イニシエーション・ラブ (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
3.47
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本棚登録 : 26830
レビュー : 3910
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167732011

作品紹介・あらすじ

僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて…。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説-と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 「二回読みたくなる小説」、「ラスト2行で物語がひっくり返る」
    という言葉の意味が気になって手に取った一冊。

    2行でひっくり返るってどういうこと?って思いながら、ずーっと読み進めて言った結果、、、本当にラストでひっくり返りました笑

    普通に読み進めれば、よくある恋愛小説なんだけど、最後まで読むと別物に変わる。

    一周して、すぐに二周目に入らさせていただきました。疑って申し訳ありませんでしたw

  • 読み終わってからすぐに思ったのは、この物語は果たしてミステリーなのだろうか?という疑問だ。
    どちらかというと、心理サスペンスのような気がする。

    どこから見ても安全そうな道を歩いている。
    そんなつもりが、実は道に見えていたものは氷の上に人工的に作られたもので、もしかしたら途中には薄い氷があるかもしれない。
    落ちれば二度とはい上がれない凍りつくような水が満ちているとも知らず、自分の幸福に酔っている。
    もしかしたらすべては作為的なものとも知らずに・・・。
    この物語に登場する女はしたたかだ。
    そして、傷ついてもただでは立ち上がらない。
    女は学習する。
    今度こそは間違わないように・・・今度こそは痛い目にあわないように・・・。

    やたらと意味ありげな宣伝文句。
    でも、結局のところやっぱり二度読みしてしまった。
    作者の思惑にまんまとハマってしまった物語だった。

  • トリックには確かにとても驚かされます。うまくできてるな、いった感じで。

    ただそれ以外は特に目立ったところがない作品に感じます。
    登場人物に誰一人として魅力を感じなかったのも、私としては珍しい作品です。

    印象には残るが心は残らないと思いました。

  • ブクログ仲間さんたちが「どんでん返しに驚愕した!」と
    あちこちでショックに震えているのを見て
    普段はあんまり読まない感じの作品だけれど、どうしても気になって
    得意の105円の棚で見つけたのをきっかけに読んでみたところ。。。

    評判通り、きれいに騙されました!
    うーん、ミステリって、こういう書き方もあるんだなぁ。。。

    鈴木くんがひとりになる瞬間を必ず見計らって声をかけてくるあたりとか
    部屋に1冊だけ場違いな感じで置いてあるアインシュタインの本、
    自分へのご褒美として購入し、大切にしていたはずの指輪の紛失、と
    マユちゃんは可愛いだけの女の子じゃないぞ!たっくん、気をつけてー!
    と思いながら読んではいたのだけれど。

    登場人物の中に好きになれる人が誰もいなかったので、☆は少なめですが
    side-A、side-Bと、昔のヒットソングを
    6曲ずつ章タイトルにした目次の構成も小粋で
    ラスト2行で世界がひっくり返る鮮やかさに凄味を感じる、
    私にとっては新鮮な読書体験でした。

    それにしても、私でも耳にしたことがない曲が何曲もある、この目次の12曲、
    10代20代の若い読者さんたちだと、1曲も聴いたことがなかったりして。。。

    • まっきーさん
      ほんと、たっくん!気をつけてー!!でしたね(笑)

      まんまと騙されてしまった私ですが、
      脇を飾る小物(ガッポと鳴るコップとか音楽とか)...
      ほんと、たっくん!気をつけてー!!でしたね(笑)

      まんまと騙されてしまった私ですが、
      脇を飾る小物(ガッポと鳴るコップとか音楽とか)すごーく雰囲気が懐かしくて、なんか
      ほのぼのしてしまいました。


      2012/08/23
    • まろんさん
      ほんとにほんとに。
      最後から2行目を、思わず二度見しちゃいましたもの!!
      騙されナカマナカマ゚.+:。(ノ^∇^)ノ゚.+:。

      「男女7人...
      ほんとにほんとに。
      最後から2行目を、思わず二度見しちゃいましたもの!!
      騙されナカマナカマ゚.+:。(ノ^∇^)ノ゚.+:。

      「男女7人夏物語」とか、女性たちのボディコンとか
      モテたい男の子たちのデザイナーズブランドのソフトスーツとか
      夏までには予約で埋まる、クリスマスの赤プリとか
      懐かしいエピソード満載でしたね!
      若い読者さんたちが読むと、
      日本にもこんなに景気のいい時代があったのか!
      って思うのかなぁ(笑)
      2012/08/24
  • フツーの恋愛小説と見せかけて…という本。

    1980年代の静岡・東京が舞台。このころ青春時代を過ごした人、あるいは出てくる情報をちゃんとまとめながら読むタイプの読者だったりすると、仕掛けに想像がおよぶようです。
    自分は最後まで読んでも意味がわからなくて考察サイトに頼りました。まだまだだなあ。

    こんな官能小説みたいな描写いる?って思った部分も、考察サイトを見つつ読み直すと意味があったことがわかって、うなりました。

    うーん、他人の恋愛やセックスに関心がないと読んでいて疲れるかもな一冊。
    仕掛けは面白いです。

  • この作品は目的のはっきりした小説です。叙述トリックのためだけに存在している小説です。叙述トリックを使う目的はありません。ただ使いたかったから使う、非常にあっさりした考え方です。
    この小説は叙述トリックのみしか旨みがありません。そもそも叙述トリック自体にも旨みがありません。叙述トリックを使ったことによって、読者にもっと素晴らしいメッセージが伝わるとか、面白かった筋書きがより面白くなるとか、それが叙述トリックの旨みだと私は思います。しかしこの小説は、叙述トリックなしで読んだ時の筋書きが余りにも面白くなく、何も楽しくないんです。叙述トリックなしでは何も面白くない筋書きに叙述トリックを入れて、さあ面白いでしょうという小説です。
    初めて付き合った相手とは大体別れちゃったりして、これが通過儀礼ってヤツだよねっていう「イニシエーションラブ」というテーマ自体も、正直大きなお世話で、世の中には初めて付き合った相手と結婚して添い遂げる人間もたくさんいるだろうに、お粗末な考え方と言わざるを得ません。そのお粗末な考え方も共感できないまでも納得できるように描いてくれれば良いのですが、テーマの掘り下げについてはノータッチでしたので、反応に困りました。

  • どんでん返しがある本に名前が挙がっていたので、
    興味を持って読みました。

    Side-Aは素直に読んでいたのですが、
    Side-Bに入ると何ともいえない違和感を覚えてしまい、
    結果、中盤すぎには施された仕掛けに気づいてしまいました。

    マユが夕樹のことをたっくんと呼ぶ理由がこじつけでイタイこと、
    Side-AとSide-Bではたっくんの人格が異なりすぎていること、
    (成長とか経年変化とは違う異なり方なこと)、
    現在のことを書いているようで、
    Side-Bの方がSide-Aより古い事象が書かれていること、
    時系列トリックが稚拙などなど、
    仕掛けに気づくきっかけとなった違和感は色々あります。

    そうなると単なる恋愛小説としか思えなくなり、
    どんでん返しとされている最後の2行でも「ああ、やっぱり」と
    自分の考えが間違っていなかったことを確認し、
    やっと冗長な物語から解放されたという気持ちが正直なところです。

    帯には必ず再読したくなると書かれていましたが、
    面白いから再読というより、確認作業のための再読ではないでしょうか。
    私はそれすらする気になれませんでした。

  • 大事なものを見失ってしまったのかもしれない。
    愛されているとそれに慣れてしまって、甘んじてしまって、
    取り返しのつかないことをしてしまう。
    若いころにはいろいろな経験をして(=本のタイトルからね。流石。)、大人になっていくものですが、その代償は大きいですね。マユちゃん、いいこだ。ほんとに。

    ラスト2行目は読み流してしまってわからなったですよ~
    言われて言われて、読み直して・・・
    あー、そうか~。やっとわかりた。おもしろいかも~
    それを受けてのラスト1行、大人だなっ。

  • 必ず二度読みたくなると言われて読んでみたが最後の二行のために平凡な恋愛小説を読むのは大変だった。

  • 映画然り原作然り、「騙されるぞ騙されるぞって煽りすぎじゃないかなーもう」というのがあって、妙な反骨精神を持って読んだせいで、そこそこいい線に辿り着いた状態で例の最後から二行目に行き着いてしまったので、ちょっぴり肩すかしをくらった気分です。
    ここのインパクトが読者にとって作者の狙い通りのレベルで来ないと、物語そのものが所謂ケータイ小説的なトーンでも価値がある、とは言い難いのではないか、というところで、こう、なんというか、いかんせんモヤモヤが残るとしか言いようがありません。このがっかり感は大きいです。結構強烈な裏切りのはずなんですけどね。

    ただ、小説の構成は目新しくて、私が大好きだったドラマ「木更津キャッツアイ」を彷彿させるものもあって(これ、伝わる人にはネタバレになるかな、スレスレでセーフだと思っていますが)、最後から二行目の真実で世界は閉じられているような気もするけれど、恐らくじっくり読んでみれば読者の想像に委ねられているところも沢山あって、と「よくある恋愛小説」では終わらせないこだわりは楽しめました。side-Aなんて執拗にベタすぎて、細工があるんだと言い聞かせないとやっていられないなーという具合でしたから(笑)
    それから、個人的には久しぶりに、原作を読んでもなお映画館に足を運びたいな、と思えました。前田あっちゃんのくしゃっとした笑顔があまりに刷り込まれた状態でマユちゃんの描写を読んでしまったせいでしょうか、大きなスクリーンでマユちゃんに会いたいなって。日頃は、映画の上映が決まってから原作を読むときって、余程撮影方法などへの視覚的なこだわりに関する前評判を聞かない限り、配役を頭の中にいれて脳内スクリーンで上映させておけばある程度満足してしまうところがあったので、これは私の中では結構異例なことです。反対に、あっちゃん=マユちゃんという前提が無かったら、映画で観たいという欲にはまず繋がらなかっただろうな、というところ。なぜなら、マユちゃんの可愛らしさに関する描写は完全に鈴木くんの色眼鏡によるものですから、究極的には視覚に訴えるものが無いのです、同性の冷めた目線と言われてしまえばそれまでかもしれませんが。私自身はあっちゃんというフィルターを前提にマユちゃんのことを見て初めて小悪魔的な愛くるしさを感じたのです。あっちゃんフィルターは偉大、もとい堤監督は偉大。これだけ文章量を割いておいて、まだ観ていないわけですが。観たいな。

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著者プロフィール

1963年生まれ。静岡県出身。静岡大学理学部数学科卒。1998年『Jの神話』で第4回メフィスト賞を受賞しデビュー。主な著書に『匣の中』『塔の断章』『イニシエーション・ラブ』『リピート』など。

「2013年 『北乃杜高校探偵部』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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