リピート (文春文庫 い 66-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167732028

感想・レビュー・書評

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  • タイムトラベルもの好きとしてずっと読みたかった本。個人的には登場人物たちが読み手の考え得る様々な可能性を考えるに至るところが良かった。つまり、自分が実際そういう立場になったらという視点が盛り込まれているので、臨場感溢れる作品に感じられた。
    タイムトラベルものやミステリー好きにはページをめくる手が止まらなくなるような展開になっており、少なくはない分量だが飽きることなく最後まで楽しめた。
    乾くるみさんの本は初めて読んだので、是非これから他の作品も読んでいきたい。

  • 面白かった( ´ ▽ ` )ノ
    「イニシエーションラブ」には恐れ入ったけど、ああいう技巧的なものは一発限り? 他になんか書けるんだろうか?……と思って本書を手にとってみたんだけど、なかなかどうしてしっかりできてて、「イニラブ」が決してまぐれでないことが分かった( ´ ▽ ` )ノ

     リピート前の小理屈で退屈した方もおられたみたいだけど、あれは定番ネタ(本作ならタイムトラベル)を扱ったSF作品のお約束なんだよね( ´ ▽ ` )ノ
     横綱土俵入りというか、特撮の変身ポーズというか、儀礼の一種( ´ ▽ ` )ノ
     先人の偉業に敬意を評しつつ、自分の立ち位置(その作品での時間旅行の定義)を明確化するという( ´ ▽ ` )ノ

     まあ、そこさえ越えたら後は一気呵成( ´ ▽ ` )ノ
     人生を繰り返せるという思いがけないチャンスを、リピーターたちはどのように活用するのか?
     予想通りの展開あり、意想外のハプニングあり、各人の本性・人間性がだんだん明らかになってきて目が離せない( ´ ▽ ` )ノ
     結果としては、天網恢恢疎にして漏らさず、って終幕になるけど、どいつもこいつもクズばかりってことが分かったから後味はそんなに悪くない( ´ ▽ ` )ノ
     
     大森先生の解説、本格ものからラノベからテレビドラマまで、タイムトラベルSFの代表作をみっちり紹介してて感嘆( ´ ▽ ` )ノ
     けど、なんで(意識だけタイムトリップするSF代表作の一つ)「ある日どこかで」が漏れているのか?……(´ェ`)ン-…
    「リプレイ」だって、もともとは「ある日」のバリエーションとも思われるんだけど……(´ェ`)ン-…
     あと、全体のストーリーはたしかに「そして誰もいなくなった」ではあるけれど、それ以上に映画「ファイナル・デスティネーション」シリーズそのものだよね( ´ ▽ ` )ノ
     ネタバレになるから、あえてあそこでは触れなかったのかな?(´ェ`)ン-…

     ほか、本書を読んでて気になったのは、(「イニラブ」もそうだったけど)話し言葉がくだけすぎて少々見苦しいところがあったこと、篠原さんが終盤いきなり理屈っぽいセリフを並べるとこ、そしてやっぱりリピートするまでのくだりがいくら何でも長すぎるとこ、かな?( ´ ▽ ` )ノ
    (死体処理とかピストル入手とか、雑な描写は山ほどあるけど、あえて目をつぶる)

    「そして誰もいなくなった」はともかく、「リプレイ」はぜひ併読しておきたい( ´ ▽ ` )ノ
     面白いよ( ´ ▽ ` )ノ
     そして、読後「ファイ・デス」シリーズを見れば、うふふ気分にひたれると思うよ( ´ ▽ ` )ノ

     天童さんの解決した「事件」ってくるみんの他作で扱われているのかね? いずれ探して読んでみよう( ´ ▽ ` )ノ


     ……「乾くるみ」(おっさん)って「ぬいぐるみ」のもじりなんだってね( ´ ▽ ` )ノ

    2017/11/05

  • 過去の自分に戻れるという不思議なタイムリープ現象に招待された主人公たち。ところが次第に仲間が次々と死んでいき・・・

    前半はタイムリープに関する考察、思考実験でやや退屈(といっても非常に深く考えられています)しましたが、中盤に主人公がまさかの行動に出て本性が明らかになり、そして終盤にタイムリープ現象の真相が明かされ・・・と、どんどん面白さが加速していきます。

    っていうかほとんどの人物が下種というか、自分のことばから考えていて、ヒロインが可愛そうに思えてきました。

    話の展開の加速性と意外性、タイムリープに関する深い考察と緻密な構成が重なって、非常に面白い作品です!

  • 乾さんの本では

    2番目に好きです。

    ネタバレになるので
    あまり書けませんが、主人公の結末はスッキリしました!

    設定もよく考えられていて、わりと読みやすいと思います。

    それぞれの人物を自分だったらどうするか考えるとそれなりに楽しい。

  • リピートというリアリティのない題材を扱いながら途中からはもう離れることの出来ない読ませる展開。リピート後の続く殺人、その謎解き、そしてラストのまさかの展開…
    イニシエーションラブに続く第2弾、本当に乾くるみはスゴイ。

  • 繰り返される人生を考えた時、普通はやり直しでより幸せになった自分を想像しがちで、不幸な出来事も再体験しなければならないことを見落としているというのは本作の元ネタにもなっている「リプレイ」を読んで思ったことだ。本作では先の人生で体験しなかった不幸で仲間が少しずつ消えていく。誰が残るのか、またやり直せるのか、最後の最後まで目が離せない。

  • 前半ちょっとだらだらしていたけど、中盤からはおもしろくってぱーっと読んでしまった。
    SFやミステリーなのだけど、ただのSFやミステリーじゃなくて、人生について考えさせられる作品。
    あの時こうしていればよかった とはよく言うけれど、それがプラスになったかというとそれはそうでもないかもしれないし、まあ、人生、なるように、なる ?

  • 10ヶ月前の自分に戻れるとしたらどうしますか?
    戸惑いながらも過去へ行く決断をする参加者たち。ランダムに選ばれたと思いきや、参加者たちにはある共通点があった・・・
    設定が面白く、文章も読みやすかった。主人公、毛利の正義感、好奇心、そしていざとなったときの利己的な判断など、どこにでもいそうな人物を上手く描かれており、リアリティーを出しています。賛否両論あるラストのオチですが業というものを感じさせ、私は気に入りました。

  • 過去に戻ることができたら、過去をやり直すことができたら、というのは、永遠のあこがれのような気がします。ゲームでも、何度もリセットしてやり直して、一番良いときにセーブして次に進む、なんてことをよくやりました。

    人間離れした特殊な能力を持つと、人生というゲームが一気に有利になるのですが、同じ能力を持つ者が現れたり、能力を使いこなせず振り回されたり、なかなかうまくいかないものですね。

    人生は思い通りにならない部分もあるから面白い、と言えるくらい余裕が持てるようになりたいものですが…

  • 人生のやり直し、不老不死とか、誰しも一度は夢見そうなことだけども、ロクなことにならないんだ、ということを教えてくれる本。
    オトシ方が半端ない。

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著者プロフィール

静岡県大学理学部卒業。1998年『Jの神話』で第4回メフィスト賞を受賞し作家デビュー。著者に『イニシエーション・ラブ』、『スリープ』など。

「2020年 『本格ミステリの本流』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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