稲穂の海 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2013年4月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784167724047

作品紹介・あらすじ

そこに、人の暮らしの真の豊かさがある――



昭和40年代。高度経済成長とそれまでの暮らしの狭間で、生きる喜びと未来への希望を抱くたくましい地方の人間たちを描く短篇集。

みんなの感想まとめ

昭和40年代を舞台にした短編集は、地方の人々の生きる喜びと希望を描き出しています。作品は、方言を交えた登場人物たちのリアルな会話を通じて、当時の空気感を巧みに表現しており、読者はまるでその時代に自らが...

感想・レビュー・書評

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  • 郷土の作家ですが、残念ながら今まで読んだことがありませんでした。初めて読んでみたのですが、当に郷土を舞台にした高度成長時代の頃の昭和の時代の短編が8つ。いわゆるズーズー弁を喋る登場人物たちや馴染みの地名に、そこに自分がいるような臨場感が湧き起こりぐいぐい読み進むことができました。良く考えてみると話し言葉がその土地の良さを物語っているにも関わらず、方言で書かれた小説が少ないのは残念なことかもしれないと考えます。

  • 熊谷達也の稲穂の海を読みました。

    昭和40年代の仙台近辺を舞台に、その時代に生きた人々を描いた短編集でした。
    方言をとりまぜて描かれていてその時代の空気が感じられる物語でした。

    現在ではこの時代の名残もほとんどなくなってしまっていて、昭和は遠くなったなあと思ったのでした。

  • 【そこに、人の暮らしの真の豊かさがある――】昭和40年代。高度経済成長とそれまでの暮らしの狭間で、生きる喜びと未来への希望を抱くたくましい地方の人間たちを描く短篇集。

  • 昭和40年代の宮城県に住む人々の暮らしぶりを描いた短編集。

    方言使いで書かれているものもあり、非常に情緒豊か。
    昔話『梅太郎』が良かったな。

  • 昭和四十年代の宮城県を舞台に描かれる珠玉の短編集。いずれも懐かしく、心に訴えるものがあり、なかなか面白い作品に仕上がっている。

    『酔いどれ砲手』は牡鹿半島を舞台に廃れゆく捕鯨をユーモアを交えながら描いており、ユーモアの中に潜む哀しさが何とも言えない。

    『稲穂の海』は宮城県北を舞台に減反政策にあがらう若者の姿をユーモアを交えながら描く。

    『梅太郎』は民話を収集する大学の若手助手と語り部の婆さんを描いているが、あくまでも純粋な婆さんに対して、物事を四角四面に捉え過ぎる大学助手の姿が滑稽である。

    『屋台「徳兵衛」』は思わずホロリと来る人情話。今は見ることの無い屋台の描写が何とも言えない。

    『てんとう虫の遍歴』も昭和の時代を上手く描いている。あの時代、自家用車は憧れであり、自家用車を持つことはものすごいステータスだった。

    他三編も懐かしく、ユーモアの中にある人情味が心地良い。

  • 邂逅の森を読んでから、すっかりはまってしまった作家さん。
    出身地の仙台を舞台にした話が多い。

    稲穂の海は、昭和40年代の東北を舞台に、農家、漁師、酪農家などを描いている。
    この時代をふりかえって、今を考えると、沢山の失われた輝きが見える。
    最後の『団地の世代』は、年老いた母が昔住んだ団地へ終の住処を移す話であり、地域コミュニティの繋がりを描いていて、示唆に富んだ作品。

  • おっ。初1ゲット。

    熊谷達也氏、おとうさんになって下さい。

  • 昭和40年代を舞台にした短編集です。
    熊谷さんといえば東北、自然、動物、マタギなんてキーワードが浮かびます。この作品は東北を舞台としているものの、人情ものというのが相応しそうです。
    衰退する捕鯨の砲手を描いた「酔いどれ砲手」、米の減反政策に翻弄される農民を描く「稲穂の海」、民話の語り部を主人公にする「梅太郎」、屋台の親父の幸せを描いた「屋台「徳兵衛」」、スバル360との不思議な邂逅の物語「てんとう虫の遍歴」、畜産農家の悲喜の「桃子」、ちょっとスタンドバイミーを思わせる「星空を見ていた夜」、不思議な「団塊の世代」。
    高度成長期の貧しさからの脱却の時期、どこか希望に溢れ、ノスタルジックで、暖かい。そんな話が続きます。熊谷さん、こんな話も書くんだな。

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著者プロフィール

1958年仙台市生まれ。東京電機大学理工学部卒業。97年「ウエンカムイの爪」で第10回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2000年に『漂泊の牙』で第19回新田次郎文学賞、04年に『邂逅の森』で第17回山本周五郎賞、第131回直木賞を受賞。宮城県気仙沼市がモデルの架空の町を舞台とする「仙河海サーガ」シリーズのほか、青春小説から歴史小説まで、幅広い作品に挑戦し続けている。近著に『我は景祐』『無刑人 芦東山』、エッセイ集『いつもの明日』などがある。

「2022年 『孤立宇宙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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