厭世フレーバー (文春文庫 み 31-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167719029

感想・レビュー・書評

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  • 一家の主が、突然家出した。残された5人の家族は、一つ屋根の下、全く噛み合わない生活に転がり落ちた。
    3人の子供たち、妻、ボケ始めた爺さんのそれぞれの目線で描かれる、それぞれの想い。誰もバラバラでいいなんて思っていない。何とかしたいともがきながら、でも誰とも相談しないからすれ違う。もういやだ。そんな感じ。
    さて、それぞれの想いは通じるのでしょうか。通じたら、どんな感じになるのでしょう。

  • 青春ものの体裁をとりながらテーマは軽くなく読み応えあり
    。語り口も古臭くなく、軽快でいい。

  • 再読。
    父親の家出を契機にバラバラになった家族が、それぞれの挫折を経て、また一つにまとまって行く話。
    三羽省吾さん、気になるし、好きな作家さんなのですが、何だか印象が纏まらないというか、何か統一されたテーマのようなものを持たない作家さんのような気がします。
    もっとも寡作な作家さんですから、間が空いてしまうせいかもしれませんが。
    初回に書いている印象よりかなり良いのですが、では何処がと問われても出てこない。特に大きな共感も無く、何とも感想が描きにくいのです。


    =====================
    08-066 2008/08/27 ☆☆☆

    家庭崩壊とその再生の物語です。
    世間では評判の良い作品ですが、何故かピンと来ませんでした。
    「うっせぇなぁ」しか言わない14歳。再婚した母親に遠慮して目立たない優等生であることを目指した17歳。不本意な仕事を退職したものの、それを言い出せない27歳。いずれも良く出来た造形なんですけどね。
    語り口のせいかもしれないし、設定された状況(父親が失踪しても、数年分の蓄えはある)のせいかも知れませんが、どこかシリアスさや切迫感が無い。なんだか単に「話し合わない」だけの家庭崩壊。そしてエンディングでは再びまとまる方向なんだけど、そのきっかけも唐突な気がします。
    もっとも、本当の家庭崩壊なんて、こんなものなのかもしれませんが。
    どうも、私は重松清の世界を期待したようです。その期待とのギャップが、肩透かし感に繋がっているのかもしれません。冷静に考えれば、確かになかなか良い作品に思えるので。

    しかしネコの「部長代理」のネーミングは秀逸でした。

  • 978-4-16-771902-9 279p 2008・8・10 1刷

  • んんん……?という感じで終わった。
    とても淡々とした本。
    起も承も転も結もないような感じ。

  • 2014-8
    重いテーマな割に淡々と進むストーリー。
    次々視点が変わっていくのは面白いのに物足りなさを感じた。

  • 父親が出て行った三世代家族の物語

  • 一気に読めました。どっかの書評で評価されていたのと比べれば物足りなさがありました。

  •  「長距離走者の孤独」がおもしろそうなので、今度読んでみます。

  • 1章から順に次男・長女・長男・母・祖父と視点が変わっていくのですが、章を追うごとにどんどん面白くなっていきました!

    父親がリストラされて失踪。
    14歳の次男は今まで打ち込んでいた陸上部をやめて進学もしないと言う。
    17歳の長女は連日深夜帰り。
    27歳の長男は職がないのに父親代わりで家計のために肉体労働。
    42歳の母は酒浸り。
    73歳の祖父はボケ始めている。

    ってこう見るとすっごい重い話になりそうなんですが、それがそうならないのがこの本の良いところでしたね~。
    それぞれ皆大変なんだけど、なんだか明るい部分もあり、ユーモアもあり。何よりも失踪中の父親が破天荒すぎ^^;
    みんなの回想で登場するだけなのに存在感抜群です(笑)

    それぞれ外から見えている人格と、自分自身が語る内面は全く違っていて、それが章を追うごとにドンドン明確になっていく様子がいい。
    例えば、長女は連日深夜帰りで、他の家族は皆夜遊びしてると思っているのですが、実はそうじゃないとか。

    内容紹介に「家族の崩壊と再生を明るく熱くポップに描いた最高傑作」ってありますけど、ほんとそんな感じでした。

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著者プロフィール

1968年岡山県生まれ。2002年、第8回小説新潮長篇新人賞を受賞した『太陽がイッパイいっぱい』でデビュー。06年『厭世フレーバー』で第27回吉川英治文学新人賞候補、09年『太陽がイッパイいっぱい』で第5回酒飲み書店員大賞受賞。12年『Junk 毒にもなれない裏通りの小悪党』で第33回吉川英治文学新人賞候補。『ニート・ニート・ニート』は18年に映画化された。他の著書に『イレギュラー』『タチコギ』『Y.M.G.A 暴動有資格者』『路地裏ビルヂング』『ヘダップ』『俺達の日常にはバッセンが足りない』などがある。

「2021年 『共犯者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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