月読 (文春文庫 お 45-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (515ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167717599

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  • 人が死ぬときの、間際の感情が月標として出現し、それを読む月読がいる、パラレルワールドのお話。

    とある街の大地主の養女と、その同級生のあわい恋と出生の秘密。
    姪っ子を殺害された一匹狼タイプの刑事。
    ふたつが交わっていく…。

    ファンタジーな世界とミステリーが絡まって面白かったですが、
    最後はちょっと、えっってなりました。ちょっと腑に落ちない・・・
    あと、あえてファンタジー感なのか、固有名詞が読みにくくてね・・・

    続刊もまとめて購入しているので、そちらを楽しみにします。

  • 評価は5.

    内容(BOOKデーターベース)
    「月読」とは、死者の最期の思いを読みとる能力者。月読として生きる朔夜が、従妹を殺した犯人を追う刑事・河井と出会ったとき、さらに大きな事件が勃発して―。人は死の瞬間、何を思うのか。それを知ることに意味はあるのか。地方都市で鬱屈する若者たちの青春を描く、著者渾身の傑作ミステリー長篇。

    ファンタジー&ミステリー。死んだ人の最後の言葉を読む月読。ミステリー部分は深くなかったが人の最後の言葉って案外「空が青い」などの何気ない言葉なんだろうなぁ~としんみりした話であった。

  • せっかくファンタジー性に優れた舞台なのに、ストーリーに活かしきれていないのが惜しい。
    特に後半は登場人物の神秘性がどんどん薄れて、普通のメロドラマみたいになってしまった印象。期待が大き過ぎたかな?

  • ヒロインがめんどくさい。まあ、めんどうな美少女にウザ絡みされるのが、男子一生の夢みたいのが、健全な青少年なのかも知れないが。で、そちらの方に目を奪われがちだが、特殊設定ミステリとして完成度が高い。ある犯罪の動機が実にとんでもないのだな。

  • ハードボイルドではないハードボイルド感にグッと来ました。月導、ほんとうにあったらとても素敵です。

  • 死者の心を読解く「月読」が、殺人事件を解決に導くミステリー。

  • ちょっと想像していたのとは違いましたが、この世界観は好きかな…
    ただ、最後に探偵役が二人になったことは、余計だったのではないでしょうか
    それなりに伏線を施しているようですが、逆に作品の質を落とすことになったように感じました
    私だけかも知れませんが…

  • 月読、月導初めて聞いた言葉たちでしたが、とても素敵な響きでした。もっともっと知りたいな・・・

  • 私にとってはハズレなしの酒飲み書店員大賞受賞作。個人的には「このミス」より好みの作品が多い。これは2010年度に大賞受賞。

    人が死ぬとその近辺に現れる月導(つきしるべ)。それは死者の思いや記憶が形となったもの。月導を読み取る力を生まれながらに持っているのが月読(つくよみ)と呼ばれる者。とある町で起きた殺人事件を捜査する刑事、力を貸す月読、巻き込まれる男子高校生を巡る物語。

    多少苦しいオチだけど、幻想的な美しさも。もしも自分が死んだら、どんな月導が現れるのか。人間なんて最期に思うのは意外に単純なことなのかも。

  • 結構最後の方まで抱えている問題が全て解決するのか不安だったけど、最後の最後に全部回収していったから一安心。ひとつひとつが繋がるまでは、あっちこっちで事が起こっていて、何となくまとまりがないように感じていたので。。
    あらすじを読んだとき、もっと幻想的な、ぼんやりとした展開なのかなと思っていたから、普通のミステリー小説として楽しめたのは少し意外だった。あくまでも月読はエッセンスの1つで、でもなくてはならない存在。ほどよい距離感だったと思う。
    気になったのは、(これを言ってしまっては話が進まないからダメなのかもしれないけど、)河井は朔夜に何でも話してしまうなぁ、ということと、咲村が瀕死の状態なのにいろいろ教えてくれるなぁ、ということ。うーん、やっぱり身も蓋もないか。

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著者プロフィール

1959年名古屋市生まれ。名古屋工業大学電気工学科卒業。81年「星新一ショート・ショートコンテスト」で「帰郷」が優秀作に選ばれる。その後、会社勤めをしながら「ショートショートランド」「IN★POCKET」にショートショートを掲載。1990年、長編ミステリー『僕の殺人』を上梓してデビュー。2022年『麻倉玲一は信頼できない語り手』が徳間文庫大賞2022に選ばれる。

「2022年 『喪を明ける』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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