弥勒の掌 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
3.24
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本棚登録 : 1510
レビュー : 247
  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167717674

作品紹介・あらすじ

愛する妻を殺され、汚職の疑いをかけられたベテラン刑事・蛯原。妻が失踪して途方に暮れる高校教師・辻。事件の渦中に巻き込まれた二人は、やがてある宗教団体の関与を疑い、ともに捜査を開始するのだが…。新本格の雄が、綿密な警察取材を踏まえて挑む本格捜査小説。驚天動地の結末があなたを待ち受けます。

感想・レビュー・書評

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  • 殺戮の病の衝撃から再我孫子武丸。やっぱりあの作品のアクが強かったためか、いささかあっさりとした作品に感じた。しかし、新興宗教を扱うあたりは、やっぱり我孫子武丸だなーと思った。目の付け所が、貫井氏と同じ。殺人の交換。まあ予想できたオチだけど、それなりに面白かった。しかし、新興宗教の怖さは描写しきれてなかったかなー。慟哭なんかの方がよっぽど怖かったし、教団Xの方がもっと仔細だった。そして、終わり方も打ち切りみたいな終わり方で、少しイラっとした。

  • 謎の新興宗教『救いの御手』

    妻が失踪した?高校教師の辻

    汚職の疑惑のある刑事、蛯原は妻が何者かに殺された!?


    最初のヒントはこれだけ!

    帯から読み取れるのはドンデン返し!
    という事は『全てを疑い、可能性の全てを考えなければならない!?』

    辻の行動、蛯原の疑惑の正体、そして弥勒の本性・・・



    何れにしてもページが次から次へとめくれ200ページを超えると最終章へまっしぐらです!!!



    ちなみに、この作者は『かまいたちの夜』の制作に関わっているようです!

    それと解説を読んで作者の別の作品にも興味が湧き、取り敢えず『ディプロトドンティア・マクロプス』を読んでみたいと思いました。

  • 本作も著者である我孫子武丸の良さ(凄さ)をしっかりと感じることが出来た。主人公となる登場人物は教師である辻恭一と刑事の蛯原篤史。1小説毎に教師と刑事が入れ替わりながら描かれ、2人は出会う。互いに妻を殺された者同士、犯人探しの中でたどり着いたのは宗教団体《救いの御手》。最終章のタイトルである弥勒(《救いの御手》の会長=一般的な呼称は教祖)が殺人の鍵を握ると思わせ続けながら、ようやくその姿を現し、弥勒が告げた言葉には驚愕の真実が。警察内部を描いた小説でも、新興宗教を描いた小説でもあるが、読み終えた感想は立派なサスペンス小説。読めば読むほど私は我孫子作品が大好きだ。


    説明
    内容紹介
    妻を殺され汚職の疑いまでかけられた刑事。失踪した妻を捜して宗教団体に接触する高校教師。錯綜する事件、やがて驚愕の真相が!

    内容(「BOOK」データベースより)
    愛する妻を殺され、汚職の疑いをかけられたベテラン刑事・蛯原。妻が失踪して途方に暮れる高校教師・辻。事件の渦中に巻き込まれた二人は、やがてある宗教団体の関与を疑い、ともに捜査を開始するのだが…。新本格の雄が、綿密な警察取材を踏まえて挑む本格捜査小説。驚天動地の結末があなたを待ち受けます。

  • 好き!
    身勝手な人物と救いのない結末に嫌悪感が相殺されて、嫌な話だけど読後感は嫌じゃない。引き込まれて一気読みした。サクッと読めて分かりやすく、頭の悪い自分にありがちな読み終えた後の疑問やモヤっと感がなかった。神様なんていない。居るのは人間だけなんやな〜。面白かった!

  • 妻が失踪した男、妻を殺された男、交互に視点が入れ替わるのは「殺戮にいたる病」と同様ではあるが、読後の印象はまるで違う。あちらは迸る衝撃波に打ちのめされたが、こちらは弥勒様の浮かべる微笑にじわりと心を侵食されるかのような気分だ。著者は実に遊び心がある。

  • 新興宗教が絡む話ですが、本筋とあまり関係ない。サスペンスなのかな……と思って読んでいたら、叙述トリックの渦中にいたことに気付かされて驚いた。
    「殺戮にいたる病」読んだはずなのにやられたわ。

    刑事と教師、二人の目線で交互に話が進む。
    高校教師の辻は、妻がありながら教え子・千秋と不倫した過去がある。それから数年が経過したある日、妻が行方不明になってしまう。
    刑事の蛯原は、少々危ない橋を渡りながら仕事をこなしていた。ある日、妻の和子がラブホテルで死んでいるところを発見される
    辻の妻と蛯原の妻。二人はある新興宗教にかかわりがあった。その宗教の施設で、妻のことを調べに来た辻と蛯原が鉢合わせになり、二人は協力し合って真相を確かめることにする。

    妻を探す途中、かつての教え子であり不倫相手だった千秋と再会する辻。
    いっぽう蛯原は、今まで取ってきた強引な調査手段が明るみに出そうになって焦る。
    そんな中、教師・辻の妻ひとみの居所を、刑事の蛯原が突き止める。しかし、辻が会いに行く前に、ひとみは他殺体で見つかる。
    辻と蛯原は宗教団体の本部へ乗り込み、教祖と会うが、彼らは何もしていないと言い、事件の真相を語りだす。

    白眉は『蛯原の妻・和子=辻の浮気相手・千秋』だったということ。
    千秋は名前ではなく苗字。
    蛯原の妻が後妻で、年が若そうだというのは話の中にそれとなく出てくる。
    千秋和子は売春をしており、ホテルで死んだのはそれ絡みとみなされ、捜査は終息しそうになっていた。
    刑事の蛯原は妻を殺した犯人を突き止めたくて、辻の妻を殺し、『宗教絡みの連続殺人』に見せかけることで捜査を続けさせたかった。
    いっぽうで、蛯原の妻である千秋和子をラブホテルで殺したのは辻。関係が復活してしまっていた。
    教祖の弥勒はこれらの事実を辻と蛯原に告げる。
    殺人を犯した二人に「自分たちの仲間になれ」と言い、辻と蛯原はそれに従い、手始めに事件のことを調べていた記者を殺すところで話が終わる。

  • 前に読んだこの人の作品にやられたので、今回もかなり期待しながら読ませていただきました。
    面白かったといえば面白かったですが、前回ほどの衝撃はありませんでした。
    期待しすぎたかもしれません。
    宗教団体の絡みとか今っぽくていいと思いました。
    この人の他の作品も読んで見たいと思いました。

  • なるほど我孫子。

    と言ってしまうようなストーリーだったのです
    結末もしーな的には文句ナシ。
    十分に楽しめたのですが、何だろうこのムズムズ感……。


    こう、印象にそんなに残らないのですよね。
    宗教のお話だったから、「あー。ハイハイ」な部分とか
    どうしようもないオッサン×2の話だから「あー……」な部分と

    と、思い返してみて、登場人物にイマイチ好感が持てなかったのが原因かも……?と。
    だから、途中に起きているはずの出来事もピンと来ないまま、最後まで読んでしまった感じ。

    実はとっても切実な気持ちのはずなのに、素通りしてしまったのですね。
    旅行中に読んだ本だったのですが、この本しか持ってなかったら、ゆっくりじっくり読んだかもしれなかったのですが、
    後3冊ほど余裕があったので、消化本的に読んでしまった勿体なかったのです

  • どんでん返しがあると知り、購入。たしかに最後のどんでん返しにはうなる。しかし欲を言えば若干無理があるような気もした。続きが気になってよみすすめられたので満足です。

  • 星3に近い4。「殺戮に至る病」を読んだ時は本当に衝撃を受けたし、本作も衝撃度という意味合いでは名作の部類に入ると思う。そしてもっと引っ張れそうなネタなのに、潔いページ数で綺麗に締めているのも評価ポイント。にも関わらず、手放しで絶賛できないのは何故なのか…。

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著者プロフィール

1962年、兵庫県生まれ。京都大学文学部中退。在学中は推理小説研究会に所属する。89年、『8の殺人』で作家デビュー。主な作品に『人形はこたつで推理する』に始まる「人形」シリーズほか、『殺戮にいたる病』『ディプロトドンティア・マクロプス』『弥勒の掌』『眠り姫とバンパイア』『警視庁特捜班ドットジェイピー』『さよならのためだけに』『狼と兎のゲーム』などがある。ゲームソフト「かまいたちの夜」シリーズの制作、ヘロヘロQカムパニーの舞台脚本を手がけたことでも知られる。

「2020年 『怪盗不思議紳士』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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