雨の日のイルカたちは (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2007年4月10日発売)
2.90
  • (3)
  • (6)
  • (28)
  • (11)
  • (3)
本棚登録 : 129
感想 : 23
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784167731014

みんなの感想まとめ

喪失感を抱える人々がその感情と向き合い、どのように生きていくのかを描いた作品は、感覚的で夢のような世界観が広がります。短編集のように感じられる構成は、各話が独立しつつも微妙に繋がりを持ち、読者に多様な...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • うーん、なんというか着地点が見当たらない小説だったかな。四遍別々にも読める短編集のようですが、少しずつは繋がってる。
    最後の話は割と分かりやすかったのかな。過労死と思われる亡くなり方をした夫に女がいたのが死後に判明する、奥さんの心中とか世間の寡婦への視線が出てきてドロッとしつつも人間ぽさがあって。
    一章目が1番どうしたかったのかわからなかった。。。浜辺に打ち上げられたイルカは、水族館から逃げたイルカだったのかしら?
    タイトルでなんとなく惹かれて選びましたが、この小説を好むには、私の頭は単純明快なものが好きに出来てるみたいです(笑)

  • 最初の二つ話ががよくわからなくてやめようと思ったんだけど、後半の二つはよかった。
    特に「百万語の言葉よりも」の最後の多恵さんの考え方はきっと怖い?病的?と思う人もいるかもしれないけど、私はきれいだと思った。

  • 四編の短編小説からなり、それぞれがゆるく繋がっています。
    (前編で出てきた登場人物が、今度は主役として登場したりします)
    すべての話で生きるということはどういうことなのか、が淡々と綴られています。

    思ったのは、この人は人物を描くのが苦手なのかもしれません。
    ところどころ台詞の口調に違和感があって、なにか一貫性がないというか、芯が通ってないようなする登場人物が多いです。
    そしてみな同じように理屈っぽく生きることを考えます。
    もっと生きることに関する考えは十人十色だと思いますけどね。
    片山さんが伝えたいのはそういった哲学で、そこへ持っていくための話やら登場人物たちはただのお飾りに過ぎないのかなぁ、と思います。

    もちろん良い文章だなぁと思える部分もあるのですが、ちぐはぐ感は拭えないです。
    そして最後の話はどん引き。
    とりとめのない日常を語るのに、そこに着地しちゃうんだ。。。みたいな。

    イルカは……よくわかりません。
    タイトルにするぐらいなので重要なテーマだとは思うのですが(文中にもときどき出てきます)、作品と繋がっているようには思えませんでした。

  • 片山恭一の哲学を凝縮したような一冊。もともと、小難しい話を読者に語りかけるような作風(自分の勝手な印象であるが)である彼の、普段は言えないことを分かる人にだけ言ってみた、という、本音が表されたものである(これも自分の勝手な印象)。だから、自分も含め、平凡な読解力と想像力しか持ち合わせていない読者は、つまらないと感じてしまうかもしれない。

  • 短編集。
    最後のお話、『百万語の言葉よりも』が良かった。
    旦那さんが亡くなって色々分かったりって、どんな気持ち
    だろうっと思いながら読みました。

  • 4つの短編集と思いきや、少し登場人物とかがループしているんですね。
    でもなんだかわかりづらく、もう一度パラパラっと読み直しても?でした。
    1つ目の話が全くわからない…

  • 人生で初めて自分で購入した思い出の本。喪失感を持っている人たちが、その喪失感とどのように生きてゆくか、そんなことがかいてある。

    -------
    ふわっふわしてる。どこでもないとこ、とても感覚的。こゆ文章が好き。現実じゃない、精神の世界。

  • ◆あらすじ◆
    妻と赤ん坊をホテルに残し、浜辺を散策する男。
    中州の風俗で働く十九歳の少女。
    スーパーの店員から介護士に転身した青年。
    突然死した最愛の夫に愛する女性がいたことを知った妻。
    そして水族館から逃げたイルカは、どこを泳いでいるのか……。
    深い喪失感を抱えながら生きていく人たちを、祈りにも似た言葉で描く四篇の物語。

  • 生まれてしまったからとりあえず死ぬまで生きてる。

  • ふこうなことがあったひとたちのはなし


    つまらなすぎてすてた

  •  連作ともいえる4作の短編集。セカチュウだけではこの作家に本当の評価をくだせまいと思って読んでみました。<br>
     強引に読者を納得させようとしている感じが、どうにもしんどかったです。全体的に、作者の主張が出しゃばっている。なんでも「〜と、●●は思った」と付け加えれば、その登場人物の見解になるというものではないはずだし。そのくせ、いきなり論理が飛躍したりもする。最後の話はほとんど惰性で読んだ感じでした。<br>
     はっきりいってセカチュウの方が断然よかったのだけれど、3つめの「彼らは生き、われわれは死んでいる」は、老いに人生の意義を見出した点が秀逸だと思ったので、★を1コおまけして3つにしました。

  • 作者の片山恭一は言わずと知れた『世界の中心で愛をさけぶ』の作者である。

    全部で4編からなる短編小説だが、登場人物がそれぞれ前の話に出てきた人が次の話で語り手となるので、連作集とも言えるのかも知れない。

    生と死、というテーマがありつつ、その他に+α的要素として、虐待・騙されて借金を背負わされてヘルスで働く女・老い・テロ等がそれぞれの話の中に登場する。ありがちな話だなと思ってしまい、いまいち面白みが少なかった。

    私は一番最後の『百万語の言葉よりも』という話が一番よかった。
    過労死で亡くなった夫に実は愛人がいて・・・という一見するとドロドロしてそうなのだが、その夫の突然の死と突然の愛人発覚に子供たちや親戚に支えられつつ受け入れていく妻の姿が良かった。

  • う〜ん、深い…ちょいわかりにくいループかなぁ

    「後悔や諦念や絶望も含めて、一回限りの人生が、少しずつ自分のものになってくる。」

  • まえ〜に新幹線の中で読みました。
    関係ないが、新幹線ホームにある売店の人々が繰り出す技のスピードは全てが超音速級。
    一瞬のうちにカバーをかけてくれました。
    拍手!

  • 「アンジェラスの岸辺」「雨の日のイルカたちは」「彼らは生き、われわれは死んでいる」「百万語の言葉よりも」の4つの短編から構成されている。4作品ともに「生と死」がテーマで、微妙に作品同士が絡み合っている。9・11についてところどころで言及されているのが特徴。
    『死』との捉え方を考えさせられた作品。「自分は自分だと思い込むことによって、わたしたちは幸福をすごく窮屈な場所に閉じ込めているのかもしれない。わたしがわたしでいられるのは、わたし以外のささやかなものたちのおかげ。イルカやアジアンタムや今日の雨や。」「死んだように生きている。すでに死んだ生を、それと知って生きている。この社会では、そういう生き方しかできなくなっている。だから痛い思いをして、生きていることを、まだ死んでいないことを、誰かに対して証明しなくてはならないのだ。」(07年5月13日)

全15件中 1 - 15件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

昭和34年(1959年)愛媛県宇和島市に生まれる。愛媛県立宇和島東高等学校卒業。1977年九州大学農学部に入学。専攻は農業経済学。1981年同大学卒業、大学院に進む。1986年「気配」にて『文学界』新人賞受賞。1995年、『きみの知らないところで世界は動く』を刊行。はじめての単行本にあたる。2001年『世界の中心で、愛をさけぶ』を刊行。その後、ベストセラーとなる。近著に『世界の中心でAIをさけぶ』(新潮新書)、『世界が僕らを嫌っても』(河出書房新社)などがある。福岡市在住。

「2024年 『含羞の画家オチ・オサム—美術集団「九州派」の先駆者—』 で使われていた紹介文から引用しています。」

片山恭一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×