厭世フレーバー (文春文庫 み 31-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 362
感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167719029

感想・レビュー・書評

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  • 本屋さんに並べてありました。久しぶりに夜更かししました。どんなに頑張っても、家族の一面しか見えません。他人となると、もっとですね。

  • うぜぇ、ムカつく、といった所謂『若者言葉』に食傷されて読むのをやめてはいけない。第1章の中坊のクソガキがどうしてクソガキなったかは、第5章まで読むとわかる。
    読み始めは『最低な家族』、読み終わりは『最高の家族』。仁侠好きとしては、おでん屋のエピソードがたまらないね

  • 父親が失踪した5人家族のそれぞれの内情を各自の視点から語っていく小説。
    一緒に住んでいても全然家族の気持ちがわかっていない所がなんだか考えさせられてしまった。

  • 著者の太陽がイッパイいっぱいが面白かったので読んでみました。リストラをうけて失踪した父親のあとにのこされた崩壊寸前の家族5人が主人公となる短編ストーリーです。章が進むにつれて紐解かれる真実に心をつかまれます。表現の仕方が巧みなところもツボで第2章の夫婦は似るっていうけどのくだりは最高です。

  • とある家族の群像。本当の姿は中々気づけないけど、家族は良いものと感じる。猫の名前は部長代理。友人に貸したら号泣したと言ってたので、響く人に凄いストーリーらしい。私はいまいち響かなかった。

  • とにかくいい。家族って一筋縄でいかないけど、みんなそれぞれの想いがあって、人と人とのつながりを感じられる。

  • 文学

  • 何かで評価さててたか忘れたが、積読の一冊。

    はじめの3章はありきたりの話。五人家族の末っ子の中坊語りからはじまり、次女の女子高生語り、ニート兄貴の語り。あぁ、著者の俺こんなに技術持ってます的な自己満足小説かと思いきや、4章位から前三章てある違和感が、緩和され、話が繋がりまとまり、ひと筋縄ではいかないなと思わせる展開。家出した父親不在の家族の話から、実は、そもそもこの家族血の繋がりが複雑で(祖父と父は養子、長男は父の前妻の子、次女は母の不倫相手の子、末っ子だけが失踪した父親とアル中になった母との間の子)家族なんて血の繋がりなんか関係なく、関係性で成り立つものだと言う家族のあり方を訴えた小説だとわかる。
    そんな構成よくできてるが、語り口が軽いのと、謎解きみたいな読み口なので、読後にそうだったんだよなあという終わり方で、特に印象に残らない。そんな小説だった。

  • 家族の崩壊と再生は、負を正にひっくり返すこと。
    父親への反感によって宗之は自分の正義を極端に信じていて、身近な人間を救えなかったことは宗之にとっておおきな挫折になる。
    自分の正義のためにカナの人生を救って、
    自分の正義を守るためにいなくなったように感じる。
    家族は方程式にはおさまらない。
    自分の力で覆すことができると静かに力強く信じたい。

  • 祖父・父・母・兄・姉・弟の六人家族。ある日、無職になった父親が何も告げずにいなくなった。
    その途端、残された家族は自分勝手に行動し、同じ家に暮らしながらバラバラの状態に…残された五人が語る連作短編集です。

    進学したくない、家に帰りたくない、思うような仕事が見つからない、子供達の悩みや葛藤。酒がやめられない、記憶がとどまらない、大人達の郷愁や懐古。
    一風変わったこの家族が抱える問題点はそれぞれ違って、自分自身で解決するか折り合いをつけて行くしかない。
    「あぁ、こういうことなんだ」誰かの働きかけがきっかけでも、核となるのは自分の気持ち。
    時にユーモラスで時に青春小説、スケールの大きさすら感じる。良かったです。

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著者プロフィール

1968年岡山県生まれ。2002年、第8回小説新潮長篇新人賞を受賞した『太陽がイッパイいっぱい』でデビュー。06年『厭世フレーバー』で第27回吉川英治文学新人賞候補、09年『太陽がイッパイいっぱい』で第5回酒飲み書店員大賞受賞。12年『Junk 毒にもなれない裏通りの小悪党』で第33回吉川英治文学新人賞候補。『ニート・ニート・ニート』は18年に映画化された。他の著書に『イレギュラー』『タチコギ』『Y.M.G.A 暴動有資格者』『路地裏ビルヂング』『ヘダップ』『俺達の日常にはバッセンが足りない』などがある。

「2021年 『共犯者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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