街場の現代思想 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2008年4月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784167717735

みんなの感想まとめ

現代社会の常識や価値観を若い世代に向けて考察した本書は、特にティーンエイジャーから20代前半の読者に響く内容です。著者は、フィルターバブルや文化資本、結婚観、大学の存在意義など、現代の若者が直面するテ...

感想・レビュー・書評

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  • 街場の現代思想というタイトルですが、発売されて随分経ちます。無論、私も読んだのは随分前です。

     昨今言われているフィルターバブルを指摘されています。その危険性までは触れてませんが、先見の明はあったんだろうと思います。

     そして「若者が考えそうなことだ」としながらも、当時若者だった私が反発しなかったのは、本書で氏が現代思想としてるのは、ティーンエイジャー〜20歳前後と思うからです。私の世代のことなのですが、私が本書を読んだのは20代半ばでした。やや当てはまらなくなった過去の自分を俯瞰に見たから、読めたのだとしたら、タイミングはあったと思います。

     下の世代のことって見えにくいものですが、氏はさすがによく見ていますね…。

  • 若い世代に向けて書かれたメッセージ。解説本のようである。第3章、街場の常識から現代、日本社会の常識を若者に向けに語っている。常識を説明するのは難しいと思うのだが、本書の内容はよくわかった。

    ・敬語とは、素の自分をさらさないために、相手をかわすためにある。自分を守るために。
    ・人間が他の動物とのちがいには、墓を作ることだという。新しい見方である。
    ・結婚という終わり無き不快。考えてしまう。
    ・大学について、何のためにあるのか?必要ないかと考えてしまう。社会から求められているものを作らずに、存在意義はあるのか?学生に対するサービスというもの。
    ・文化資本について考えること。持つものと、持たざるもの。階層が決まっている。それが、金がないためではなく、教養がないことに因を発し。気付いていないとは痛烈。
    ・随分聞きなれない言い回しが出てくる。一昔前の教養人は、このような表現、常套句を用いたのだろう、自分の不勉強を感じるとともに、良書に触れなければならないことを感じた。
    ・著者特有の言い回しがあるが受け継がれた思想の表現を変えたものである。

    マジョリティ⇔マイノリティ


  • 目鱗とはいかないが、ごもっともと言えるところが多々あり面白い。

    文化資本、教養、結婚についての考え方は大いに同感できる。
    また、仲間として、許容できる人間として、「ウチダが何を考えてるか知らないけど、まぁ、好きにしろよ」という人間についても、激しく同意できる。

    最近、ものすごい勢いで本を出されてるみたいで、読むのに追いつかないが、楽しみがたくさん残ってると思って楽しみたい。

  • 冒頭の、文化資本の獲得のお話で「ガーン!」と思ってしまった人間の一人です。内田先生のおっしゃることに対して、「むむ、たしかに‥」「そうなのかな?」などなど、色々なことを考えさせてくれる、頭をぐるぐる回転させてくれる一冊です。勝ち負けはわからないけれど、自分を馬鹿と自覚して、私は生きていきます!

  • またまた、違った考え方を教えて頂きました。教養って?結婚って?バレンタインって?敬語って?自分が単純に捉えていたものに、スパっと鋭いメスを入れられました。
    特にフリーターについては、読んでいてフクザツな気分です。(私自身正社員のみですが)祟りが起こる前に、政治家の皆さんに読んで欲しいと思った部分です。

  • 誰もが抱く身近な人生の悩みに内田先生がお答えしますというもの。この人の文章は思いもよらない切り口から論じてるにも関わらず、すんなりと頭に入ってくるというか、腑に落ちる感じがするから好きです。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「思いもよらない切り口から」
      内田センセの本を一杯読んで、モノを見る目を養いたい。違う角度から見るコト、その角度を見つけられるようになるかな...
      「思いもよらない切り口から」
      内田センセの本を一杯読んで、モノを見る目を養いたい。違う角度から見るコト、その角度を見つけられるようになるかなぁ~
      2012/08/24
  • 裏っ側も読めるようなヒントたちがあるような。
    望んだようになってるんだよって、全部自分のせいで仕舞えるのはいいな。

  • 内田樹の本を久しぶりに読んだ。
    若者は意外にも本をよく読んでいる。しかし、それは特定の分野に限る。若者の興味関心の偏りは今に始まったことではないが、最近の傾向は「興味がない分野の捨て去り」である。だから、共感してもらえる人と出会いにくい。それが、共感を求める心理に拍車をかける。

  • 心に響くフレーズ
    ① 結婚は快楽を保証しない。
    ② 人間を人間たらしめている決定的な資質とは、「他者と共生する能力」である。

  • 軽妙に見せてなかなか辛らつ。文化資本の逆説のようなジレンマが解消されるわけではないけど、自分を省みる想像力というものをもっと育めたらいいのだけど...。

  • •人間は未来像を想像してそこに目掛けて、時間をトレースしていく
    •育児は苦役であり、はっきり言って「エンドレスの不快」である。
    •私たちが共同的に生きることができる人間というのは、私のことをすみずみまで理解し共感してくれる人間ではなく、私のことを理解もできないし、私の言動に共感もできないけれど、それでも「私はあなたの味方だよ」と言ってくれる人間のことなのである。

  • 内田氏のエッセイ初めて読みました。頭の良い方というのは理解出来ますが、もう少しわかりやすい書き方だと嬉しいです

  • p106までで断念



    人生の達成目標を高く掲げ、そこに至らない自分を「許さない」という生き方は(ごく少数の例外的にタフな人間を除いては)、人をあまり幸福にはしてくれない。
    あまり言う人がいないから言っておくが「向上心は必ずしも人を幸福にしない」。
    幸福の秘訣は「小さくても、確実な、幸福」(@村上春樹)をもたらすものについてのリストをどれだけ長いものにできるか、にかかっている。

  • ●Twitterをフォローしているせいか、そこまで引き込まれる著者とは思っていたけど、とんでもない。グイグイ引き込まれて読ませる卓越した文章!猛省します…
    ●あ〜なるほどなあ〜と思ってしまう人生相談の回答ばかりで…なんというか、わりと小難しい書き方をしているけど面白いんだよね…
    ●転職、結婚、離婚の回は刮目して読め!と言いたいですね。
    ●一番は給与についての、はたして能力主義が本当に良いのか?という話。自分も常々感じていたことがズバッと文章化された快感をひとしきり味わうこととなりました…やっぱり文筆家ってすげえや

  • 「「教養」とは「自分の無知についての知識」」、「文化資本の差からくるゆとり」、「「敬する」というのは自分が傷つかないために「身をよじらせて」攻撃を避けること。自分の「本音」や「素顔」をさらすことは自己防衛上最低の選択である」、「お金は交換(コミュニケーション)のためにある」、「知性というのは「自分の愚かさ」に他人に指摘されるより先に気づく能力のこと」、「決定的局面で二者択一となっている時点で手遅れ、そうならないように常にリスクを最小化しておく」、「喪主がいなくなる世界での祟りへの恐れ」、「人類が再生産を維持するために必要な資質は「不快に耐え、不快を快楽に読み替えてしまう自己詐術の能力」」、「目的地にたどりつくまでの道順を繰り返し想像し、その道を当たり前のように歩んでゆく自分の姿をはっきりと想像できる人間は、かなり高い確立でその目的地にたどりつくことができる」、「デジタル・コミュニケーションは「あらかじめ検索するキーワードが分かっている情報」の検索には有効だが、「自分が何を検索しているのか分からない」人間にとってはほとんど使い物にならない」、「「大衆を嫌う」という感覚が大衆的に共有されている時代。ニーチェ以後の大衆はニーチェが思っているより「もっとバカ」だった」、「自分に課すべき倫理的規範とは、社会の全員が「自分みたいな人間」に「なっても生きていけるような人間になること」、「人間は死ねるから幸福」、「今の若い人たちに欠けているのは「生きる意欲」ではなく「死への覚悟」。「自分を殺す」のと「死ぬ」のは違う」

  • 街場というだけあって現代人の身の回りの悩みごとをテーマとした話が多く、刺激的な内容だった
    主張が現代思想に基づくものであるというには筆者独自の考えや価値観が多く見られていると感じる(筆者はフランス現代思想をバックグラウンドとしているのである意味タイトル通りだが)
    非常に小気味の良い文章なので普段あまり本を読まない人にもオススメ出来る

  • 文化資本は後天的に身につけられない理由

    なぜ実力主義が根付かないのか
    →幻想の中にいたいから

    新人ドライバーが中古車に乗ってはいけないわけとは?

    学歴で人を判断する人の心理とは?

  • 給料に関するテーマのところが一番面白かったです。

  • 「結婚という終わりなき不快について」や、
    「他者としての配偶者について」が、面白い。

    この詳細な解題は「寝ながら学べる構造主義」を読めば、
    分かるはず!

    というとこで、内田センセイの「仕掛け」が
    だんだんと判ってきましたよ。

    現代思想は、役に立つ!!

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著者プロフィール

1950年東京都生まれ。神戸女学院大学名誉教授、神戸市で武道と哲学研究のための学塾凱風館を主催、合気道凱風館師範(合気道七段)。東京大学文学部仏文科卒、東京都立大学人文科学研究科博士課程中退。専門は20世紀フランス文学・哲学、武道論、教育論。 主著に『ためらいの倫理学』、『レヴィナスと愛の現象学』、『寝ながら学べる構造主義』、『先生はえらい』など。第六回小林秀雄賞(『私家版・ユダヤ文化論』)、2010年度新書大賞(『日本辺境論』)、第三回伊丹十三賞を受賞。近著に『日本型コミューン主義の擁護と顕彰──権藤成卿の人と思想』、『沈む祖国を救うには』、『知性について』など。

「2025年 『新版 映画の構造分析』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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