かばん屋の相続 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 3972
レビュー : 474
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167728052

作品紹介・あらすじ

池上信用金庫に勤める小倉太郎。その取引先「松田かばん」の社長が急逝した。残された二人の兄弟。会社を手伝っていた次男に生前、「相続を放棄しろ」と語り、遺言には会社の株全てを大手銀行に勤めていた長男に譲ると書かれていた。乗り込んできた長男と対峙する小倉太郎。父の想いはどこに?表題作他五編収録。

感想・レビュー・書評

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  • 人生とは、ハッピーエンドばかりではないということを痛感しました。だけど、泥臭く生きるしかないんだなー、ということを5人の銀行員から学びました。

  • 池井戸さん初読みです。
    サラリーマン家庭からしてみれば
    銀行さんとのお付き合いというと住宅ローンくらいですが、
    町の中小企業と銀行や信用金庫は
    ビジネスだけじゃない深い繋がりがあるんですね。
    銀行が企業を育てるという意味が初めてわかりました。

    出世や保身に必要以上にこだわる銀行員の
    ダークサイドも垣間見えて面白かった。

  • 面白かった
    いつもの短編連作と思いきや、単純に6編の短編集でした。
    ミステリー色は薄く、短編とはいえ中小企業の苦悩と銀行員の想い、切なさを描くストーリでした。

    【十年目のクリスマス】
    融資を見送られた中小企業で、火事が発生し倒産。一文無しになった社長と家族達。
    その10年後、町で裕福な社長の姿を見かけます。どうしてそんな生活が出来るのか?
    そのからくりに気がつきますが、もう一つの姿をみつけて..という展開
    ちょっとじんわりくる

    【セールストーク】
    融資を見送られた印刷会社に突然の入金。不渡りは真逃れますが、その入金元は?
    そのからくりには腐った銀行員の策略が..
    これは、勧善懲悪のスッキリしたストーリ展開でした。

    【手形の行方】
    1千万円の手形が行方不明に。行内をくまなく探しても発見できず。
    手形を紛失した銀行マンの行く末は?
    そして、紛失の真相。
    これは、ちょっと重い話でした。

    【芥のごとく】
    新人バンカーと中小企業の話。中小企業を立ちなおせると息巻いた新人バンカーと毎月の入金ギリギリの青色吐息のその企業。しかし、これまた手形にまつわって、会社は危険な状態に。そして、その結果..
    銀行員の切なさを知る話です。

    【妻の元カレ】
    勝ち組と思っていた銀行員。なかなか出世できない状態で、見つけた妻の元カレの会社設立のハガキ。
    二人の関係を疑いながらも問いただすことができず。
    そんな中、元カレの会社が倒産、そして、転勤の辞令が..
    妻とはどうなる?
    これまた切ない..しかし、この奥さんどうよ!!ひどい

    【かばん屋の相続】
    かばん屋の社長が急逝。遺された二人の兄弟。生前、二男には、相続を放棄しろと伝えながらも、会社の全株を大手銀行に勤めていた長男に譲る遺言が..
    長男と対峙する次男。いったいどうなる?
    父の想いは何なのか?
    これまた、ちょっと複雑な気持ちになりながらも勧善懲悪なストーリ!

    ということで、どの作品もしっかり楽しめました。
    お勧め

  • 六編から成る短編集。
    短編でありながらどの作品も読ませる力がある。

    一澤帆布の相続争いを思わせる「かばん屋の相続」は、長編として読んでみたかった。

  • 前にレビューした池井戸さんの本があまりに面白かったので、
    最近出たこっちの文庫本も読んでみました。

    タイトルは「かばん屋の相続」ですが、短編小説です。
    かばん屋の相続って、まんま一澤帆布でしょうと
    思わず突っ込みたくなりますが、一応フィクション。
    短編なだけあって、長編小説のような深みはないですが、
    軽いミステリー調になっていて、
    帰りの新幹線の中で読み切ってしまいました。

    個人的には、「芥(あくた)のごとく」がちょっと切なくて好きです。

  • 解説をされた村上貴史さんが、「小説とは、主人公がいて、主人公のためのストーリーがあって、彼/彼女を取り巻くその他の脇役がいて、それで成り立っているのではないのだ。池井戸潤の小説では、脇役たちもまたしっかり生きている」と書かれていた。そこが池井戸潤小説の面白さだと、切に思った。長編が好きで、短編集はあまり好きではないのだけれど、彼の作品は短編にも主人公以外の人生や心情が絡んでいて楽しめる。

  • 短編集。表題の短編を目的に読み始めましたが、その他の短編もグイグイ読ませる面白さ。短編なのがもったいないと思う一方、短編だからこそ面白いとも感じながら読了しました。池井戸潤さんの本は、お名前は当然存じておりましたが、これが初で、ここまで面白い本を書かれている方だとは・・・。さすがです。時間があれば他の有名長編も読みたいと思いました。

  • 一つ一つの話は短いのに満足感が高い!
    「芥のごとく」はあっけなく、でもたしかな感触を残していく作品。
    「かばん屋の相続」は短編ながらも登場人物のその後の人生まで描かれていて、最後はそれぞれ収まるべきところにと収まるスッキリ気持ちの良い結末。

    最初は短編集と気付かず読み始めたのでやや萎え気味のスタートだったけれどサクッと楽しく読了できました。

  • 全6編からなる短編集。短編集なのにすぐその世界に入り込んでしまうこの作品。魅了されちゃいます。池井戸さん! ミステリー要素抜群で飽きが全くこなく読ませてもらいました。

  • 都銀、地銀、信金、さまざまな銀行員の方が主役になってる短編集。
    最近、池井戸さん続きで胃もたれ気味ですが、読めばぐいぐい惹きこまれます。ほぼ一気読み。

    銀行さんのお仕事って大変なんですよね。
    そしてちょっと独特の空気感があるんですよね。
    非情に徹しなければならないし、、、、かと言って、銀行さんに日々詣でられ「お金借りてくれ」って言われる立場から言わせてもらうと、バンカーって人は会社の決算書のどこ見てんだろう?
    銀行がお金を貸すのは志あれど今、この時お金がない人のために、志を理解し、協力するんでは?
    あ、、これ、つい最近放映されてた「あさ」のお話ね。

    実際は銀行も企業であり、利益を生まなければならないんだから、きれいごとなんて言ってられないんでしょうけど。

    この短編集読むと、色々な銀行員がいるんだなぁと。。。感じましたね。
    タイトルになってる「かばん屋の相続」は一澤帆布がモデルですよね。まぁ、実際のドロドロを池井戸さんっぽく綺麗に料理されてますが。

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著者プロフィール

池井戸 潤(いけいど じゅん)
1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学文学部および法学部を卒業。子供の頃から本に親しみ、作家を志すようになる。『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。以降、2010年『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞、2011年『下町ロケット』で直木賞をそれぞれ受賞。他の代表作に、半沢直樹シリーズ『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』、花咲舞シリーズ『不祥事』、『空飛ぶタイヤ』『民王』『ルーズヴェルト・ゲーム』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』など。多くの作品がドラマ化・映画化されており、特に「半沢直樹」と「下町ロケット」は非常に高い人気を誇った。 2019年6月21日、人気作『陸王』が文庫化される。2019年7月開始の大泉洋主演ドラマ『ノーサイド・ゲーム』原作を担当し、6月14日に単行本化。

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