厭世フレーバー (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 318
レビュー : 53
  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167719029

感想・レビュー・書評

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  • 文学

  • 何かで評価さててたか忘れたが、積読の一冊。

    はじめの3章はありきたりの話。五人家族の末っ子の中坊語りからはじまり、次女の女子高生語り、ニート兄貴の語り。あぁ、著者の俺こんなに技術持ってます的な自己満足小説かと思いきや、4章位から前三章てある違和感が、緩和され、話が繋がりまとまり、ひと筋縄ではいかないなと思わせる展開。家出した父親不在の家族の話から、実は、そもそもこの家族血の繋がりが複雑で(祖父と父は養子、長男は父の前妻の子、次女は母の不倫相手の子、末っ子だけが失踪した父親とアル中になった母との間の子)家族なんて血の繋がりなんか関係なく、関係性で成り立つものだと言う家族のあり方を訴えた小説だとわかる。
    そんな構成よくできてるが、語り口が軽いのと、謎解きみたいな読み口なので、読後にそうだったんだよなあという終わり方で、特に印象に残らない。そんな小説だった。

  • 家族の崩壊と再生は、負を正にひっくり返すこと。
    父親への反感によって宗之は自分の正義を極端に信じていて、身近な人間を救えなかったことは宗之にとっておおきな挫折になる。
    自分の正義のためにカナの人生を救って、
    自分の正義を守るためにいなくなったように感じる。
    家族は方程式にはおさまらない。
    自分の力で覆すことができると静かに力強く信じたい。

  • 祖父・父・母・兄・姉・弟の六人家族。ある日、無職になった父親が何も告げずにいなくなった。
    その途端、残された家族は自分勝手に行動し、同じ家に暮らしながらバラバラの状態に…残された五人が語る連作短編集です。

    進学したくない、家に帰りたくない、思うような仕事が見つからない、子供達の悩みや葛藤。酒がやめられない、記憶がとどまらない、大人達の郷愁や懐古。
    一風変わったこの家族が抱える問題点はそれぞれ違って、自分自身で解決するか折り合いをつけて行くしかない。
    「あぁ、こういうことなんだ」誰かの働きかけがきっかけでも、核となるのは自分の気持ち。
    時にユーモラスで時に青春小説、スケールの大きさすら感じる。良かったです。

  • 一家の主が、突然家出した。残された5人の家族は、一つ屋根の下、全く噛み合わない生活に転がり落ちた。
    3人の子供たち、妻、ボケ始めた爺さんのそれぞれの目線で描かれる、それぞれの想い。誰もバラバラでいいなんて思っていない。何とかしたいともがきながら、でも誰とも相談しないからすれ違う。もういやだ。そんな感じ。
    さて、それぞれの想いは通じるのでしょうか。通じたら、どんな感じになるのでしょう。

  • 青春ものの体裁をとりながらテーマは軽くなく読み応えあり
    。語り口も古臭くなく、軽快でいい。

  • 再読。
    父親の家出を契機にバラバラになった家族が、それぞれの挫折を経て、また一つにまとまって行く話。
    三羽省吾さん、気になるし、好きな作家さんなのですが、何だか印象が纏まらないというか、何か統一されたテーマのようなものを持たない作家さんのような気がします。
    もっとも寡作な作家さんですから、間が空いてしまうせいかもしれませんが。
    初回に書いている印象よりかなり良いのですが、では何処がと問われても出てこない。特に大きな共感も無く、何とも感想が描きにくいのです。


    =====================
    08-066 2008/08/27 ☆☆☆

    家庭崩壊とその再生の物語です。
    世間では評判の良い作品ですが、何故かピンと来ませんでした。
    「うっせぇなぁ」しか言わない14歳。再婚した母親に遠慮して目立たない優等生であることを目指した17歳。不本意な仕事を退職したものの、それを言い出せない27歳。いずれも良く出来た造形なんですけどね。
    語り口のせいかもしれないし、設定された状況(父親が失踪しても、数年分の蓄えはある)のせいかも知れませんが、どこかシリアスさや切迫感が無い。なんだか単に「話し合わない」だけの家庭崩壊。そしてエンディングでは再びまとまる方向なんだけど、そのきっかけも唐突な気がします。
    もっとも、本当の家庭崩壊なんて、こんなものなのかもしれませんが。
    どうも、私は重松清の世界を期待したようです。その期待とのギャップが、肩透かし感に繋がっているのかもしれません。冷静に考えれば、確かになかなか良い作品に思えるので。

    しかしネコの「部長代理」のネーミングは秀逸でした。

  • 978-4-16-771902-9 279p 2008・8・10 1刷

  • うぜぇ、ムカつく、といった所謂『若者言葉』に食傷されて読むのをやめてはいけない。第1章の中坊のクソガキがどうしてクソガキなったかは、第5章まで読むとわかる。
    読み始めは『最低な家族』、読み終わりは『最高の家族』。仁侠好きとしては、おでん屋のエピソードがたまらないね

  • んんん……?という感じで終わった。
    とても淡々とした本。
    起も承も転も結もないような感じ。

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著者プロフィール

1969年、岡山県生まれ。2002年『太陽がイッパイいっぱい』で第8回小説新潮長編新人賞を受賞しデビュー。他の著書に『イレギュラー』『厭世フレーバー』『タチコギ』『公園で逢いましょう』『JUNK』などがある。

「2017年 『泥棒役者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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