リピート (文春文庫 い 66-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167732028

作品紹介・あらすじ

もし、現在の記憶を持ったまま十ヵ月前の自分に戻れるとしたら?この夢のような「リピート」に誘われ、疑いつつも人生のやり直しに臨んだ十人の男女。ところが彼らは一人、また一人と不審な死を遂げて…。あの『イニシエーション・ラブ』の鬼才が、『リプレイ』+『そして誰もいなくなった』に挑んだ仰天の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 地震国、日本とも言われる位にこの国では地震が頻繁に発生します。その数は震度一以上のものだけで年間に1,000〜2,000回という事実を知ると改めて私たちの日常が地震と共にあることに驚愕します。ひとたび大地震が起これば人命が危険に晒されることも当然にあります。そんな国だからこそ地震の発生を事前に予知することは国民の悲願でもあります。しかし、どんなに研究を続けても残念ながらその予知が難しいことに変わりはありません。『現代の科学では地震を分単位の精度で予知することは不可能である』、それが現実です。しかし、そんな風に一般論として地震予知を理解しているあなたの元にいきなりこんな電話がかかってきたとしたらどうでしょうか?

    『今から約一時間後の午後五時四十五分に、地震が起きます。三宅島で震度四、東京では震度一です』。

    驚く以前に『はあ?』といった間抜けな反応をしてしまってもそれは仕方のないことだと思います。今から一時間後に場所と震度を特定して『地震を予知するなんて、出来っこない』、これは『新手の悪戯電話』だと、判断するのは当然でしょう。しかし、もし、もしですよ、その問題の『午後五時四十五分』になって『地震?錯覚ではなかった。咄嗟に見上げた電灯の紐も、微かに揺れている』と、『新手の悪戯電話』がまさかの現実の事象となったとしたらどうでしょうか?目の前のその現実にあなたはどのような反応をみせるでしょうか?

    この作品は、地震を予知する電話が現実のものとなって驚愕する一人の大学生の物語。そんな電話の主が説明する、これは『予知能力じゃない…すでに知っていることを、ただ言っただけ』という言葉の先にまさかの『時間旅行』を体験する物語。そして、それは『時間旅行』をした過去の世界の中で『過去に戻って人生をやり直す』という言葉の意味を噛み締める主人公・毛利圭介の物語です。

    『その電話が掛かってきたのは九月一日、日曜日の午後のことだった』と、『卒論のレジュメを仕上げて』いるところにかかってきた電話を取ったのは主人公の毛利圭介。『そちらは個人のお宅ですか?』、『学生さんですか?』と不審な問いに『ご用件は?』と圭介が切り出すと、『今から約一時間後の午後五時四十五分に、地震が起きます。三宅島で震度四、東京では震度一です』と電話の主は語ります。『はあ?』と『思わず間抜けな』返事をした圭介に『この電話のことは、決して誰にも言わないでください』と言う電話の主は『お名前をうかがってもよろしいでしょうか』と続けます。『「毛利といいます」と正直に答えた』圭介に『また後ほど、毛利さんが結果を確認されたころを見計らって、こちらからお電話をさしあげます』と言うと電話は一方的に切れました。『何だったんだろう、今のは』と思う圭介は『新手の悪戯電話だったのだろう』と結論し、デスクに座るも時計を見ながら『残り時間を計算してしまっている』自分に気づきます。そして、『わずかな揺れを感じ』て、『地震?』と思う圭介は時計を見ます。『午後五時四十五分だった』というその地震。『慌ててテレビの電源を入れ』、確かにその事実を確認した圭介。そして『再び電話のベルが鳴』りました。『どうです。確認されましたか』と問う電話の主は『私はカザマと言います』と名を名乗りました。そんな風間に今の現象の理屈を問う圭介。そんな圭介に地震が来るのを伝えたのは『予知能力じゃない』と語る風間。そんな風間は、自分は『未来から来た人間であって、これから起こる出来事をすでに一度体験してい』るからと説明し、『過去のある時点から、自分の人生をやり直せる ー それを私たちはリピートと呼んでいます』と圭介に語ります。そんな風間は『私以外にも仲間がい』ることを告げると共に『次のリピートのときにお招きするゲスト』として圭介を選んだと伝えます。『電話番号をテキトーに選んで掛けたら、そちらに繫がった』と、選ばれた理由を聞いて『宝くじに当たるよりもすごい確率』だと思う圭介。そんな圭介に『いきなり時間旅行がどうのこうのと言われても』困るだろうから、『話の内容をとっくりと吟味』するよう、そして他言無用の旨を一方的に話すと電話は切れました。『過去に戻って人生をやり直す』という言葉を思い、考え込む圭介は『記憶などはこのままで、過去の自分に戻れるのだとしたら、どこに戻ろう。何ができるだろう』と思いを馳せます。そして、そんな圭介が、電話の主である風間含め十人の人たちと10ヶ月前の自分自身の身体の中へと、まさかの『タイムスリップ』をする運命の物語が描かれていきます。

    『過去に戻って人生をやり直す』という魅惑的な言葉の響きに一瞬にして心がもっていかれそうになるこの作品。主人公の毛利圭介が10ヶ月前の世に『タイムスリップ』する様が描かれていきます。私は『タイムスリップ』という言葉に極めて弱い人間で、あの映画この映画と『タイムスリップ』ものを見まくってきました。小説でも、二・二六事件の前夜へと主人公が『タイムスリップ』する恩田陸さん「ネジの回転」、三人の主婦が高校時代からの人生をやり直す垣谷美雨さん「リセット」、そして、まさかの戦時下昭和20年6月へと主人公が『タイムスリップ』する塩見夏衛さん「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら」など女性作家さんの書いた『タイムスリップ』ものを読んできました。そんな中で乾くるみさんの作品にも『タイムスリップ』を扱った作品があると知った私は今回この作品「リピート」を手にしました。「イニシエーション・ラブ」のレビューにも書きましたが私は女性作家さんの小説しか読まない…としているので、乾さんはてっきり女性だと勘違いしたためにこの作品は結果論で読むことができた作品となりますが、この点はラッキーでした(笑)。

    さて、そんなこの作品は文庫530ページという圧倒的な物量の中にまさしく『タイムスリップ』な物語が繰り広げられます。数多ある『タイムスリップ』ものは、その『タイムスリップ』の仕方によって同じ『タイムスリップ』と言ってもそこに描かれる世界は大きく異なってきます。そんな『タイムスリップ』ものの中で日本人にとって最も有名な作品は間違いなく「ドラえもん」だと思います。同作では主人公・野比のび太の机の引き出しに隠されたタイムマシンに乗ることで過去へ未来へと自由自在に赴くことができます。そこに描かれる世界は、現在の身体と心をそのままに、まさしく旅をするといった感覚でさまざまな時代を訪れるものです。映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」含め、一般的に『タイムスリップ』というとこのイメージが一般的だと思います。それに対してこの作品で取り上げる『タイムスリップ』は次の特徴を持っています。

    ①『ある日の、ある時間にしか、戻ることができません』。

    ②『意識は今のままですが、身体はその当時の自分、という状態になります』。

    さて、あなたはこの条件下での『タイムスリップ』をどう思うでしょうか?「ドラえもん」に比べて”①”の制約によって自由度はかなり下がります。しかし、”②”は考え方によってはとても魅力的です。自分の『意識』、つまり記憶などは今のままに、過去の自分の身体の中に心だけが『タイムスリップ』するという考え方は旅というよりは、自分の人生をやり直す感覚の先にある世界です。この作品の書名はまさしくその感覚を表現した「リピート」です。そして、そんな物語は、過去に戻ることを繰り返すことができることを暗示してもいきます。『リピートを繰り返す。永遠にリピートし続ける』というように自分の過去の身体の中に戻ることを繰り返すというその考え方。そんな考え方は『古来より数多の権力者たちが追い求めてきた』『不老不死』が実現できてしまうという驚くべき考え方へと繋がってもいきます。どうでしょう。一見、自由度がないと思われたこの作品の『タイムスリップ』が、見方を変えることでなんとも魅惑的なものに思えてくるのを感じないでしょうか?しかもそんな『タイムスリップ』へと赴く前には『準備のための期間を与えて』もらえます。つまり、今から戻ることになる過去の時間にどんな出来事があったのか、を予習することが可能になるわけです。そう、『ネタとして使えそうなことを一生懸命に憶え込んで行って、そうすれば、競馬で大儲けすることだってやろうと思えばできる』という時間がそこに待っているのです。この作品ではそんな『タイムスリップ』した先の時間で競馬に臨む際の細かい注意事項のようなことも語られます。私は競馬をやったことがないので、このあたり今ひとつピンと来ません。それよりもロト6でもやればなんの苦労もなく億単位のお金が手にできるのに…と思いましたが、そこには乾さんが一つ仕掛けを入れられています。それは、この作品が2004年の刊行にも関わらず、何故か時代設定が1991年となっていることです。過去の時代の物語とすることで、その時代に流行ったもの、その時代の風俗を上手く作品世界の雰囲気作りに用いる作品は多々ありますが、この作品はそれを意図していません。上記したロト6は2000年に誕生したものですから、ロト6に触れないだけなら1999年位の時代設定にしてもおかしくなかったはずです。しかし、それではまだ足りず1991年まで時代設定を遡らせた理由が最後の最後に明らかになります。今の世に当たり前に存在する”あるもの”が存在しては、物語に説得力がなくなるからです。ただ、せっかく1991年まで遡らせるのであれば、その時代特有の雰囲気感を作品に落とし込んでいただきたかった、そんな思いは抱きました。

    そんな作品は主人公の圭介が『タイムスリップ』をするまでに全体のおおよそ三分の一のページ数が割かれます。皆さんのレビューを見せていただくとこの時間が長すぎると感じられる方もいらっしゃるようです。確かにせっかくの『タイムスリップ』ものですから、その先の展開を早く見たいという思いが募るのは当然です。しかし、私はこの作品ではこれから起こることを前にしたドキドキ感の中のこの時間こそをむしろ好ましく感じました。というのもこの作品では『タイムスリップ』した後の物語が、一気に趣きを変えてしまうからです。その変容は、作品の宣伝文句に謳われる通り『人生のやり直しに臨んだ十人の男女。ところが彼らは一人、また一人と不審な死を遂げ…』というミステリーな推理小説の世界へと様変わりしていくものです。次は誰が亡くなるのか、これは事故なのか事件なのか、そして、犯人は誰なのか…という、殺人事件の真相究明に光を当てるまさしく推理小説そのものの物語が展開しだします。正直なところこれにはかなり面くらいました。大好きな『タイムスリップ』ものの小説を読んでいたはずだったのに…と展開する内容は、十人というそれなりの数の男女を登場させていることもあって、その真相究明へと至る過程に若干間伸びした印象も受けます。そして、そう感じてしまうもう一つの原因が主人公の毛利圭介をはじめとした十人の『タイムスリップ』した人物の他、脇役として登場する人物含め、誰にも感情移入する気になれない人物ばかりだという点です。リアル世界にいたら決してお近づきになりたくないような登場人物の魅力のなさが、『タイムスリップ』のワクワク感を萎ませていくのは、今まで読んできた、そして見てきた『タイムスリップ』ものの感覚には見られなかった傾向です。確かに『タイムスリップ』を扱った作品には間違いありませんが、どちらかと言うとその比重は推理小説寄りの作品なのかなあ、そんな感じもしました。

    しかし、若干の中弛みを経た作品は最後に再び盛り上がりを見せてくれます。『タイムスリップ』ものをどうまとめるか、どう締めるかというのは極めて難しい課題だと思います。もちろんネタバレになるのでその内容をここに書くことは控えますが、どうして一大学生に過ぎない圭介が十人の中に選ばれたのか?「リピート」という永遠に終わりが無さそうな書名の作品を自然な形で締めるためにはどうあるべきなのか?そして、「リピート」という形で『不老不死』の力を手に入れるということはどういうことなのか?こういった点をとても説得力のある形で一つひとつ決着させた上でのその結末は読者に納得感のある読後をもたらしてくれるものだと思いました。また、結末へと至る場面での緊迫感のある、まさに手に汗握るような、スピード感のある展開は、中弛みで集中力が切れかけた読者の気持ちをグッと鷲掴みにしてくれるエンタメ性に溢れたものです。そして、文庫530ページの物量のゴール。そこには、『過去に戻って人生をやり直す』という言葉の意味を今度は読者が感じる物語がありました。

    『リピーターの特権は《未来の記憶》を有している点にある』と、今の意識そのままに10ヶ月前の自分の身体へと『タイムスリップ』した主人公の圭介他十人の男女が二度目の同じ時間を生き抜いていく様を描いたこの作品。私たちは生きている中であの時ああすれば良かった、こうしておけば違う未来が待っていたはず…と過去のさまざまな後悔の先の今を生きています。そんな中では、その”失敗”をやり直すことができたならという思いを誰だって抱くものです。この作品では、そんな過去の時間を再びやり直す男女の姿が描かれていました。漠然と憧れていたやり直しの人生。しかし、やり直したが故に全く思わぬ方向へと転がり出す人生の様を見るにつけ、人生をやり直すことの怖さを感じたこの作品。『タイムスリップ』ものはやっぱり面白い!独特な世界観の中にSFの面白さと推理小説の面白さの二面を同時に楽しませていただいた、そんな作品でした。

  • 10ヶ月分時間を巻き戻して、人生をやり直す「リピート」の一人となり第2の人生を送る。しかしその中で同じ仲間達が殺されていくというストーリー。
    仲間達が次々と様々な方法で殺害されてしまうというのは「そして誰も居なくなった」を想像させる。サスペンス性や恋愛模様の濃さは乾先生らしいなと思いましたし、最後のイヤミスぶりが最高に良かったです(褒めています)。主人公の最後は、「まぁ、あんなことすればね…」と納得感すらある結末で、そしてその最後の目撃者が殺した由子本人という皮肉もとても素晴らしかったです。
    しかし、「そして--」よりも説明の長さや、タイムリープ物特有のややこしさも相まって読みにくいとも感じました。読むのであれば、しっかりと時間を空けた上でゆっくり読むことをお勧めします。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    毛利圭介:小林親弘
    篠崎鮎美:早見沙織
    池田信高:古川慎
    横沢洋:茶風林
    天童太郎:杉田智和
    高橋和彦:岡本信彦
    大森雅志:河西健吾
    坪井要:内山昂輝
    郷原俊樹:山路和弘
    風間元春:三木眞一郎
    町田由子:内田真礼

  • 10ヶ月前って、何してたっけ?

    『イニシエーション・ラブ』に続き、乾くるみさん(男性だったのね?!)作品『リピート』を読み終えましたので、感想です。

    乾くるみさんの作品は、人間の醜悪さや冷酷さが滲み出ている印象で、登場人物誰一人として好感を持てないのが特徴なのかもと思い始めた今日この頃。

    本作『リピート』は、大学生のもとへ掛かってきた電話から始まる奇妙なタイムリープモノですが、関わった人々が次々と亡くなっていき、最後の展開は夢も希望もありません、という状態…。

    私はスッキリしない読後感でしたが、このモヤモヤ感を敢えて味わいたいファンの方も多い気がする読みやすさではありました。

    『イニシエーション・ラブ』と同様に、お口直しの心温まる本も携えて、本作をお楽しみ下さい♪

  • おもしろかったー。出来すぎてるくらいに良く出来たストーリー。『時間旅行』というテーマが良かった。たった10ヶ月前にしか遡行できないけど、その裏に隠された事実は驚きでした。夢のある話でワクワクさせてくれた。
    一方で、謎があり残虐で切ない部分もあり、簡単に『リピート』は楽しいものとは言えないのだが…。こんな夢のような事があるんだと想像を膨らませていたが現実は…。ショック、謎解き、そして夢と現実を行き来してるような気分が味わえました。

  • ’22年2月11日、読了。

    うーん、長かった!というのが、第一の感想でした。…つまりは、僕は左程楽しめなかった、ということですネ。

    事件が起こるまでが、長すぎて…って、「リピート」そのものが、事件なんだろうけど•́ ‿ ,•̀前半は、正直楽しめませんでした。

    で、後半ですが…個人的な感想ですが、「なんか、もっさりしてるなぁ」という感じで…まあ、要は、僕には乾さんの小説は、合わないということ、なんでしょうねಥ_ಥでも、数冊まとめて古本を買ってしまったので…頑張って、読みます!

    久しぶりに、「イニシエーション〜」いってみようかなぁ。

  • 2004年作品。著者の本は初めて読みました。ただ映像化された「イニシェーション・ラブ」は、観ました。なんとなくニュアンスは似ているような気がします。SF小説です。前半は退屈ですが、後半は展開が気になり一気に読めました。ストーリーは面白いです。主人公は優柔不断であり、俗っぽいです。どんな終わり方をするのかと興味深く読めました。ただ、時間を遡ると言う物語は多いので、何だか退屈な部分もありました。

  • 「イニシエーション・ラブ」「セカンド・ラブ」に続き著者の作品は3冊目の読了となりました。

    著者の才能にただただ脱帽です。

    どうすればこんな発想が出来るんだろう...



    説明
    内容紹介
    現在の記憶を持ったまま過去の自分に戻って人生をやりなおせる「リピート」。しかし「リピーター」たちが次々と殺されて…傑作ミステリー
    内容(「BOOK」データベースより)
    もし、現在の記憶を持ったまま十ヵ月前の自分に戻れるとしたら?この夢のような「リピート」に誘われ、疑いつつも人生のやり直しに臨んだ十人の男女。ところが彼らは一人、また一人と不審な死を遂げて…。あの『イニシエーション・ラブ』の鬼才が、『リプレイ』+『そして誰もいなくなった』に挑んだ仰天の傑作。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    乾/くるみ
    1963年、静岡県生まれ。静岡大学理学部数学科卒業。98年『Jの神話』で第4回メフィスト賞を受賞して作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 久々の図書館本。久々の乾くるみ本。借りる時に、ちょっと厚みに抵抗あったけど、とりあえず借りました。
    読みやすいし、面白いし、気になるし・・で、結局1週間足らずで読了。

    時間ループもので、ジャンルとしてはSFになるみたいで、個人的には初SFになるのかな・・いえ、訂正、以前読んだ同著者の『スリープ』がありました。
    「永遠の名作『リプレイ』と『そして誰もいなくなった』に挑んだ傑作」とあり、『リプレイ』も『そして誰もいなくなった』も読んでないけど、そういう予備知識無くても大丈夫かな・・という心配はありましたが、杞憂に終わりました。

    時間ループで、もし、自分が過去に戻れるとしたら・・なんて、作中でも触れてるとおり、普通は、競馬や株などで一儲けしよう・・って自分でも思うだろうなと思ってました。
    でも、安直にそれをすることが、いかに危険かっていうことも同時に述べられていて、「なるほど」と膝を打ちました。感心しようと参考にしようと、タイムリープする予定はないので、心配はいらないのですが。

    巻末の解説で、この話の設定が、会話や地の文から、(おそらく)1991年頃らしい・・との説明があり、そんな推測が出来るのか・・とこれはこれで驚きでした。確かにスマホやタブレットなどといったアイテムも登場しないし、これといった流行語やアイテムなども出てこないけど、逆にそのお陰(?)で、一昔前のちょっと古い年代・・という印象も特に抱きませんでした。(家電話なんて、今でも普通にあるし)

    よっぽど違和感のある文章とか、不自然な話の流れとかだったら、ツッコミを入れつつ、展開を予測したりしながら読むこともありますが、そうじゃない限り、基本何も考えずに読み進めるので、最後まで楽しく読めました。
    最後のオチには、思わず「あ。」と言ってしまいました。

  • 人生を巻き戻せる話。選ばれた10人の共通点や、風間の真の目的など謎だらけで、それを後半で知ったときの衝撃は絶大だった。本来なるはずだった運命と違う運命になってしまってどんどん人が死んでいく辺りが怖くてドキドキした。いつ自分が殺されるか、バレるか怯えながら過ごすことがリピートの代償なのかと。最後の最後なんて焦りや恐怖から逃れたい気持ちがすごく伝わってきたよ。悪いことはチャラになんてできないなって思った。そんなうまくいかないよね。終わりはうまくまとまってると思うけど!

  • 前回の人生と全く同じ行動をとることなんてできなくて、そのちょっとした違う行動が及ぼす影響が、思いがけない出来事に結び付いていく怖さ…。
    人生をリセットできる権限はとても魅力的だけども、私は遠慮しておこうかな。

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著者プロフィール

静岡県大学理学部卒業。1998年『Jの神話』で第4回メフィスト賞を受賞し作家デビュー。著者に『イニシエーション・ラブ』、『スリープ』など。

「2020年 『本格ミステリの本流』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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