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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784167717865
みんなの感想まとめ
作家の生涯を描いた評伝は、彼の独特な人間性と文学への情熱を浮き彫りにしています。貧困や偏屈さを抱えながらも、文筆活動に邁進した直木三十五の姿は、読者に深い共感を呼び起こします。彼の作品が現在手に入りに...
感想・レビュー・書評
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今では文学賞「直木賞」の名前だけが残っている昭和初期の
作家の生涯を甥が描く評伝である。
「私は、哲学か文学をやるんです。それも、私立へ入るつもりです
から、三角の必要は絶対にないと思います。必要のないものを、
なにも苦しんで勉強することもありません」
中学時代に数学がからきし駄目だった直木が教師に言い放った
言葉である。こんな頃から偏屈だったのか…。
生まれた時から「貧乏」を引き摺る直木。結婚しても文筆で
身を立てるようになっても「貧乏」はつきまとう。
菊池寛は冬の京都で寒そうな姿の直木に、自分のマントを着て
行けと勧める。ちんちくりんの菊池寛のマントが、長身の直木に
合う訳もない。
苦笑しながら菊池寛のマントを肩から羽織り、ポケットに手を
突っ込む。そこには何枚かの十円札が押し込められていた。
うぅ…。菊地寛ってあまりいい印象がないのだが、これは格好いい
じゃないかっ。「男気」だな、菊池寛!
映画制作に係わり、文筆ではいくつもの連載を抱え、作品を量産し、
43歳でこの世を去った直木ではあるが、哀しいかな現在新刊書店
で購入できる作品がない。これが大衆作家の運命か。
菊池寛が文学賞にその名を残さなければ、名前さえ忘れ去られた
作家になっただろう。
今更ながら直木の作品が読みたくなったよ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
新書文庫
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そもそも読んだきっかけは、直木賞に冠している「直木」とはと思っていたことから。
いままで、多分芥川賞作品も直木賞作品も読んだことがないが、
毎度の受賞作の発表はニュースに取り上げられるので自然と耳に入ってくる。
最近は作品そのものよりも、著者に注目が集まることも多々見受けられるが。
いわゆる世間的な線引きで理系人間であったので、芥川賞と直木賞の違い、なぜ同時に発表かなど気になりつつも特に調べたこともなった。
ただ何となく、芥川賞は芸術(文学)的なものと思っていた。
直木賞のイメージは。その名を知ったのは、「いいとも」に直木賞作家という肩書をもって出場していた志茂田景樹氏。
そのキャラクター、作品名から、直木賞は(今でいう)エンタメ系作品が該当するものと想像していた。
でも、そもそも直木賞とは?と常々思っていた。
芥川賞が芥川龍之介であるなら、直木も人名(姓)であろうか?
ある時、読売新聞日曜版の人物伝的連載ものに取り上げられていた直木三十五で初めて直木賞の名前の由来を知った。
そこで紹介されていたのが甥による直木三十五伝。
そのうち手に入れようと思っていたら、直後に時間つぶしに寄った古書コーナーで見つけ、半年後に読んだ。
賞がセットなので、どうしても芥川龍之介との対比になってしまうが。
芥川龍之介は、教科書で取り上げられているので、その作品(の一部)や人物像についてある程度の知識はある。
対して、アンテナを広げないと情報のない直木三十五。
読み物として非常にひきこまれた。
是非、作品も読んでみたいと思ったが、どうやらそれほど簡単ではないようだ。
現代人の教養が不足しているから読むのに労することが普及していない原因らしい。
このあたりも芥川作品との相違点である。
ただ、この「直木三十五伝」には同時代に生きた芥川との話もあり非常に興味深かった。
同じように色々な作家が出てくるのだが、残念ながら吉川英治や永井荷風くらいしかわからず、確かに教養が不足していることがわかった。
植村鞆音の作品
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