子太郎への傾倒、最期の様子など物語性は十分なのに。
    藤堂と土方、土方を慕う藤堂や藤堂を弟のように思う土方の在り方は、沖田を藤堂に替えただけのように見えるけど。
    しかし、土方と山南も互いを思いやり、伊藤甲子太郎も良い人で等々、すべからく皆良い人に描かれているのは甘すぎの感じ。

  • 新撰組関連の時代小説にしては珍しい、藤堂を主人公とした小説です。
    それだけに油小路の変における描写の鮮烈さ他の作品とは比べものになりません。
    どことなく哀愁というか切なさのような、それでいて人物や時代の力強い意思を感じさせ、繊細さとキレのある文章です。

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著者プロフィール

1968年福岡県生まれ。活水女子短大卒業。2002年『歳三往きてまた』でデビュー。2017年『龍が哭く河井継之助』で第6回野村胡堂文学賞受賞。柳生新陰流居合道四段。主な著作に『伊庭八郎凍土に奔る』『密偵』『獺祭り白狐騒動始末記』などがある。

「2022年 『氏真、寂たり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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