雨の日のイルカたちは (文春文庫 か 37-1)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167731014

感想・レビュー・書評

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  • 最初の二つ話ががよくわからなくてやめようと思ったんだけど、後半の二つはよかった。
    特に「百万語の言葉よりも」の最後の多恵さんの考え方はきっと怖い?病的?と思う人もいるかもしれないけど、私はきれいだと思った。

  • 四編の短編小説からなり、それぞれがゆるく繋がっています。
    (前編で出てきた登場人物が、今度は主役として登場したりします)
    すべての話で生きるということはどういうことなのか、が淡々と綴られています。

    思ったのは、この人は人物を描くのが苦手なのかもしれません。
    ところどころ台詞の口調に違和感があって、なにか一貫性がないというか、芯が通ってないようなする登場人物が多いです。
    そしてみな同じように理屈っぽく生きることを考えます。
    もっと生きることに関する考えは十人十色だと思いますけどね。
    片山さんが伝えたいのはそういった哲学で、そこへ持っていくための話やら登場人物たちはただのお飾りに過ぎないのかなぁ、と思います。

    もちろん良い文章だなぁと思える部分もあるのですが、ちぐはぐ感は拭えないです。
    そして最後の話はどん引き。
    とりとめのない日常を語るのに、そこに着地しちゃうんだ。。。みたいな。

    イルカは……よくわかりません。
    タイトルにするぐらいなので重要なテーマだとは思うのですが(文中にもときどき出てきます)、作品と繋がっているようには思えませんでした。

  • 片山恭一の哲学を凝縮したような一冊。もともと、小難しい話を読者に語りかけるような作風(自分の勝手な印象であるが)である彼の、普段は言えないことを分かる人にだけ言ってみた、という、本音が表されたものである(これも自分の勝手な印象)。だから、自分も含め、平凡な読解力と想像力しか持ち合わせていない読者は、つまらないと感じてしまうかもしれない。

  • 短編集。
    最後のお話、『百万語の言葉よりも』が良かった。
    旦那さんが亡くなって色々分かったりって、どんな気持ち
    だろうっと思いながら読みました。

  • 4つの短編集と思いきや、少し登場人物とかがループしているんですね。
    でもなんだかわかりづらく、もう一度パラパラっと読み直しても?でした。
    1つ目の話が全くわからない…

  • 人生で初めて自分で購入した思い出の本。喪失感を持っている人たちが、その喪失感とどのように生きてゆくか、そんなことがかいてある。

    -------
    ふわっふわしてる。どこでもないとこ、とても感覚的。こゆ文章が好き。現実じゃない、精神の世界。

  • ◆あらすじ◆
    妻と赤ん坊をホテルに残し、浜辺を散策する男。
    中州の風俗で働く十九歳の少女。
    スーパーの店員から介護士に転身した青年。
    突然死した最愛の夫に愛する女性がいたことを知った妻。
    そして水族館から逃げたイルカは、どこを泳いでいるのか……。
    深い喪失感を抱えながら生きていく人たちを、祈りにも似た言葉で描く四篇の物語。

  • 生まれてしまったからとりあえず死ぬまで生きてる。

  • ふこうなことがあったひとたちのはなし


    つまらなすぎてすてた

  •  連作ともいえる4作の短編集。セカチュウだけではこの作家に本当の評価をくだせまいと思って読んでみました。<br>
     強引に読者を納得させようとしている感じが、どうにもしんどかったです。全体的に、作者の主張が出しゃばっている。なんでも「〜と、●●は思った」と付け加えれば、その登場人物の見解になるというものではないはずだし。そのくせ、いきなり論理が飛躍したりもする。最後の話はほとんど惰性で読んだ感じでした。<br>
     はっきりいってセカチュウの方が断然よかったのだけれど、3つめの「彼らは生き、われわれは死んでいる」は、老いに人生の意義を見出した点が秀逸だと思ったので、★を1コおまけして3つにしました。

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著者プロフィール

昭和34年(1959年)愛媛県宇和島市に生まれる。愛媛県立宇和島東高等学校卒業。1977年九州大学農学部に入学。専攻は農業経済学。1981年同大学卒業、大学院に進む。1986年「気配」にて『文学界』新人賞受賞。1995年、『きみの知らないところで世界は動く』を刊行。はじめての単行本にあたる。2001年『世界の中心で、愛をさけぶ』を刊行。その後、ベストセラーとなる。近著に『世界の中心でAIをさけぶ』(新潮新書)、『世界が僕らを嫌っても』(河出書房新社)などがある。福岡市在住。

「2024年 『含羞の画家オチ・オサム—美術集団「九州派」の先駆者—』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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