本業 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2008年3月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784167717704

感想・レビュー・書評

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  • -108

  • 連載全40回にボーナストラック、さらに文庫版ボーナストラックと、サービス精神旺盛なのは文章の凝り様だけではない。
    本書の中で大槻ケンヂの文才を褒めているが、著者自身の文才も一行ごとにギャグを挿入しないと、というようなかつて見られた焦燥感から、より肩の力の抜けた垢抜けした文体に成熟して、なかなかに読ませる。
    山城新吾、大槻ケンヂ、吉田豪あたりについてはぜひあたってみたいと思わせる。

  • 『芸人春秋』が面白くてこちらも手にとりました。
    この方文章上手だなぁ、と思います。プロレス関係など分からない話は、ご本人が愛があるだけに熱い文章に対して本当に全然ついていけないんですが・・・。そして、たけしさんの事が大好きなんだなぁと感じられました。

  • 2008年3月10日、初、並、帯無
    2013年4月16日、イオンモール鈴鹿BF

  • “タレント本とは、「膨大で払いきれない有名税に対するタレント本人による青色申告書」である”

    矢沢永吉、いかりや長介、ゾマホン、島田紳助、百瀬博教、アントニオ猪木、山城慎吾… 幅広い知識からくる独特のボキャブラリーと比喩表現で、各々のタレント本と、本人そのものの本質に切り込む。

    そして、師:ビートたけしへの深いリスペクトと愛情を感じ得ない。

  • タレント本に関して博士さんが書いている本。面白い。問題は面白いから取り上げられている本をつい読んだつもりになってしまうことだ。
    岩井志麻子さんの解説は同郷の人間なので余計に面白い。しかし岩井志麻子は最強だ。
    分厚いけどすらすら読めるのはすごいなあと『お笑い 男の星座』から続けて思う事。

  • 浅草キッドの水道橋博士が一冊5~6ページ程度でタレント本をひたすら評論していくというもので、タレントとの実際のエピソードを交える点は彼ならではです。タレント本というものに興味を持つきっかけにはなりましたが、それ以上に、水道橋博士の語彙の豊富さと文章の秀逸さにとても驚き、興味を持ちました。頭の良い方なんですね・・・。

  • 何年か前に「お笑い男の星座」「お笑い男の星座2」をブックオフの100円コーナーで買って読んだ。タレントや有名人との交流や裏話を書いたエッセイだった。そのとき、このお笑いタレントのただものではない観察力、モノ書きとしての才能に驚いたが、この本で、その印象はさらに強くなった。

    50冊余のタレント本の書評集であるが、書評と言うより交遊録でありすぐれた人物評である。いわゆるタレント本だけでなく、田原総一郎、佐野眞一、野中広務、百瀬博教、岩井志麻子、宮崎学などもとりあげており、タレント本だけでなく彼がかなりの読書家であることがうかがえる。

    一流レストランや高級料亭のような素晴らしい料理もいいが、彼の本はいわば和洋中華混在の大衆食堂である。しかし、ただの大衆食堂ではなく店主で料理人であるかれの技と感性、ポリシーが一品一品に感じられる町の名店である。★四つ!

    この本もブックオフの100円コーナー。消費税込み105円だが、私の読書はほとんどこれ。わずか105円でこんな面白い本が数多く読めて、幸せな時代である。

  • ある歳を超えるとタレント本を買うのが恥ずかしくなる。昔は千原ジュニアの「14歳」を読んで自分の将来を希望でいっぱいに膨らましたりもしたが、いまとなっては読んだことを恥ずかしい自分の歴史としている。
    この本はタレント本を解説してる本と行ってもいいが、自己啓発本としても傑作。

  • 浅草キッドの書くエッセイはとにかく面白い。
    芸能界では一、ニを争うであろう。
    その圧倒的な知識に裏打ちされた筆力にはいつも唸らされる。
    この本もそんな期待を裏切らない出来となっている。
    タレント本をレビューしたタレント本。
    タレント本という軽いジャンルをここまで深く読み込んだ人間はいないのではないかと思えるくらいのもの。
    帯には「誉め殺し」と載っているが、殺してなんか全然いない。
    むしろ著者が意図していなかったことまでも読み取り、新しい魅力を引き出している。
    普通に買いたくなるようなレビューになっている。
    こんなレビューをいつか書けるようになりたいと本気で憧れてしまう1冊。
    個人的には元光GENJI諸星和己の「くそ長〜いプロフィール」が一番気になった。

  • 「WEB本の雑誌」中の連載、「オトコの本棚」第2回からのピックアップです。浅草キッドのお2人はどちらも素晴らしい才能をお持ちで、出演番組はついチェックしてしまうのですが(笑)、この本は水道橋博士さんのご本。装丁だけ見て書店へダッシュ(カップリングは児玉清さん『寝ても覚めても本の虫』)!目次を開くまで、何の本かまったく意識せずにいたので、中身にびっくり!タレント本の書評集とくるかー。しかもラインナップにしびれる(笑)。芸能からビジネス、サブカル、政治など流れは多彩。冒頭の矢沢永吉本にだまされてはいけません!。長嶋一茂本、ガッツ石松本、アニータ本は有名どころで、なべやかん本って、どうよ(笑)。キムタク本も編集さんにすすめられた形跡はあるものの、見事に却下されており、代わりにヤマタク愛人本だったりする(笑)。筆致は博士らしく、簡潔にハイテンションで格闘技調。アントニオ猪木全盛時のプロレス中継(古舘伊知郎さんが実況担当)のまんま、小気味よく進みます。文章がうまく、言葉の瞬発力が芸人さんらしく見事です。文中に引かれる時事ネタがまた、微妙なところを突いていて吹き出す!たまに出てくる同僚芸人さんのコメントも笑えます。おおかたの本好きなら、立ち読み程度ですませてしまい、魔が差さない限り買わない(と思う)本をどかーんと紹介していただき、感激にふるえたクレイジーな1冊です…でも、格闘技調の筆致が合っていない本もあるように思う(あとがきでは抑えた知的さを感じるからなおさら)ので、☆をちょっと引いてこの数で。これだけ持ち上げておいて、ごめんなさい。

  • 水道橋博士の文章が大好きなんです。

  • 浅草キッドの水道橋博士(小さい方)が書いた本。

    正直言って本書を読むまでは、タレント本のことをバカにしていた。
    「タレント本なんて読むだけ時間のムダ。そんな時間があるなら英単語の一つでも覚えたほうがいい」なんて、思っていた。

    しかし、本書を読んでその考えは大きく変わった。

    きらびやかな芸能界という世界で楽しくふるまっているようなタレントも、いつどん底に落ちるのかもしれないという恐怖におびえながら、仕事をしているのだという当たり前の事実に気づくことができた。また、実際どん底に落ちてそのまま塀の中に落ちてしまう者もいるし、そこから這い上がった来るような猛者もいるということを学ぶことができた。

    そういった50人もの人間の人生をダイジェストして読むことができ、これからの自分の人生に思いを馳せることができたことは、人生経験の少ない僕にとって、非常に大きかった。

    最後に、本書の中で特に気になったのが、著者(水道橋博士)自身の中での、「北野武」という人物の占める大きさ。

    それは、本書のあらゆるところにその名前が出てくることからうかがい知れるし、さらには自分の実際の子供の名前も「武」と名付けてしまうことからもわかる。

    「たしかに、たけしはすごいよな〜」と深い感慨に浸ってしまった。

  • この本は発見する喜びに満ちている。

    タレント・有名人の人生や主張を記した「タレント本」のオモシロさの提示。
    更に、豊かな解説、バックボーンや副次的逸話の数々、文庫ならではの時間差的後日譚まで、そのサービス精神にも脱帽。
    こんな「発見」をさせてくれた水道橋博士に大拍手を贈りたい。

    それぞれがまるで濃いお酒のようなタレント本の数々。
    この本は、
    あえて例えてみると、世界の銘酒・珍酒・希少酒がずらりとひしめくタレント達の「人生ミニチュア・ボトル」がぎっしり並ぶ秘境。まぼろしバーなのだ。
    この「本業」が著している事は
    この本を通じて、それら秘蔵のミニ・ボトルを存分に利き酒・試飲することができるという訳なのだ。
    普段は発泡酒しか飲まない皆さん、チャンスです。濃厚なリカーの数々で、存分に酔いまくってください。

    個人的にはあの百瀬さんのマライアのエピソードが引き込まれた。
    (勿論「お笑い男の星座」と併せて多角的に知る事で味わいは更に深くなる。)

    また、なべやかんが大学入試の実技で、由利徹師匠にある名人芸を教えてもらうくだりには、読んでいた電車の中で、人目も憚らず爆笑を押さえられない程。

  • 古本屋で100円で積まれることの多いタレント本
    そのタレント本の書評という形で、タレントとその生き様、そして自分について描いた本
    決して書評ではない、タレント評であり水道橋博士の本だ
    最近見なくなったタレントや、普通のタレントが語らない人にスポットが来ていて面白い(
    タイトルの”本業”(タレントが本業ではなく”本”を書くから)とか日本語も一つひねらずにはいられないのは博士たるゆえんか
    思えばたけし軍団のこの二人だけは、東京出身の中堅芸人の中で
    群を抜いて自分の中で好感度が高いのは、このセンスにあると思った

    文庫化に伴う増ページも多くお得な感じだが
    何より、古くなった情報に新しくタレントの近況を追記しているのが面白い
    残念ながら追記しても賞味期限はある程度ある本と言わざるを得ないので
    興味ある人は是非早めに読んでみて欲しいね

  • 博士の本は初めて読んだのだけど、
    すごい文章力と人脈を持つ人なんだなあと驚いた。
    ここで取り上げられているどの本も読んでみたくなった。

  • 水道橋博士は夜中に政治家と堂々と渡り合ってるのを観て以来なんとなく気になる存在。これはタレント本の書評なんだけど、本を読んで無くても十分楽しめました。

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著者プロフィール

1962年岡山県生まれ。ビートたけしに憧れ上京するも、進学した明治大学を4日で中退。弟子入り後、浅草フランス座での地獄の住み込み生活を経て、1987年に玉袋筋太郎と漫才コンビ・浅草キッドを結成。1990年のテレビ朝日『ザ・テレビ演芸』で10週連続勝ち抜き、1992年テレビ東京『浅草橋ヤング洋品店』で人気を博す。幅広い見識と行動力は芸能界にとどまらず、守備範囲はスポーツ界・政界・財界にまで及ぶ。メールマガジン『水道橋博士のメルマ旬報』編集長。
主な著書に『藝人春秋3 死ぬのは奴らだ』『藝人春秋2 ハカセより愛をこめて』『藝人春秋』(文春文庫)、『はかせのはなし』(KADOKAWA)ほか。
浅草キッドとしても『お笑い 男の星座2 私情最強編』『お笑い 男の星座 芸能私闘編』(文春文庫)などの著書がある。

「2021年 『藝人春秋Diary』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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