- Amazon.co.jp ・本 (541ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167717506
感想・レビュー・書評
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新撰組の小説はいくつも読んだけど、中でも特に悲しいお話し。新撰組は好きでよく読むんだけど、やっぱり近藤、土方はあまり好きになれない。
この話でも、近藤が伊東を連れてこなければ、こんな結果にならなかったのにと逆怨みしてしまう。
ただ、幕末という異常な時代の精神を現代人が理解できるはずもないとも思う。
色々読んだ結果、伊東甲子太郎、斎藤一、藤堂平助、吉村貫一郎が私の推しです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
もう何度目になるのか思い出せないほど何度も読み直して、それでもまだ最初に読んだ時の「時代さえ違えば」というあの気持ちが褪せない。
藤堂平助という人物に初めて興味を持った本であり、この6年間、別格の存在としてずっと胸の内に居座り続けている作品。
歴史観が確定したのも、思い返せばこの本がきっかけだった。
実際どうしようもない時代という奔流の中で、いかに生きるべきか。
それを常に問われている気がする。 -
裏切り者として書かれる事が多いけど、ほんまに裏切り者なんやろか。
新撰組が『正義』で、他は『悪』な訳ないなぁと思った。
あの時代に、教養があり少し広い目で日本を捉えられたら『倒幕』を目指そうとするんやろか。
龍馬はあの時代に、日本じゃなくて『世界』を見れたんやなぁと思ったらやっぱ凄いんやなぁと思った。
この時代の本を読めば読むほど、みんなの人生を狂わせまくってたんやろなぁと感じた。
天狗党の事、何も知らなすぎたわ。次は天狗党について読まねば!! -
新撰組といえば、近藤や土方、沖田などがすぐに思い浮かぶが
『藤堂平助』を主人公に扱った作品が珍しかったので今回手に
取ってみた。
本書は非常に読みやすく、幕末を一瞬にして駆け去っていった
平助が、どんな心情でもって新撰組を裏切らざるおえなかった
のか、その苦悩を交えながら、切なく書き上げられていた。
平助の死後、斉藤を通じて土方に手渡された橘の実が、平助の
心の内を静かに物語り、土方の手の中でゆれる姿が余りに
哀しかった。 -
<作品紹介>
文久元(1861)年、伊勢・藤堂家の御落胤との噂がある藤堂平助は、ふとしたきっかけで土方歳三と知り合い、天然理心流の試衛館の食客となる。北辰一刀流を使う平助は、ある時、同門の清河八郎から、浪士隊の話を聞き、近藤勇らとともに同道し入京する―。新選組の中にあって異色の剣士の短い半生を描く長篇小説。
<感想>
近藤、土方、沖田、永倉、新撰組では一般的にはこのあたりが有名で、藤堂平助はその後に続く、斎藤、原田、山南あたりと並列で有名どころである、という感覚である。逆にそのあたりの人物をどう描くか興味があり読んでみた。
新撰組の人物の一人を取り上げた作品にしては、時代は背景や、同時期に発生している出来事をうまく説明しており、新撰組の関連小説を初めて読む人でもよくわかるのではないだろうか。もっとも、新撰組を知らずして藤堂平助の関連作品を手に取る人も少なくないと思うが・・・
また、藤堂平助は新撰組の後半、なぜ伊東甲子太郎と行動を共にするのかといった理由を、時代に翻弄される平助の運命としてうまく描かれている。
「壬生義士伝」ほどのインパクトはないが、そういった意味で読みごたえがあったので、評価は★5つです。 -
こちらでの評価が良かったこともあり購入。
平助がとにかく可愛いです!あと、自分を拾ってくれた土方との絆、新撰組を抜けるときの心の葛藤だとかが細やかに描かれていてとても良かったです!
結構分厚い本なのですが一気に読んじゃいました。
文章も綺麗で良かったです。-
「心の葛藤だとかが細やかに描かれていて」
作家さんが一番想像力を掻き立てられる部分ですね。
何となく「歳三 往きてまた」と「総司 炎の如く」...「心の葛藤だとかが細やかに描かれていて」
作家さんが一番想像力を掻き立てられる部分ですね。
何となく「歳三 往きてまた」と「総司 炎の如く」を買って積んであります。この2冊を読んだら、引き続き読んでみようかな?2012/10/17
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幕末、千葉道場出身者は、維新の荒波のなか、目を見張る活躍をする。それは、江戸にあり、諸藩から様々な情報を得て、時代の動きに敏感であったからであろう。
清河八郎、山岡鉄舟、山南敬助、藤堂平助、そして坂本龍馬など。彼らが敵味方に分かれていようと、将来を考え、暗に協力したことは、想像に難くない。
農民出身で盲目的に徳川贔屓の近藤、土方とは明らかに一線を画していた。
幕末をなやみながら、悪者になりきれず、必死に生き抜いた藤堂平助を愛さずにはいられない。
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名前を知らなかった新撰組藤堂平助の物語。やはりBL臭がそこはかとなくするが男ばかりの新撰組のような物語に合ってはいた。好きか嫌いかはともかく。新撰組ハマりそう。
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後半は胸が締め付けられた。自分の運命を悟った藤堂と新選組初期の同志との会話が切ない。読み進めていくのが怖かった。。。魁先生が好きと再確認できる一冊。
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この本のレビューでBL色とよく目にしますが、たいしたものではありませんでしたよ。歴史的な流れも書かれているのでわかりやすいし、秋山さんの文章はやっぱり読みやすいです。「歳三往きてまた」を読み返すとまた深く頷けるものがあります。