イニシエーション・ラブ (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 32848
感想 : 4299
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167732011

作品紹介・あらすじ

僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて…。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説-と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • どんでん返しで有名な作品の1つとして様々な所で紹介されている本。
    読んでいるときに思ったのは「鈴木夕樹」が2年間で大学生から社会人となり、繭子との関係性が彼の浮気により崩壊していく展開なのかと思っていた。この時は鈴木夕樹は最低な人間で、繭子がかわいそうだと思っていたらSide-Bの最後で「辰也」という言葉が出てきてびっくりしてしまった。え、じゃあSide-Aで出てきた鈴木とは別人って事?様々な疑問が頭の中で交錯する中で、考察サイトや最後の語群を見て、やっと理解できた。この話は「鈴木夕樹」が最低な人間に堕落するまでの話ではなく2人の男を手玉にとる繭子の悪女ぶりを表わすものになっていたところがすさまじいと思いました。この話が、バブル期を時代設定としておいているため、バブル期をとっくに過ぎた読者からすると、そのまま時間軸のトリックにはまりやすいので騙されやすさが増すのだなと思った。

    この作品をアニメ化(できるかどうかわからなけど)した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    鈴木夕樹・辰也:下野紘
    成岡繭子:小松未可子
    石丸美弥子:上坂すみれ

  • まず、カセットテープのA面とB面というのが、かなり大きなキーワードです。
    そして、章のタイトルが全て曲のタイトル!笑
    80年代後半の自分は小・中学生でしたので「男女7人夏物語」は大人のドラマの認識で内容が全く分からなかった為、観ておけばよかったとちょっとだけ後悔しました。

    実は映画を先に観てしまっていたので、思い出しながら読みました。
    先に小説を読んだ方がもっと楽しめたと思います。
    私はどちらかと言うと、小説の方が好きです。
    ラストのどんでん返しの1ページ、知らなければ鳥肌だったのかもと思うと悔やまれます。

    ちょこちょこヒントが見え隠れしているので、2度目に読むとまた面白いと思います。
    ラストの1ページ以外は全てラブストーリーなので、知らないで読んでたら辛いのかなぁ。

    それにしてもミヤコのイニシエーションラブの言い分は、言葉にすると反吐が出ます。
    男女関係はそんな理屈で成り立つものなのかと思うような、切り捨てるような言い方に憤慨しつつ、まんまと丸め込まれました。笑
    これがなければ成り立たないストーリーだと分かっていたのに!

  • 乾くるみさんの有名作を読了。
    よくある恋愛小説の類かと思ったら…。
    登場人物とその関係性。そして主人公の視点と様々なミスリード。
    読んでいて「あれ?」となる多くの場面。
    こういうミステリーも面白いですね。
    おそらく1回読んだだけでは全容解明は難しいかも。
    2度目は別の視点でも読めそう。
    気軽に読めて、かつミステリーにハマる事も出来る。
    いい作品でした。

  • 「二回読みたくなる小説」、「ラスト2行で物語がひっくり返る」
    という言葉の意味が気になって手に取った一冊。

    2行でひっくり返るってどういうこと?って思いながら、ずーっと読み進めて言った結果、、、本当にラストでひっくり返りました笑

    普通に読み進めれば、よくある恋愛小説なんだけど、最後まで読むと別物に変わる。

    一周して、すぐに二周目に入らさせていただきました。疑って申し訳ありませんでしたw

  • 読み終わってからすぐに思ったのは、この物語は果たしてミステリーなのだろうか?という疑問だ。
    どちらかというと、心理サスペンスのような気がする。

    どこから見ても安全そうな道を歩いている。
    そんなつもりが、実は道に見えていたものは氷の上に人工的に作られたもので、もしかしたら途中には薄い氷があるかもしれない。
    落ちれば二度とはい上がれない凍りつくような水が満ちているとも知らず、自分の幸福に酔っている。
    もしかしたらすべては作為的なものとも知らずに・・・。
    この物語に登場する女はしたたかだ。
    そして、傷ついてもただでは立ち上がらない。
    女は学習する。
    今度こそは間違わないように・・・今度こそは痛い目にあわないように・・・。

    やたらと意味ありげな宣伝文句。
    でも、結局のところやっぱり二度読みしてしまった。
    作者の思惑にまんまとハマってしまった物語だった。

  • この作品は目的のはっきりした小説です。叙述トリックのためだけに存在している小説です。叙述トリックを使う目的はありません。ただ使いたかったから使う、非常にあっさりした考え方です。
    この小説は叙述トリックのみしか旨みがありません。そもそも叙述トリック自体にも旨みがありません。叙述トリックを使ったことによって、読者にもっと素晴らしいメッセージが伝わるとか、面白かった筋書きがより面白くなるとか、それが叙述トリックの旨みだと私は思います。しかしこの小説は、叙述トリックなしで読んだ時の筋書きが余りにも面白くなく、何も楽しくないんです。叙述トリックなしでは何も面白くない筋書きに叙述トリックを入れて、さあ面白いでしょうという小説です。
    初めて付き合った相手とは大体別れちゃったりして、これが通過儀礼ってヤツだよねっていう「イニシエーションラブ」というテーマ自体も、正直大きなお世話で、世の中には初めて付き合った相手と結婚して添い遂げる人間もたくさんいるだろうに、お粗末な考え方と言わざるを得ません。そのお粗末な考え方も共感できないまでも納得できるように描いてくれれば良いのですが、テーマの掘り下げについてはノータッチでしたので、反応に困りました。

  • うーん、うまいなあと言う感想しか無いかな。
    色々な小道具が少しずつ違和感を感じさせるのだけど、確信には至らない。
    最後からの二行目で本当にひっくり返されましたが、全ては理解出来ず他の人の考察でようやく理解しました。
    学生時代に読んでいたらトラウマ物かもです。

  • トリックには確かにとても驚かされます。うまくできてるな、いった感じで。

    ただそれ以外は特に目立ったところがない作品に感じます。
    登場人物に誰一人として魅力を感じなかったのも、私としては珍しい作品です。

    印象には残るが心は残らないと思いました。

  • ブクログ仲間さんたちが「どんでん返しに驚愕した!」と
    あちこちでショックに震えているのを見て
    普段はあんまり読まない感じの作品だけれど、どうしても気になって
    得意の105円の棚で見つけたのをきっかけに読んでみたところ。。。

    評判通り、きれいに騙されました!
    うーん、ミステリって、こういう書き方もあるんだなぁ。。。

    鈴木くんがひとりになる瞬間を必ず見計らって声をかけてくるあたりとか
    部屋に1冊だけ場違いな感じで置いてあるアインシュタインの本、
    自分へのご褒美として購入し、大切にしていたはずの指輪の紛失、と
    マユちゃんは可愛いだけの女の子じゃないぞ!たっくん、気をつけてー!
    と思いながら読んではいたのだけれど。

    登場人物の中に好きになれる人が誰もいなかったので、☆は少なめですが
    side-A、side-Bと、昔のヒットソングを
    6曲ずつ章タイトルにした目次の構成も小粋で
    ラスト2行で世界がひっくり返る鮮やかさに凄味を感じる、
    私にとっては新鮮な読書体験でした。

    それにしても、私でも耳にしたことがない曲が何曲もある、この目次の12曲、
    10代20代の若い読者さんたちだと、1曲も聴いたことがなかったりして。。。

    • まろんさん
      ほんとにほんとに。
      最後から2行目を、思わず二度見しちゃいましたもの!!
      騙されナカマナカマ゚.+:。(ノ^∇^)ノ゚.+:。

      「男女7人...
      ほんとにほんとに。
      最後から2行目を、思わず二度見しちゃいましたもの!!
      騙されナカマナカマ゚.+:。(ノ^∇^)ノ゚.+:。

      「男女7人夏物語」とか、女性たちのボディコンとか
      モテたい男の子たちのデザイナーズブランドのソフトスーツとか
      夏までには予約で埋まる、クリスマスの赤プリとか
      懐かしいエピソード満載でしたね!
      若い読者さんたちが読むと、
      日本にもこんなに景気のいい時代があったのか!
      って思うのかなぁ(笑)
      2012/08/24
  • '22年6月20日、Amazon audibleで、聴き終えました。

    何度か紙の本で読んでいましたが…改めて、audibleで聴いてみました。

    なんだろう…この感じಠ_ಠ

    よく、「ラスト二行で、ひっくり返る」と言われる、有名なラスト…その「衝撃」度は、audibleだと、薄まってしまっている、と感じました。この辺が、audible、というか、「聴く読書」の弱点かも╮(╯_╰)╭もともと僕は、そこまでの「衝撃」は感じてませんでしたが。

    聴き終えて思ったのは…例えば、綾辻行人さんの、超有名な「十角館の殺人」の、あの一行…あれなども、朗読で体験すると、そこまでの「衝撃」は感じないのかな…と思えました(読み手の手法、演出にもよるのかな?)。やはり、紙媒体には紙媒体の、「良さ」があるんだ、と、感じました。もちろん、電子書籍しかり、朗読しかり、でしょうが。

    以上の事を、改めて意識させてもらいました…感謝。

    • まーちゃんさん
      shukawabestさん、こんばんは。いつも「いいね!」ありがとうございます。

      「十角館の殺人」の、それ…確か、新装版、ですよね?あの一...
      shukawabestさん、こんばんは。いつも「いいね!」ありがとうございます。

      「十角館の殺人」の、それ…確か、新装版、ですよね?あの一行の衝撃が、より感じられるよう、工夫されてるらしいですね。

      最近、眼の調子が悪くて…audibleばかりです。でも、レパートリー的に、まだイマイチで。綾辻さんの「館」シリーズもアップされないかなぁ、なんて思ってます。
      2022/06/20
    • shukawabestさん
      目の調子が悪いのですか。それは、精神的にも生活的にも大変ですが、ご自愛いただくとともに、ブクログレビュー、お体にも大丈夫とお医者さんが言われ...
      目の調子が悪いのですか。それは、精神的にも生活的にも大変ですが、ご自愛いただくとともに、ブクログレビュー、お体にも大丈夫とお医者さんが言われる範囲で続けてください。しっかり読ませていただきます。ご無理されませんように。
      2022/06/21
    • まーちゃんさん
      ありがとうございます
      ありがとうございます
      2022/06/21
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著者プロフィール

静岡県大学理学部卒業。1998年『Jの神話』で第4回メフィスト賞を受賞し作家デビュー。著者に『イニシエーション・ラブ』、『スリープ』など。

「2020年 『本格ミステリの本流』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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