朝のこどもの玩具箱 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2012年8月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784167722098

作品紹介・あらすじ

『バッテリー』をはじめとした児童文学から、恋愛小説、SF、時代小説まで幅広いジャンルで活躍し続けているあさのあつこさん。そんな著者ならではの、色とりどりの作品が詰まった短編集が文春文庫に加わりました。



父を亡くし若い継母とふたり年を越す高校生、目が覚めたら魔法のしっぽが生えていたイジメられっ子、許されない相手への恋を祖母に相談する〈青年〉……希望がきらめく瑞々しい気持ちがギュッと詰まった、まさに小説の〝玩具箱〟。



姉妹篇『夜のだれかの玩具箱』と二ヶ月連続刊行。いずれも、あさのあつこワールド入門にも最適です。

みんなの感想まとめ

多様なテーマと感情が詰まった短編集は、心温まる物語の数々を通じて「本当に大切なこと」を教えてくれます。父を亡くした高校生と若い継母の心の交流や、魔法のしっぽを持つ少年の戸惑い、頑固なシゲばあさんの過去...

感想・レビュー・書評

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  • 「本当に大切なこと」を教えてくれるお話がたくさん。

    「謹賀新年」
    父の突然の死により、若い継母と2人で年越しする女子高生。血縁はなくても、お母さんと呼べなくても、あったかい関係と、そこに不在の父がせつない。エピソードの一つ一つがほっこりして、その分悲しい。

    「ぼくの神様」
    水俣病だったりイタイイタイ病だったり。人災とも言える病気は存在する。最近では印刷会社の社員が続々と胆管がんに罹患し、問題になっている。
    経済発展が落ち着いた日本ですらこうなのだ。神さまは自分の内にいる。トートが遺した言葉を抱いて踏み出したフユン。先が気になる。

    「がんじっこ」
    がんじっこで嫌われ者のシゲばあさん。彼女の説得を任されたのは、自己主張が下手で本音を言えない金池さん。ところがシゲばあさんががんじっこ(頑固者)になったのには理由があった…一つの後悔から、もう気持ちを偽らないと決めた女性の想いに胸を打たれる。

    「孫の恋愛」
    狐は人に化けて、人間社会に入り込んでいる。人間に滅ぼされないように…それなのに孫は人間に本気で惚れてしまった。心配した祖母狐はその相手に会いに行くのだが…

    「しっぽ」
    ある朝目覚めたらしっぽが生えていた。グレゴール・ザムザのように毒虫なるよりは何倍もましだが、晴日くんは当然戸惑う。でもこのしっぽ、ちくりと刺せば相手が従順な家来になるヌドゥの魔法のしっぽだった…。相手を思うままに支配出来る力を手に入れることの、そしてその力の虜になってしまうことの怖さ…。

    「この大樹の傍らで」
    近未来、汚染された地球から脱出し、ドームで育った子供たち。色素はだんだん薄くなり、命も短命になっていく…そんな世代の彼らが夢見たのは、祖父から聞いた地球のモリの美しさだった…

  • 6作品集力されているのですが、私は「がんじっこ」、「孫の恋愛」がお気に入りですね。

    がんじっこは、意地っ張りなおばあさんのお話しで、おばあさんが自分に正直なところ、どうしてそんな風になってしまったのかという経緯が感動しました。
    おばあさんを煙たがっていたのに自分を主張することがなかなかできない役場勤めの女性が、段々とおばあさんの生き様を知り共感する状況がとても良かったです。

    孫の恋愛では狐が人間世界に踏み込む中でのエピソード。
    孫が人間に恋をしてしまって、最後相手の女性に会いに行くおばあさん狐のお話し。
    一族全てを思い見守る内容に暖かさを感じました。

    まだまだあさの作品がたくさんあるので、徐々にですがチャレンジしたいと思います♪。

    • sorairokujiraさん
      このコメントからも暖かさを感じました。
      これも追いかけて読んでみますね。
      本当、読む本の傾向が似ているので(結構かぶってますね)すごく親近感...
      このコメントからも暖かさを感じました。
      これも追いかけて読んでみますね。
      本当、読む本の傾向が似ているので(結構かぶってますね)すごく親近感を持ってしまいます。
      これからも楽しみにしていますね。
      2012/12/27
    • kuroayameさん
      sorairokujiraさん、あさにさん作品ではちょっと珍しいお話かもしれません。
      短編集なのですが、バラエティーにとんでいて、味があり深...
      sorairokujiraさん、あさにさん作品ではちょっと珍しいお話かもしれません。
      短編集なのですが、バラエティーにとんでいて、味があり深く面白いものでした♪。
      おとなバージョンの本もありますが、こちらの朝のこどもの玩具箱のほうが私は好きです★。
      2012/12/27
  • 短編集はとっつきやすいと思い、手に取る。
    各話、全く違う時代背景、ファンタジーものだったり、現実的だったり。同じ作者で、これだけ幅が効くのだなあと、素人ながら物凄く関心した。
    「ぼくの神さま」から「がんじっこ」の流れ、素晴らしく好きな2話だった。勇気づけられた。
    そしてラスト「この大樹の傍らで」、最高。植物の名前を名字にもつ親友に重ねて、グッときてしまった。何より最後が、ベタでいいんです。最高なんです。
    そしてそして、あとがきでの「この大樹の傍らで」のコメント、担当の一言。ありがとうと伝えたくなりました。

  • 短編集。その名の通り玩具箱のよう。子どもの心理書かせたらこの人の右に出る人いないんじゃないかな。その他どれもじんわり温かくなる話ばかり。目頭が熱くなっちゃった。

  • 本当におもちゃ箱みたいにいろんな物語が詰まっている。主人公も世界観も設定もばらばらなのに、どの話も好き。このあとどうなっていくのかが気になるけど、読み手が自由に想像していいんだろうな。

  • すごいなぁ‥。
    それぞれ全く違う世界を描いた6つの物語。
    読み始めてすぐに物語の世界に引き込まれてしまう。

    「謹賀新年」の優しさにほっとして、「ぼくの神さま」のフユンの行く末にハラハラした。続きが読みたい!
    そして「この大樹の傍らで」、勝手に結末予測していたのだけど、それよりももっとずっと素敵なラストですごく嬉しかった。

    良かったなぁと思いながら自作解説を読んで、それがまた面白くてとても嬉しい。
    自作解説いいなぁ‥。全ての文庫につけてほしい。

    • まろんさん
      『朝のこどもの玩具箱』・・・それだけで想像の翼がひろがるような
      素敵なタイトルで、わくわくしますね♪

      あさのあつこさんは、バッテリーのシリ...
      『朝のこどもの玩具箱』・・・それだけで想像の翼がひろがるような
      素敵なタイトルで、わくわくしますね♪

      あさのあつこさんは、バッテリーのシリーズと
      その他を少し読んだだけで遠ざかっていたので
      takanatsuさんのおかげで、またお近づきになれそうです(*^_^*)
      2012/10/08
    • takanatsuさん
      まろんさん、コメントありがとうございます!
      私もそんなにあさのさんの作品を読んでいるわけではないので、いろんな世界を描ける方なんだなぁと驚...
      まろんさん、コメントありがとうございます!
      私もそんなにあさのさんの作品を読んでいるわけではないので、いろんな世界を描ける方なんだなぁと驚きました。
      レビュにも書きましたが自作解説がとても面白かったので、エッセイとかも読んでみたいなと思います♪
      2012/10/08
  • ☆☆謹賀新年☆☆   安奈と義理の母麻衣子さん。二人ぼっちになってしまった彼女達にいい年が来ますように。
    ☆☆ぼくの神さま☆☆  自分の神さまは自分の中にいる。その神さまに恥ずかしくないように。
    ☆☆がんじっこ☆☆  がんこもんのシゲばあさん。よくよく聞けば理由のあるがんこもん。金池さんはいい跡継ぎになるかしら
    ☆☆孫の恋愛☆☆  ばあちゃんは孫に甘い。どんな生き物でも?!
    ☆☆しっぽ☆☆  気に入らない人を下僕にできる尻尾。欲しい?いらない?やっぱ無くてもいいよね
    ☆☆この大樹の傍らで☆☆  宇宙を飛んできたおんぼろロケット。そしてこの星は新しいふるさとになる  

  • 初あさのさんなので短編を。
    どれもハッピーエンドで、やけど続きが読みたくなるおはなし。
    ぼくの神様の世界観が好き。次は長編にチャレンジしてみます。

  • 「謹賀新年」が好き。なんかじわっと来る。

  • 短編集!サクッと読むのに良い。
    あさのあつこさんらしい、読みやすい本。
    どの短編集も全部毛色が違ってよい。

  • 「謹賀新年」
    安奈が麻衣子さんの「はあい」の音調や笑顔や天然な言動が好きっていうところがなんかいいなぁ。麻衣子さんの人の好さが伝わってくる。いい母子になる、きっと。
    「がんじっこ」
    最後の最後まで生き抜くのって難しい。老いや哀れでできないことも増えて心も萎れてくるだろうけど、シゲは簡単に負けないし諦めないだろう。オイラも生きることに関しては往生際が悪くいたい。
    「この大樹の傍らで」
    担当者Hさんの助言にオイラも大賛成。この結末だからこの物語は希望あるものになったと思う。ちょっと思うのはこのタイトルって担当者Hさんの助言をもらう前に付けたものなんじゃないかな。

  • 謹賀新年
    いつまでも子どもでいられるだろうか?いつまでも世の中のことに大きく反応できる人でいられるだろうか?良いことには思い切り反応し、悪いことには反応しない。そういう器用な生き方ができるようになれればいい。よく笑い、沈まない人になりたい。

    単純でわかりやすいものだけが全てではない。非効率的で分かりにくいものが、無視できない大切なことの場合もある。人の心もそう。人の心はそう単純じゃない。

    単純も複雑も理解できる人でありたい。シンプルに考え結論を出すべきことと、じっくり考え続けるべきことを見極められるようになりたい。何事もバランスが大事。偏りすぎてはいけない。

    頭と心がリンクしていないのが、一番しんどいということに最近気づいてきた。頭ではそうすべきだと考えているのに、心はその考えに納得していない。システム1とシステム2みたい。これがリンクしたとき、初めて人はすっと力を抜いて生きられるようになる。

    ぼくの神さま
    胸の中にいる神さまの声を聞く、というのは、頭と心のどちらかと聞かれれば、どちらかと言うと心の声なのだろう。自分が本当に心から納得できる選択をしなければならない。どうするのが正しい?人のためになる?自分に恥じないように生きよう。でも、力は入れすぎない。

    限界があっても、必要な人がいる。全ては無理でも、必要な仕事がある。誰か一人でも幸せにできたならば、それだけでその人には価値があったということ。

    がんじっこ
    相手によってコロコロと態度を変えるのが一番ダサい。筋は通せ。

    居心地よくなりすぎたらダメ。ある程度、居心地が悪い空間に身を置くことに意味がある。

    何も言わないのは考えてないのと同じ。思ってるくせに何も言わず、後から陰でこそこそ言う。せこい真似するな。

    豪勢な生活などいらない。慎ましく幸せになればいい。人に親切にすること、決しておごらないこと。

    何か間違ったことをしたのなら、まずは謝らなくては。一言目はごめんなさいでなければならない。それ以外の言葉は、そのあとに言えばいい。でも、一言目は申し訳ないだ。
    自分は人のことを非難できる人間か?それほど大層な人間か?謙虚さを失ってはいけない。自分で言った言葉がブーメランのように自分に帰ってくるぞ。

    素直に感情を表現することは難しい。だからこそ、それができる人を羨ましく、妬ましく思うのかもしれない。でも、本当は自分がそうする勇気がないだけ。嫉妬してる暇があったら、自分が本当に相手のことを想ってできることを自分の心に聞け。相手の心に寄り添って、大切なことを見落とすな。でないと後悔するぞ。

    優しさだけが正義ではない。臆病者や卑怯者にはなるな。正々堂々と、その相手に必要なことを伝えよう。伝え方は考えなくてはならない。でも、伝えることをやめてはいけない。

    孫の恋愛
    悩んだり憂いたり悩んだりするよりも、笑い飛ばせる方が強靭だ。そりゃあうまくいかないこともあるけれど、前へ進むためには、笑顔で乗り越えるしかない。

    自分以外のものを自分よりも大切に想える。素敵なこと。それで1人前になるのだ。
    自分の想いは貫き通さねばならない。例えひとりで戦うことになっても、曲がらず真っ直ぐに生きていかなければ。

    この大樹の傍らで
    親を失うと人間は大人になる。自分で決断しなければいけなくなる。大人になるのは、時間をかけてなるものではない。覚悟を決めて一瞬でなる。

    何かのために熱中できるものが見つかると、子供ではなくなる。自分以外のなにかである必要がある。

  • どの話にも影と光のような二面性を感じていました。

  • 各、六篇の話しによって内容や設定も違っていてとても良かったと思う。個人的には第5篇の「しっぽ」が一番おもしろかった。人に流されることなくしっかりと自分の意志で行動することの大切さを知ることが出来た。

  • ほのぼのだったり、ハラハラしたり、勇気をもらったりと、それぞれの色のある短編集。

  • とにかくまずは短編だ。人物、設定、ストーリー。

  • 「こどもの」とあるけど、子供向けってわけじゃない。
    でも、見せ掛けにごまかされず、感覚的に本質を探り、そこへ一直線に飛んでいくというのが「こども」なら、こどもの本ですね。

    「孫の恋愛」いいですよね。このおばあちゃんの気高さ、奥行きの深さは、この設定だからすんなり入ってくるのでしょうか。孫の彼女のお父さんの初恋の人は、最初は、このおばあちゃんなのかも、と思っていました。でも、こっちの方が素敵ですね。

    巻末には、あさのさんご本人による解説文。それぞれの作品の舞台裏がのぞけるのも楽しいです。

  • 色んなお話の詰め合わせで、まさに「玩具箱」。あさのあつこさんが書く、現代版昔話すきだなあ。

  • 【謹賀新年】
    「麻衣子さん」「はあい」
    短い小説なのに、こんなにも登場人物が魅力的且つリアルに感じられて、涙まで出ちゃう話があることに衝撃を受けました。
    私は麻衣子さんがすごく好き。
    少女のようでいて、強くて優しい。
    相手を攻撃したりはしないんだけど、強い。
    キラキラと散りばめられた景色の描写や、思春期ならではの感覚の描写もとても素敵なお話。

  • 恋愛小説、児童文学、SFと、様々なジャンルの作品が詰め込まれたまさに「玩具箱」のような短編集でした。 改めて、あさのさんの少年少女の心理描写は上手いなあと感じました。 一緒に購入した「夜のだれかの玩具箱」も楽しみです。

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著者プロフィール

あさの あつこ:1954(昭和29)年、岡山県生れ。青山学院大学文学部卒業。小学校講師ののち、作家デビュー。『バッテリー』で野間児童文芸賞、『バッテリーII』で日本児童文学者協会賞、『バッテリーI~VI』で小学館児童出版文化賞、『たまゆら』で島清恋愛文学賞を受賞。著書は『福音の少年』『No.6』シリーズ、『弥勒の月』『アーセナルにおいでよ』など多数。

「2025年 『あなただけの物語のために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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