民王 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 4655
レビュー : 554
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167728069

作品紹介・あらすじ

夢かうつつか、新手のテロか? 総理と息子の非常事態が発生--。「お前ら、そんな仕事して恥ずかしいと思わないのか。目をさましやがれ!」漢字の読めない政治家、酔っぱらい大臣、揚げ足取りのマスコミ、バカ大学生が入り乱れ、巨大な陰謀をめぐる痛快劇の幕が切って落とされた。総理の父とドラ息子が見つけた真実のカケラとは!? 謎が謎をよぶ、痛快政治エンタメ!

感想・レビュー・書評

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  • ちょっと堅めの本を読むことが多かったので、
    池井戸さんの小説で筆休め。

    池井戸さんには珍しく、銀行ネタではなく、
    政治ネタ。しかも、ちょっとSF的な要素が入った話。
    アマゾンプライムで、同じタイトルのドラマも見ながらの読書でした。

    (ドラマの方はまだ見終わっていないのですが、)
    小説とドラマではちょっとストーリーが異なりますね。
    だから、どっちかしか見ていない人も楽しめる設定になっています。

    個人的には、池井戸さんの得意分野の方の小説の方が、
    リアリティーがあって好きですが、
    こうやって著者も冒険・挑戦して、
    自身のすそ野を広げる努力をしているのかと感じました。

    SF的な要素の中にも、池井戸さんらしいリアリティーが
    組み込まれている意欲的な作品です。

  • とにかく爽快である!

    総理大臣になった武藤泰山と息子の翔があることが理由で入れ替わってしまう。あり得ない設定だけれど、それぞれが揺れ変わることで、相手の成長や姿勢、忘れていた志を思い出す。漢字は読めるにこしたことはないけれど、翔の正直なコメントに日本が動き出す。共感できること満載でした。

    政治家のみなさん、ぜひ本書を読むことをおススメします。

    なんて偉そうなことを言う前に、私たちにも大切なことを気づかされた。政治家の女性問題などプライベートなことはいくらでも目に入ってくるのに、その政治家にどんな実績があるのか、どんな活動をしているのか、どんな理念を持っているのかを全然知らない。知ろうとも思ってこなかったな。選挙の時ににわかじたてのようにマニフェストは知ろうとするけれど、それが政治家になってからどうなっているのか知らない。それってどうなの、私!という感じです。

    「おとなになろうぜ」というセリフにはっとさせられた。

  • 友人の勧めで。

    真面目で熱いメッセージをコミカルなやり取りの中で届けてくるところがこの作品のいいところ。
    真面目に論じるとこの作品の良さが伝わらなくなりますが、とても楽しく読めました。

  • まさかの設定な上に、二転三転して先が読めない展開。。。なかなか面白かった。
    池井戸作品らしい、いつもの爽快感はあったけど、感動まではなかったので4点かな。

  • 理想論ばかり語る若者は性質が悪いが、理想論すら語らないのは、もっと性質が悪い。なるほどなー。これは、総理大臣の息子に対する、就職面接官のセリフ。ひとりの総理大臣を巡り、奇想天外な事件が巻き起こる。

    池井戸潤の得意分野は金融。自らの銀行員の経験から語りやすいのだろう。政治分野が得意には見えないが、それ程の深みが無いからこそエンターテイメント性を発揮できる。総理大臣の漢字の読み間違い。社会風刺を面白おかしく取り入れたストーリー設定。あり得ないよなー、と思いながらも素直に楽しめます。

  • 息子と父が入れ替わる物語。職業は総理大臣。政治とはなんだということを改めて面白く表現されている。しかも非常に読みやすい。難しくもなくすぐ読んでしまった。漢字が読めない首相と皮肉って表現してるけど、麻生さんのこと言ってんだろうなと(笑)

  • ドラマ化されている作品が多い中、一度も原作を読んだことがなかった。
    民生に関しても、先にドラマの方を見ていたから始めは息子の翔の設定にとまどった。
    政治のことはよくわからないが最後までテンポよく読めたし、終わり方も原作の方が圧倒的に良かった。

    それにしても、武藤泰山のモデルが麻生太郎だったとは...。解説を読んで初めて気付かされた。

  • 残念…残念過ぎる…
    これは本当に「空飛ぶタイヤ」や「鉄の骨」と同時期に書かれた作品なのか?
    この本書いた作者こそ、脳みそが誰かと入れ替わってしまったのか?

  • 本を読んだ気になっていたけど、よく考えたらドラマを観てただけでした。
    ドラマはかなり面白くてお気に入りだったので原作も読んでみました。

    ドラマ同様面白かったですが、原作から結構変更してたんですね。
    俳優にハマリ役が多く(コメディとして)正直ドラマの方が面白かったのですが、最終的なオチがちゃんとあって、理由の説明もあって、すっきり気分爽快なのは原作でした。

  • いつもの池井戸作品と同じく、正義が悪を退治する爽快感はある。
    漢字の読み間違いや飲酒会見をバカ息子がやったとするギミックは面白い。
    逆にこれをやりたいが為にこの作品を作ったのじゃないかと思うくらいでした。
    ただ、個人的には池井戸作品の魅力は、
    身近で起こりそうもしくは起こるけど
    実際だったらこんなこと言えないなぁだったり、
    家に帰ってからこうやって言ってやれば良かったんじゃないか等もんもんと考えたようなことを爽快感ある作品として仕上げているとこが好きなので、
    今回の設定がトンデモすぎて池井戸作品の中では少し劣るかな。

  • ある日突然、総理大臣の父親と漢字もろくに読めないバカ息子の意識が入れ替わった。
    何とも荒唐無稽な話だけれど、入れ替わってしまった後のふたりのようすが面白い。
    最初は戸惑ってばかりいた二人だけれど、世間に公表するわけにもいかず、それぞれ総理大臣や大学生として国会や就職試験に臨むことになる。
    いくらバカ息子とは言っても一応大学生。
    こんな漢字くらい読めるだろう!とつっこみを入れながらも、漢字なんか読めなくてもピュアでまっすぐな心を持ち続けている翔には好感が持てる。
    国家のことなんて二の次三の次、相手を蹴落とすことばかり考えている国会議員には翔が言っていることなんて耳に届かないだろうけれど。
    父である泰山も、就職試験のために書かれた志望動機を読んであらためて息子の思いを知る。
    表向きの企業理念と、内向きの理想なんて追い求めていたら経営なんか成り立たないと考えている実情。
    実際の企業にも当てはまるような話の展開に、ちょっと考え込んでしまった。
    綺麗事はいくらでも言える。
    でも、その通りにしていたら利益を求めるという企業の根幹が揺らいでしまう。
    その兼ね合いが難しいのだろうな、と。
    入れ替わったことで泰山は政治家としての初心を思い出し、翔はあらためて社会というものを考えるようになる。
    痛いところを突きながら、エンタメ性の高い物語にしているところが池井戸さんらしい。

  • 普通だった

  • 親子入れ替わりネタの話はたくさんあるが、国民のために政治家は何をすべきか、政治とは何か、それらを笑いでくるんで読みやすく問うている点は一読に値する。
    とくに首相に入れ替わったドラ息子「翔」や、息子に入れ替わった「泰山」が国会や面接で放った一言は実に痛快!スカッとすること請け合い!
    作中に出てくる「漢字が読めない政治家」や「酩酊状態で記者会見に臨んだ大臣」のくだりもあり、実在の首相や大臣の風刺ものである点も面白い。

  • 総理大臣とそのバカ息子が入れ替わるという、ありそうでなかった話。階段ゴロゴロしなくても入れ替わるんだなー、と最初の方は読むのを止めようかと思うくらい単調。政治パロディは面白いけど、日本ってこんな政治家ばかりで将来大丈夫か?と悲しくなってくる。後半からは、入れ替わった理由や政治の本質、就職活動の様子など引き込まれるところが多い。読んだ人みんなが、政治家には利益のバラマキでなく、進めて欲しい法案があると気づかされるだろう。確かに、政治家に愛人がいようがきちんと仕事をしてくれればどうでもいいことだと思った。

  • ドラマが面白いので、初の池井戸潤読み。
    「半沢直樹」を見た時、これこそまさに痛快娯楽現代劇だと思いましたが、娯楽度はこちらが上。

    総理大臣の父と就活中の大学生である息子が入れ替わることによって、政治家として、大学生としてのやり取りがずれる。
    アンジャッシュのコントのような可笑しみが、時に切なく、時にほのぼのと、そして概ね笑いとして押し寄せてくる。

    キャラがしっかり立っているからなんだな。

    そして何よりも、正論を堂々と言い放つことの痛快さ。

    本音を言えば引かれる。
    正論を言えば煙たがられる。

    そんな昨今だからこそ、正論に寄って立つことの清々しさが貴重。
    もちろん、正論で全てが片付くわけではないことは百も承知だ。
    だけど、正論すら語れなくなったら、世の中おしまいではないの。

    “「君みたいにさ、理想論ばっかり言ってる若者っていうのは質が悪いんだ」(中略)「だが、理想論すら語らない若者はもっと質が悪い”

    若者だけではないよ。
    大人だってだよ。
    理想万歳。まことに痛快。
    オトナになろうぜ、これ読んで。

  • 奇想天外な展開ながら引き込まれるのはテンポの良さゆえか。入れ替わったふたりのコミカルなやりとりと、核心を突く台詞の数々が心地よい。
    起承転結のスムーズさはいかにも物語らしいが、エンターテインメントとしては娯楽性に富んだお話。

  • またまた、テレビドラマ原作^_^;
    身体と心が入れ替わるはなしはいろいろあって、ドラマ化も映画化も数多あり。
    でも、おもしろい。
    ちょっと、風呂7広げすぎた感じがあり、
    エリカちゃんがもう少し書き込まれてると面白かったかなぁ・・・?と。

    原作にはないキャラや展開でドラマの方は進んでいきそうな感じもするので、
    金曜日の夜中を楽しみに生きようとおもう。

  • 総理大臣の父親と漢字も読めないダメ大学生の息子が入れ替わる… 設定としてはよくあるものだ。 あまり良好でない親子関係、息子を見下していた父親も、息子の成長に驚き言葉に心動かされる。 政界の様々な思惑の中で誰が黒幕なのかを考えながら読んでいく。 スピード感がすごく読む手を止めさせない作品。

  • 実は、総理の息子のほうが
    会社面接の志望動機などしっかりした考え方をしていて、
    その胸につきささってくる動機の文章に感動を覚えずにはいられませんでした。
    さすが議員の息子だけあって同じ血が流れているからか、
    逆に泰山は息子を認めながら議員になった初心を思い出させられることになっていた。そんな旦那を好きになっていた妻の綾も。
    いいシーンでした。

    ドラマはどうなるのだろう

  • 泣けた。相変わらず池井戸潤は泣かせます。

    仕事前に読んでいて、マジで泣けて多分完全なる変な人だと思われたであろうと思います。

    なんていうか、さらっとギャグあり、逆襲あり、どんでん返しありで、それでいて熱いことやるから、鳥肌たつような後味の悪い青春とも違う、ハートウォーミングな内容です。

    全ての有権者に読んでもらいたい。

    と、書いてありましたが、確かに。なるほどな。と。政治家どうしようもねーな。と思いつつも、それを選ぶのは私たちなわけで、日本を作って行くうえで、どーせダメだ誰がやっても。なんて思わずに、政治家をしっかり選ぶことが、今後の日本に続くと。漢字も読めないような政治家を選ぶなよ。と。

    そんなふうなことに、やたらと納得させられる一冊でした。

    政治家なんて誰がやっても同じことかと思ったけど、もしかしたら違うかもしれない。

    という、希望のある一冊でもありました!

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著者プロフィール

池井戸 潤(いけいど じゅん)
1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学文学部および法学部を卒業。子供の頃から本に親しみ、作家を志すようになる。『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。以降、2010年『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞、2011年『下町ロケット』で直木賞をそれぞれ受賞。他の代表作に、半沢直樹シリーズ『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』、花咲舞シリーズ『不祥事』、『空飛ぶタイヤ』『民王』『ルーズヴェルト・ゲーム』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』など。多くの作品がドラマ化・映画化されており、特に「半沢直樹」と「下町ロケット」は非常に高い人気を誇った。 2019年6月21日、人気作『陸王』が文庫化される。2019年7月開始の大泉洋主演ドラマ『ノーサイド・ゲーム』原作を担当し、6月14日に単行本化。

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